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夢幻戦隊MSガールズ  作者: 硫化鉄
第五話 「確執、そして恐るべき凶魔獣」

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シーン9 現世界のあちこちで。

 日はとうに暮れ、月が照り映える夜。

 水上鮎は愛用のバイクを駆り、夜の街を疾走していた。

 鵺の声が頭を駆け巡り、水上の集中を妨げる。

 だが誰もが同じ災厄に見舞われているせいで、道路に車が一台も見えないのが救いだった。


「夕方眠ったとは言っても……睡眠不足にこの音……。

 バイクに乗るには最悪のコンディションだな……」


 水上がヘルメットの中でため息をついた時、あれほど頭の中を掻き回し、どうやっても消す事のできなかった鵺の声が、消えた。

 水上はバイクを止め、地図を開く。


「なるほど、ここまでは声も届かないわけか」


 現在位置を確認し地図に印を付けると、水上は再びバイクを走らせた。


「声の聞こえる範囲を特定すれば、その中心に……!」




 その頃、智恵は自室で机に向かっていた。ただ一枚のルーズリーフに、びっしりと文字が詰まっている。

 それまでに書いた十数枚は、思い切って捨て去った。

 一度頭をリセットして、ゼロからもう一度始めたのだ。

 智恵は一旦ペンを止めて一息付いた。


「これで異なる種類の光線を同時に撃つ事はできる……。あとは……!」


 智恵はルーズリーフを睨むように見つめながら、自分に言い聞かせるようにつぶやいた。


「科学は万能なんだから……! 必ず完成させてみせる……!

 あたしの必殺技、XVサーチャー……!」




 水上がその場所に着いた時、鵺の声は耐えきれないレベルになっていた。

 水上は地図を確認した。間違いない。地図上にいくつか印した、声が消える境界地点。それらを円周とした円の中心が、ここだった。


「ここが……声の範囲の中心……まさか……。

 よし、富士宮たちに……!」


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