10月19日(水)13:00
「黒魔術師だけでなく、上位互換の役職は基本的に、最低ラインがレベル40みたいですね。皆さんは上位互換にジョブチェンジできそうなところまでいってますか?」
「いや」
「全然」
「全く」
「端的な回答をありがとうございます」
「俺ら皆、だいたいレベル35くらいだよな」
「そうだね。夏休みくらいまではそこそこやってたけど、本当にちまちま進めてただけだし。最近はさらに頻度落ちてるし」
「ギルド設立条件のレベル20まではレベルアップも早かったが、そこからはどんどん必要経験値が増えていったしな。レベルはなかなか上がりにくくなっている。ペースとしては、十分に早いと思っているが」
「なるほど。二ノ宮くんも、同じくらい?」
「はい。僕は一人でやればどんどん先に進んじゃうので、あえて先輩たちに合わせてます。ちなみにペースとしては、めちゃ遅いです」
「何。遅いのか」
「遅いです」
「そうか……遅いか……」
「え、あ、いや。受験生にしてはまあ、早い、かな。早いですよそこそこ」
「二ノ宮が四月一日にフォロー入れる図って珍しいな」
「私たちもともとそんなにゲームやるわけでもないし、仕方ないって。むしろよくやってるよ」
四月一日くんがあまりにも落ち込んで見えるので、私も一応フォローを入れておく。まあ仕方がないというのは本当だ。四月一日くんはスマホ操作に慣れるまで時間が必要な人だし、そもそも私たちはそんなにゲームをやり込むタイプでもない。仮に受験生じゃなかったとしても、これ以上ペースが早まったかどうかは微妙なところだ。
「……俺らこんな感じだからさ。マジで最初からゲームやり直してまで入るほどのギルドじゃねーぞ?」
「前にも言いましたけど、おかげで今からやり直しても皆さんに追いつけます。ありがとうございます」
「……せっかく追いついても、ほぼ活動しないかもしれんし」
「今はそうでも、受験が終わったら暇になるでしょう。そしたらぜひ冒険に繰り出しましょう」
「いや俺らの受験が終わったら次はお前の受験だけど」
「自分はゲームにかまけて勉強を疎かにするような真似はしません」
「うむ。ルークレインなら、勉強時間を削らずにゲーム時間を確保するくらい簡単にやってのけそうだな」
「四月一日くん、なんやかんや三谷くんのこと好きだよね?」
「敵と言いつつ信頼してるその感じ、なんなんだよ。少年漫画か」
隣の席の四月一日くんはどうやら三谷くんに対して謎の信頼があるらしい。




