65話消える命
遊園地中央――。
そこに、沢山の死体が歩き回っていた。はたから見れば服に血がついただけに見える。だが確実に死んている。
その死体の中に、死体を燃やし、灰にし続けるものがいた。
ユウトだ。ユウトは炎をだし続け攻撃する。
死ぬのは分かっている。こんな傷だ、生きていられたのが奇跡だ。だがその奇跡ももうすぐ消える。心残りがあるなら、それは異能部の皆とあまりしゃべれなかったことだ。
そういえば、元々俺が異能部へ入った理由って……。
友達が欲しかったからだ……。
ユウトは自分の体に火をつけた。
「まさか、死んでも死体を使わせないために……」
アバドンは驚愕する。人のような下等生物にここまでの覚悟があったとは……。
死体もドンドン数が減ってきた。だがあの男の命ももうすぐ尽きる。
油断していた。
後から誰かがアバドンの首を斬る。
「おい!お兄ちゃ……カイン!!ついてくるなと言ったろ!!」
「アベル私だってユウトにはお世話になっている」
そこに現れたのは、異能部二年のアベル・アルシュザハトと異能部3年、カイン・アルシュザハトだった。
2人の登場によりアバドンの立場は一気に不利になる。
「ユウト先輩……死んじまったのか」
「アベル今は悲しむ暇などないぞ」
「あぁ、俺たちでこいつをぶっ殺す!!」
アベルが飛び出す。死体を殴り飛ばしまながら近づく、アバドンがアベルを殺そうと手を前に突き出す。
だが次の瞬間、アバドンの体中に大量の傷がでる。
カインが手に天秤を持っていた。
(死体の傷が少し回復してる……まさか傷を分ける能力、今は私と死体の傷を分けたのか……)
その思考がアバドンの判断を遅らせる。アバドンの腹にアベルの渾身のボディーブローをくらわせる。
アバドン口から血が噴き出すがすぐに翼を動かし空に飛び上がる。
アバドンの傷がドンドン治り、また無傷へ戻る。
「嘘だろ……」
アベルが驚きながら言う。
「多分、何か秘密があるのだろう」
「それを見つけねぇと倒せねぇわけか」
2人は同時に言い放つ。
「めんどくせー」




