10月18日(火)12:50
「ちなみに、黒魔術師ってどうやったらなれるの?」
「まずレベルを40まであげる必要があります」
「あ、さすがに勇者とかよりは低い」
「それからいくつか特定のクエストをこなさなければならないのと」
「うんうん」
「あと、魔術を5000回以上行使しなければならないという条件がありましたね」
「へー、そうなんだ……5000回?」
え、5000回って。魔術で1回攻撃したら……1回? つまり、それを5000回?
一体の敵を倒すのに5回の攻撃魔術を使うとしても、千体倒してやっと5000回だよ? 一撃で倒せるような弱い敵なら、五千体倒さないといけないよ?
「……魔術師と黒魔術師ってそんなに差があるの?」
「魔術を使うという点においては、特に差はないように思いますが。少なくともこの作品の中では、黒魔術師の方が格上という扱いになっているようですね」
「……なるほど」
「俺、ちょっと攻略サイトで見てみたんだけどさ。魔術師の上位互換として黒魔術師と白魔術師ってのがあるみたいだな。白魔術師になる条件は黒魔術師とほぼ一緒らしいが、使える魔術の属性が違ってくるっぽい」
「へぇ。上位互換……私たちの役職にも、そういうのある感じ?」
「ああ。騎士の上位互換は聖騎士。ヒーラーの上位互換は聖職者」
「聖職者。急に神々しくなった。四月一日くんの剣士は?」
「俺はレベルを上げて特定の条件を達成すれば、剣聖とやらになれるみたいだな」
「剣聖。なんか上位互換って、聖がつくの多い? 二ノ宮くんの弓使いは?」
「僕は竜騎兵ですね」
「は? 竜?」
突然毛色が違いすぎるんだけど。竜騎兵って何。竜に乗って戦うの? 弓使いが竜使いになるの?
「現実の竜騎兵は馬に乗って銃で戦うみたいですけど、まあゲームですからね。でも竜使いだとテイマーになっちゃうので、ちょっとニュアンスが違います」
「……テイマー?」
「魔物を使役して戦うやつです。僕は竜を使役できるわけではなくて、戦うのはあくまで僕自身というか。竜に乗って、武器で戦う、みたいな」
「……活動範囲が空中に広がる、と」
「です」
「なんかいろいろ便利そうだね」
「しかしせっかく竜に乗ってるのに竜で攻撃できないとは。微妙だな」
「微妙って」
「まあ、竜に乗るというのはかっこいいが」
「ふふん。うらやましいでしょう」
「別にうらやましくなんか……うらやましい」
「うらやましいんだ」
隣の席の四月一日くんはどうやらかっこいい竜が好きらしい。




