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夢幻戦隊MSガールズ  作者: 硫化鉄
第11話 「新生」

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シーン4 その頃の卑弥呼さま

 神託の間は、薄闇で満たされていた。灯りが弱いのではない。四方の壁にしつらえられている蝋燭は盛大に燃え盛っているが、それでも薄闇は、少しずつ濃くなってさえいるようだった。

 祭壇の前に佇む卑弥呼は、事態の推移を苦々しく見守っていた。


「何故だ……! 九分九厘成功していた我の作戦が、何故こうも……!

 ……いや、まだ我が想定の範囲で推移している。

 もし万が一不測の事態が起きたとしても、その時は我が……!」


 ざわり、と周囲の闇が濃さを増した。

 卑弥呼はその闇を歓迎するが如く、とろけるような笑顔を浮かべる。


「主よ、ご安心下さい。

 MSガールズは必ずや……」


 闇が震え、地鳴りのような音が神託の間に満ちた。

 卑弥呼は自らの身体に力が流れ込んでくるのを感じ、陶然として声を上ずらせる。


「あぁ……主のお力がますます……。

 闇の力が急速に増大してゆく……。

 全てを飲み込む闇の力……」


 その時、濃くなっていた闇が急速に集まり、大きな黒い塊となった。その塊は闇を吸い寄せながら、その矛先を収束させていく。


「……え……? この……力……!

 我を……な……っ!」


 黒い塊は明確に意思を持って、卑弥呼を引き寄せていた。

 突然の事に卑弥呼は恐怖した。


「な……これは……!」


 卑弥呼はその引力に引きずられながら必死に抵抗するが、確実に引き寄せられていく。


「作戦はまだ終わっていない。我はまだ主のお役に立てていない!

 なのに、何故……!

 く……っ、抗えぬ……! 我の力を持ってしても……」


 卑弥呼は黒い塊に飲み込まれながら、この恐怖の正体を感じ取っていた。


「これは……主……なのか……?

 何故……っ!」


 誰もいない神託の間で、卑弥呼は闇の中に引き摺り込まれていく。


「悟空……! アラジン……!」


 卑弥呼の悲痛な叫びが消えた時、神託の間を照らしていた火が全て消え、神託の間は静かな闇に閉ざされた。

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