アバンタイトル お仕置き……
暗闇を切り裂いて、光が走った。いや、それを『光』と呼ぶのは誤りかも知れない。稲妻のように疾走するその光は、その周りに黒い闇を纏っていたのだから。
その『光』は、卑弥呼の怒りに満ちた双眸から放たれ、アラジンを責め苛んでいた。
神託の間に、アラジンの苦悶の声が響いている。その合間に切れ切れに混じる、許しを請う声。
「お許しを……! お許し下さい卑弥呼様!!」
「ええい、黙れ! バクを二度まで強化しながら、現世界の小娘どもに後れをとるなど!」
「申し訳……ございません!!」
「二度とこんな失態は許さん! 悪魔……ビィィーーーーーームッ!!」
卑弥呼の双眸が輝き、闇を纏った稲妻がさらにアラジンを襲った。
「お、お許しを~~~!!!」
ここで、解説せねばなるまい。
今、卑弥呼がお仕置きに使っているのは、必殺技の一つ、悪魔ビーム。
当たると、とても痛いのだ。
「あ~あ、おっさん、かわいそーに」
頭の後ろで手を組むいつものポーズで、悟空は面白そうにアラジンを眺めていた。くすくす笑いながら言ったその言葉を、卑弥呼は聞き逃さない。
「悟空!!」
「あ……やべっ!!」
慌てる悟空にじろりと視線を移し、卑弥呼はゆっくりと言った。
「悟空……お前も力を合わせろと言っておいたな?」
「そ、そりゃそうだけど……バクはおっさんの管轄だし、俺はあっちでは力つかえねえし……」
「言い訳など聞きたくない!」
卑弥呼は悟空の弁解をぴしゃりと遮って、尻尾の先をゆらゆらと揺らす。先端の針が悟空の方を向き、光を放った。
「……悟空。お前には……。
悪魔ポイズーーーーン!」
シュルシュルと音を立てて、尻尾が悟空に伸びる。
「や、やめて……」
悟空はじりじりと後ずさりしていたが、いよいよ尻尾が迫ってくると、くるりと背を向けて逃げ出した。
だが無情にも、高速で伸びてきた尻尾の先の針が、悟空の尻尾のすぐそば、お尻の右側に突き刺さる。
「ぁだっ!! ……あ、あ、うわぁぁぁぁ!!!!」
突き刺さった痛みの後、悟空は苦悶の声をあげた。
ここでまたもや解説せねばなるまい。
卑弥呼の尻尾の先は毒針になっているのだ。
毒の効果が、悟空の身体を蝕んでいく。
「ん……あ……あああああああっ!!! は、腹が……ぁっ!!」
さらに解説せねばなるまい。
悪魔ポイズンの毒の効果は、体がしびれる、体力が奪われる、強力な眠気に捕らわれる……等々の効果がランダムで現れる。
どの効果が現れるかは、卑弥呼本人にもわからないのだ。
「腹が……ああぁぁ~~っ!! 腹が……減ったぁぁ~~~っ!!」
今回の悪魔ポイズン、効果は『とってもお腹が空く』だったようだ。
卑弥呼の必殺技でお仕置きされるアラジンと悟空。
二人の苦悶の声が、絶望と恐怖、闇のハーモニーとなって、神託の間を満たしてゆく……。
「次の作戦は、悟空、お前が指揮をとれ!
アラジンの指揮で不満ならば、お前がやってみせろ!」
卑弥呼の命が下る。悟空は腹を抱えてうずくまり、うめき声を漏らしながら拝命した。
「は……はい……!! 必ずや、闇の力を増大させ、あの人間どもも打ち倒してご覧に入れます……!!」
妄想、夢、虚構……人類の想像の世界は、実は全てつながっている。
妄想界……その世界の闇の力が増大し、現実へと侵攻を開始したとき、
三人の戦士が、その妄想の力を駆使して立ち向かう!
あかり「夢幻戦隊!」
三人 「MSガールズ!」
OPテーマ「夢幻戦隊MSガールズ」
(あかり)ジラード!
(智恵) キングガン!
(美佳) ウォルツール!
(あかり)もしも夢が消えたなら
(智恵) 人の心の灯が消える
(美佳) 光を奪い闇に落とす
(三人) 悪のディスペアー許せない
(美佳)
夢を奏で!希望を描け!
心を奮わす夢幻のアート
夢想の芸術体に宿し
今こそ戦え!「念写!!MSコラボレートっ!!」
描けウォリュチュ……「お、お嬢様?」
ウォ ウォルツツツ……「し、しっかり!」
描け奏でろ!ウォ ウォ ウォルツーリュ……「さ、最後まで……」
(三人)
そうさ無限!夢幻!不滅の心
無限 夢幻 無限 夢幻戦隊MSガールズ!




