第2話「悪夢の始まり」
長い沈黙の後、白田先生は画面を見つめながら
「患者が起きたらここを出よう。
ここも安全ではなくなる可能性が高い。」
あの映像を見て安全としていた私はその言葉を聞き我に返りました。
「でも、ここから出てどこに向かうんですか.....?
電話も繋がらないこんな状態で?」
佐藤さんがそういった後、白田先生は
「大きな建物がある場所に行こう。
私たちの他にも同じように考えて移動しているはずだ。
この建物だけでは何か起きた時に心もとない。」
そして、僕たちは荷物をまとめだした。
先程の患者が起きてきたらすぐにでも移動できるように。
それほどにまで先程の映像は僕たちに衝撃を与えた。
白田先生が不意に僕に言った。
「須藤君、先程の患者の様子を見てきてもらえるかな。
あれほどの怪我だ。
治療したとは言え、心配だ。
私は他の準備をしておく。
何かあったらすぐに来てくれ。」
「わかりました。」
僕は先程の患者がいる部屋の扉を開けた。
患者は安静に寝ているようだった。
ただ、肌が薄っすらと緑色になっているように見える。
僕は患者に近づこうとしたとき、患者の近くに何か落ちているものを見つけ拾ったが......
「これは......」
人の歯だった。
その時、患者の方から物音が聞こえ振り返った瞬間、患者は上半身だけを起き上がらせ
全ての歯が抜けた。
抜けた歯からは人の歯とは思えないほど鋭く、大きい歯が生えていた。
眼球は飛び出て目の位置は空洞となっていた。
患者だったものはこちらを向いており、飛びかかってきた。
私は傍にあったたたまれたパイプ椅子を手に持ったが仰向けの状態になてしまった。
元・患者は今にも鋭い歯で私を噛もうとしている。
(このままでは.......)
パイプ椅子で攻撃を防いでる間にも壁に振動は伝わり、薬品が落ちた。
その薬品は強い匂いがするものだったのかこちらにも匂ってきた。
その匂いがこちらに漂ってきたと思った瞬間に元・患者はその薬品の方に飛び移り、薬品が飛び散った
地面を嚙もうとしていた。
私はこの隙に扉に駆け寄ってこの部屋から出て、近くにあった植木鉢を斜めに立てかけて扉を塞いだ。
ホットしかけたその時、
「須藤君、こっちに来るんだ!」
そう聞こえた同時に白田先生が慌てた様子でこちらを見ていたが、白田先生の位置とは逆の方向を
見た瞬間、この建物の扉に張り付く人だったものがいた。
そして、そいつらの足元には食い散らかされたような状態の佐藤さんの姿があった。




