10月17日(月)12:50
「随分とお待たせしました」
「別に待ってないが」
「試験もあって間が空いてしまいましたが、宣言通り、モンドテーレのアカウントを取り直しましたよ。ちゃんと指定された名前にしました」
「え、本当にやり直したんだ」
「マジで最初からやるとは」
「とりあえずレベル10まであげて役職を選択できるところまできたのですが、そこでちょっとご相談が」
「どうした」
「黒魔術師という役職はあるのですが、これはレベル10では無理のようです。仕方がないので、手始めに魔術師になるということでよろしいでしょうか」
「三谷くんめっちゃ理解度高いじゃん。ちゃんと黒魔術師になれるのか、自ら調べてるとか」
「お前、なんで俺らよりも順応してるんだよ」
私たちは四月一日くんとそれなりに仲良くしているとはいえ、はっきり言って意味がわからない部分はわからないまま放置している。四月一日くんの中にどうしてこのような壮大な設定があり、どうして私たちがその設定の住人になっているのか。選ばれた基準は全くの不明だ。しかしこのいかにも真面目そうな三谷くんは、なぜかすっかりこの設定を飲み込んで自分のものとしている。凄いなこいつ。そんなに二ノ宮くんの配下ってところが気に入ったのか。だからこんなにノリノリなのか。
「うむ。いいだろう。役職は魔術師を選択してくれ」
「了解しました。レベルを20まであげたらギルドに参加できます。招待してくれるということでいいのですよね」
「約束を違えるわけにはいかないからな」
「その言葉、忘れないで下さい。今週中には達成できると思いますのでよろしくお願いします」
「わかった」
「なんだこの会話。おい三谷。俺らのギルド、そんな活発なわけでもないし、別にそこまでの価値ないぞ?」
「お三方が受験生な以上、そんなにやり込んでいるわけでもないであろうことは想像が付いています。しかしだからこそ、初めからやり直しても追いつけます。むしろありがたいです」
「ポジティブすぎる解釈」
「遠回しにディスられてる気もするけど」
「ルークレインは真面目で堅物だからな。俺らがやり込んでないことを、本当にありがたく思っているんだろう」
「四月一日くん、意外と三谷くんに理解あるよね」
隣の席の四月一日くんはどうやら三谷くんのことがよくわかっているらしい。




