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異能学園  作者: 水田秋
第一章
43/66

43話散り咲く銀の花

森の木が凍りつき、吐く息は白い。

慈佐は体を氷で木に張り付けられていた。

体の熱が奪われていくのを感じる。冷たく、痛い…。

身体に外傷はなく、氷が侵食している。

(この氷、第二段階の能力が使用されてない…普通の能力の氷…)

慈佐は顔を上げ氷華を見る。

(そうか…第二段階はやっぱり理力消費が激しい…だから能力無効化の氷の条件を自分の体だけにしたんだ…氷にも能力凍結をつければ理力切れを起こす。)

慈佐は氷を壊す。

「…まぁ、気づくよねそりゃ…でももうあなたには何もできないでしょ?」

慈佐の足は震え、身体には凍傷…足は震え、歯はガタガタ鳴っていた。

「まだまだ負けられないんだよ…」

「あっそ…」

氷華が氷をものすごい速度で生成し始める。

慈佐がとった行動、それは空気に能力を纏わせ一時的に壁を作り出すこと。

(この氷!能力凍結が含まれてる、凍った瞬間から張り替えないと…)

氷華の氷は止まらない。第二段階になったことで理力量も増えている。

このままでは慈が負けるのは必然的、だが慈佐は前に進み始めた。空気が凍りつく前に自分の能力で上書き。

そのまま前に突き進む進めば進むほど氷は強くなる。

だが慈佐は前に突き進み遂に氷を破る。

「うそ!?」氷華が驚く。だがそれを関係なしに慈佐の拳は氷華を殴り飛ばした。

(私の氷、さっき木から離れた時に取ってたのか…能力凍結が間に合わない)

氷華は体勢を立て直した。その前杖を構える

氷を飛ばしながら慈佐に攻撃するも、慈佐はゾーンに入っていた。

氷が遅く見える。攻撃は当たらない。だが慈佐の拳が氷華にまた当たる。

「負けられないんだよ!お前には!私だって任されたんだ!」

「わかるよ…その気持ち」

「!?」

氷華の顔は笑っていただが涙が、大粒の涙がこぼれていた。

「任されるってすっごくうれしいよね…でも、それ以上に、なぜか…すっごく辛いの」

氷華が杖を構える。

「私は…ボタンが選んだこの道を…この選択を否定したくない。」

氷王六花…終式…氷冠蛇龍(ひょうかんじゃりゅう

氷の龍が現れる。

ボタン私は…これでいいんだよね?

昔…それはまだ私が小学生の頃だった。

私は氷の能力に目覚めた。つよい能力だったからだろう。クラスにいじめられた。

「あいつ人を凍らせて食べるんだぜ!」

「クラスの不登校のやつはみんなあいつに殺されたんだ」

ありもしない噂、小学生の単純な心では簡単に信じてしまう。

「あ!氷姫だ!にげろー!」

石を投げられ、傘でたたかれ、階段から突き落とされ、でも私は何もしなかった。

私の能力は本当に人を殺せる。だから使わない…いじめられても。

いつもみたいに石を投げられながら帰っていたときだった。

「うわっ!なんだおまえ!!」

男子が誰かにボコボコにされた。

季節は真冬なのに半袖半パン、白い髪がなびいていた。

「あ、あなたは?」

「あたし?北見川ボタン!お前いじめられてるんだって?私が助けてやったぞ!」

「は、はぁ…ありがとうございます」

「だからだ!」

ボタンは私に腕をわまし近づけ耳元で喋った。

「私の友達になって…」

どうやらボタンは最近この街に引っ越してきて友達ができてないらしい。私たちはすぐに友達になった。

成長するに連れて私たちの話題は大きくなっていった、ある日私は誘拐されかけた。

ボタンが助けに入ったが、頭を殴られ、血がでて倒れてしまった。

その時だった私は初めて人を殺すために能力を使った、私を誘拐しようとした人間は氷漬けにされた。

ボタンが起き上がって私を見つめていた。

「あ…ボタン…これは…違うの…」

(やだ、嫌われたくない、やっちゃった…)

色々な思いが頭の中に溢れかえる。でもボタンの口から放たれたのは衝撃の一言だった。

「かっけー…」

目を輝かせて言った。

私の命の恩人であり、今まで私が心を保つ理由にもなった。

大会のことは悪いと思ってる、でもボタンをとめる気はない…私は…ボタンのために、ボタンを最強にする。

「終わりにしよう…氷室慈佐」

慈佐は理解したのか両手を構え理力を込め始める。

氷点下の森の中、一つの戦いに決着がつこうとしていた。

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