64話血まみれの過去
現実ってものはクソだ。俺の人生も…何もかも…クソだった。
生まれはスラム街。母が亜巍斗族の男と結婚し、俺を出産、だが父親は母を捨て、他の女に切り替え逃亡。俺が12の時……母は死んだ。
俺は一人で生きてきた。1人ゴミを漁り、家はなく、ゴミ溜めのようなこのスラム街で…。
「おい!!ガキ!またてめぇか!!」
何度も殺されかけた、そのたび何度も死に損ねた。それから数年、俺は1人ブラブラと歩いていた。
金はあった。殺しの仕事で稼いでいた。亜巍斗族だからな、そりゃ相当待遇もいいさ。
ある日、スラム街に殺しの依頼で出向いたときだった。一人のガキを見つけた。
赤い髪、黄色く鋭い目、だがそのガキは高校生くらいのガキに殴られ蹴られしていた。
俺の中で何かが動いた。多分…俺はあのガキを、昔の自分と重ねたんだろう……。
「おい」
俺はガキに話しかける。数は3人、いかにもヤンキーで柄の悪そうな奴らだった。
「なんだよオッサン」
「あっ!ちょうどいいやオッサン金持ってな―
次の瞬間俺は一人の顔面をぶん殴る。手加減したんだがな、相手の頭は血だらけ。一人は腰を抜かし失禁、もう一人は慌てて逃げていった。
「あんた……何もんだ」
赤い髪のガキが俺に聞いてくる。
「答える名なんてものはねぇよ俺はただションベンしたかったんだ。そしたらお前がいた。それだけだ」
ガキは俺を見つめていた。嫌、睨んでいた。その瞳の中には憎悪だけがある。
俺はガキに背を向け、言い放った。
「ガキ、強くなれ」
そう言い残し、俺は立ち去った。
今思えばあれが、俺とグラムの出会いだったのかもな。俺は簡単に殺しの仕事を終わらせた。だがこのスラム街は俺のガキの頃を思い出す。そんな理由で少しここに残ることにした。
それから2日後が経った時だった。
「やっと見つけた」
次の瞬間、横から拳がとんでくる。俺はその拳をとめ、投げ飛ばす。建物が崩れる。その瓦礫のなかから一人のガキが出て来た。
「てめぇ、あの時の……」
「お前、俺に強くなれって言ったよなだから俺は強くなるよ、亜巍斗として、お前なんかより」
強さを求めるいいまなざしだった。
「お前、亜巍斗族か……」
「なんだ?あんたもか?親が言うには俺が最後の純血らしい」
亜巍斗族は子孫を増やすために通常の人間と交配も交わしていた。それ故、俺も混血。純血とは力は桁違いに変わる。
「俺は我威亜。お前、名前は?」
「グラム、下の名前はない」
「そうか……グラム俺がお前を鍛えてやる」
あれから12年、グラムは19になった、ある日だった。遂に異能管理局から俺達は危険人物認定された。
俺達のところへ来たのはブレイカーズ社の会長、ゼロノス・バージェス。
奴の圧倒的な力の前に俺達はボコボコにされたが、俺の悪運でなんとか逃げ切った。だが傷がひどく、死を確信したときだった。
「お前ら、俺と一緒に、ついてこねぇか?」
俺は出馬と出会った。
「俺から話すのはこのくらいだ、なぁあんた、俺は世間から見たらやっぱ悪なのか?」
我威亜が惣代に疑問を投げかける。
「何言ってるんだい……僕たち生命は、この世に生まれた時点で全員悪なんだよ」
2人はゆっくりと立ち上がり、武器を構える。
不思議と降っていた雨は消え去っていた。




