61話裏切り者
雨が降り始めていた。ポツポツと、森の外、矢が飛び交う。
「不思議だったんだ、君がなぜそこまでつよいのか、それほど鍛えてるようにも見えなかったしね……一体、どれだけ体を改造した?」
矢崎が叶太へ聞く、叶太は弓を下げ答える。
「覚えていると思うか?私が」
「そうか……」
返事はそれだけ、次の瞬間には矢が飛ぶ、だが矢崎の矢が、何か、変化していた。
矢が叶太の右頬を削る。肉が少しえぐれ、血が噴き出す。
(何が起きた?こいつは今何を……)
「君に見せてやる、烏内で、1番理力の扱いに長けた、この僕の力を」
次の瞬間、見えるだけでも70はある矢が叶太に向かって放たれる。
叶太の持っていた弓が形を変え、盾になる。
だが盾で矢を防いでる隙にすでに矢崎は後へ回っていた。
矢崎の蹴りが叶太に当たる。
あなたの右腕がプラーンと垂れる、皮1枚で繋がった腕が、生々しい音を奏でている。
「痛覚を消しておいて良かった、それにしても肉弾戦もいけるのか」
叶太が喋っている間も矢崎は全方向から矢を放つ……。
圧倒的なスピードと物量攻撃、叶太はなすすべも無くやられると思っていたが……。
矢崎の矢を鉄が削り落とす。そして空を覆う赤い火球が1つ振り落とされた。
「ニコ部長と…レイシェン生徒会長」
レイシェンが慈佐とミズサの傷を観て戦えることを確認すると立ち上がらせ、加勢するように言う。
「今、異能部と教師たちが戦いに向かっている。私たちは力を合わせ、やつを倒すぞ」
「そんなに話す暇があるのかい?」
矢崎が弓を構えていた。
「お前!ニコの火球は!?」
「あんな理力放出だけの攻撃、密度が低すぎてすぐに壊せるぞ」
矢崎が指をパチンと鳴らす。すると上から巨大な機械が出てくる。
「あれは!?最終決戦兵器アキレス!?なぜここに」
叶太が驚きの表情を浮かべる。
「知っているのか?あれを」
「あれは僕が作った戦いの最終兵器だでもなぜここに」
ゆっくりとアキレスの全貌が明らかになってくる、大きさは20メートルほどの巨大な人型の機械が降り立つ。
「私は至急研究室に戻り奴を回収する、君たちはここでそこの矢の野郎を」
「了解」
叶太が足からジェットを出し、飛び去っていく。
「ん?誰だあれ?」
叶太が目を凝らすと、アキレスの頭部分に誰かが立っていた。立っているのは吉崎ヒズミ。
手には金のロケット時計を持っている。
「譎ゅh豁「縺セ繧?」
なんと言っているのか聞き取れない、次の瞬間だった…。世界の時が止まった。




