58話その刃が捉えるもの
森で刀がぶつかり合う。空の刀が我威亜の刀とぶつかるたび、火花を散らし、衝撃波を巻き起こす。後からノアが衝撃波を出すだが、我威亜にはもう衝撃波が通用しない、ノアは頭を掴まれ、地面に叩きつけられる。
グチャぁ!!という生々しい音、ノアの頭からは血が出ていた。
後から空が我威亜を斬りつけるが効果はない、我威亜が振り向きざまに刀を振るう、空が上空に投げ飛ばされる。
我威亜が地面を蹴り上げ飛び上がってくる。
本気の一撃、拳のはずなのに、刃が通らない……。
地面に叩きつけられ、どこかはわからないが骨が折れる。痛い、口からは血が垂れる。
足がガタガタ震えている。だがそれでも手は必死に刀を握っていた。
(こいつに勝つ方法は……あれしかない)
空の理力が上昇する。目が赤く染まるが、空は必死に理性を保とうとする。そして……。
「制……御、完了……だな」
野生を制御する。だが使える野生は本来のわずか5%だがたった5%、その5%が圧倒的な差を縮めた。
次の瞬間神速の攻撃が我威亜に放たれる。
(!?重い、なんだこの一撃、まさか野生か?)
我威亜も負けじと刀を振り下ろすが、もうそこに空はいない、ノアが前に現れ、拳で殴る。
空気を押し出す拳、ダメージはなくとも、我威亜を飛ばすには十分だった。
空は我威亜が飛んだ先に刀を構えていた。
「無極・無天双王」
炎がしろくかわり輝く、希望の光にも思える一撃が、我威亜の首を捉える、だが我威亜も負けない、腕を突出し、刀を途中で止める。
そのまま刀ごと空を投げ飛ばす。
たが空は超集中状態、すべてが遅く見える。
そして野生の発動により、超集中状態でも動きが追いつく。
我威亜の体が一瞬で浅く切り刻まれる。
傷は浅い、たが確実に傷の作る連撃。
だが空の猛攻も続かない、次の瞬間我威亜から理力が溢れ出す。
「忘れたか?オレの能力は!ダメージの20%を力に変換する。」
我威亜の拳が振るわれる。空が刀で切ろうとするも、無極が時間切れ、防げずその一撃をもろに食らった。
(息ができない……痛い…苦しい)
ノアが空気をまとった拳で殴ろうとするも受け止められる。
「その技はさっき見た」
ノアが地面に叩きつけられ、顔を踏みつけられる。
「まずはてめぇから殺してやるよ」
ノアをふむ力がドンドン強くなり、悲痛な叫びが響く、だが空はさっきのダメージで動けない。
助けは来ない、終わりだ。その瞬間だった。
我威亜が何者かに蹴り飛ばされた。
そこに立っていたのは……。
「惣代先生!!」
痣村惣代だった。




