54話絶望の始まり
俺達の目の前に現れたのは、赤い6つの翼を持つ少女…。その少女が手を差し伸ばしてくるが、その手を空が輪切りにする。
その瞬間全員が全速力で逃げ出す。
本能的に分かっていた。勝てないと。
その時だった。俺達の上を誰かがバイクで飛び越えた。そのバイクに乗っていたのは。
ユウト先輩だった、アバドンに向かってヘルメットを投げつける。
アバドンは片手でヘルメットを粉砕する。
「何で先輩がここに!?」
俺が驚きの声で聞く。
「こんだけの理力だ、助けにいかないわけないだろ、それにさっきの空を覆う矢、とにかく助けに来た。」
淡々と喋り、アバドンへ近づく。
「お前たちは先生を呼びにいけ、ここは…俺が止める。」
ユウト先輩が手に着けていた手袋を捨てる。
俺達は先生を呼びに走り出していた。
「何?お前が相手?勝てるわけないよ?そんな理力量じゃあ」
「そうか…こんな芸当をしてるからな知ってるかと思ったんだが」
ユウトは呆れた顔でアバドンを見つめていた。
「俺のような人間は理力を体の中に抑えているんだ。解放すると、簡単に地球なんか覆っちまうからな」
次の瞬間アバドンの右腕が灰になって消滅する。
俺達は森の中を走っていた。
そこに1人居り立つ。
「久しぶりだな…ガキ共」
少しくらい金髪、手には黒い刀を持った男。
我威亜が俺達の前に立っていた。
「今度は、全員殺しにきたぜ!」
その瞬間俺の頭が掴まれ、誰かに連れられた。誰も気づかぬような速度で…。
「誰だお前!何すんだ急に!!」
そいつはフードを被っていて顔はよく見えない。
「あれ?我威亜から説明聞いてないの?僕はグラム、烏の幹部No.1」
No.1…1番つよいってことか!?俺はやつに遠くの森へ投げ飛ばされる。
衝撃波で森は更地に変化する。
「総真!!」
空が叫ぶ。総真が何者かに連れて行かれた。だがそれを気にする暇もなく我威亜の斬撃が飛ぶ。
空はそれをギリギリで受け流す。受け流しただけで腕がしびれ震えている。
前の戦いはただの遊びだったのだ…。
「全員先に行ってくれ、ここは…私が引き受けた。」
全員が走っていくが、ノアだけが一向に動かない。
「ノア!!早く…逃げて!!!」
空が我威亜の攻撃を刀で受け止めながら叫ぶ。
次の瞬間だった。
「助けてって!!いいなよ!!!」
ノアが叫ぶ。衝撃波で我威亜が木に叩きつけられる。
「弱いから足手まといになるかもしれないけど、それでも!!手伝うことくらい……できます!!」
「ノア……そうだな、私が間違っていたかもしれない……」
2人は構えをとった。
「ガキってのは威勢がいいな?まぁいいぜ本気で相手してやる」




