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夢幻戦隊MSガールズ  作者: 硫化鉄
第三話 「消えた!消えた!バレた!?」

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シーン7 @美佳の家

 夜。

 美佳は珍しく机に向かって考え込んでいた。

 ウォルフに話しかけようとしては思いとどまって。それを何度繰り返しただろう。

 昼間のホーキングの発言で、ウォルフが傷ついているのではないかと気にしているのだ。

 美佳は意を決して携帯を取り上げた。もう十数度目だ。

 

「ウォルフさん……?」


 そっと呼びかける。ウォルフは既に、柔らかい表情で美佳を見つめていた。


「はい、お嬢様」

「やっぱり……元気ない?」

「いえ、お嬢様。ご心配なさらないで下さい」


 その答えは美佳の予想した通りのものだった。そして、それは唯一美佳が信用できないものだった。

 もしウォルフが傷ついてたとしたら、彼はそれを自分に言うわけがない。美佳はそう思っていた。

 そしてそれはホーキングのせいではなく、美佳自身の責任だと彼女は考えていた。


「私の妄想の仕方が悪かったんだよね……」


 ぽつりと言う美佳。ホーキングの言葉を最も重く受け止めていたのは美佳だったのだ。

 過去の芸術家の寄せ集め。その言葉は美佳の中に、ウォルフに対する罪悪感として刻み付けられたのである。


「お嬢様、そんな事は……!」

「だって……!」


 常に笑顔を絶やさない美佳の、いつもは見せない顔。その顔はウォルフも見るのは初めてだったが、彼はずっと昔から、美佳のその顔を知っていた。そう、彼が自我を持つ遥か昔から。

 ウォルフはその優しい表情で、美佳を包み込むように言った。


「考えるのはやめましょう、お嬢様」

「でも……」

「でなければ……私はお嬢様の明るい笑顔を見ることが出来ません。

 それでは、私は困ってしまいます。

 お嬢様の笑顔が、私の力の源なのですから……」


 美佳の心にウォルフの言葉が素直に染み込んできた。


「ウォルフさん……」


 ふっと心が軽くなって、表情が緩む美佳に、ウォルフは微笑んだ。


「……さん付けはおやめ下さい」


 二人で同時にくすっと笑う。


「さ、そろそろ寝よっかなっ」


 美佳は素直な笑顔を取り戻して立ち上がった。そして。


「……あれ?」


 机の上に見慣れないものを発見し、取り上げる。


「いかがなさいました?」

「うん、あのね、机にストラップが置いてあって……」


 彼女が手にした携帯ストラップの先には、小さなひょうたんがぶら下がっていた。


「わぁ、かわいい~~! 赤いひょうたん!

 ウォルフさん見て見て! こうやって……」


 美佳はひょうたんに油性ペンで目と口を描いて、満足気に携帯に取り付けた。

 

「ほら顔!! かわいいでしょ?

 これって、パパからのプレゼントかな……?」

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