42話リベンジ
「サエナキ…総真」
ボタンがつぶやくように言う。目の前には自分の拳を受け止めた総真。総真が目でキアに指示する。総真の意図を読み取ったキアは、イズナを抱えて逃げ出した。
「久しぶりだな…ボタン、つっても2ヶ月ぶりだけど…リベンジしにきたぜ」
2人は距離を取る。始めて好敵手と認め合った者同士がまた、別の場所で出会い、争おうとしている。
次の瞬間2人の拳がぶつかり合う。ぶつかるだけで爆発のような衝撃波が起きる。
キアはイズナを抱えながらとにかく逃げていた。
「なぁ…キア…」
イズナが掠れるような声で喋る。
「もう、私たちの手におえる戦いじゃないんだな。」
「そうだね、でも私たちにもできることがきっとある!だから今はそのできることを探さないと!」
2人の拳がぶつかるたび衝撃波が建物を壊していく。
総真がボタンのスピードをわずかに上回り上空へ蹴り飛ばす。
「ニュートン!!」
ビルが、地面が、木がボタンへ集まり固まっていく。
ボタンほどの身体能力を持とうと逃れられない重力の力…。
だが今のボタンはリミッターが外れている。強さは前のおよそ3倍。作り上げられた球体を破壊し総真へ殴りかかる。
だが殴りかかると同時に総真はボタンへ理力を放出。一瞬視界が遮られる。
次の瞬間には総真のかかと落としがきまる。
地面にクレーターができる。
だがボタンもやられるだけではなかった。
総真の足をつかんでいた。
「うぉぉ!?」
総真を振り回し地面にぶつけ、上空に投げ出す。総真は浮遊して体勢を立て直そうとするが飛び上がってきたボタンの蹴りが総真の腹に当たる。
森を破壊しながら総真は吹き飛ぶ。
(なんだあの威力…前戦った時より強くなってる。理力出会いガードはしたが、少しダメージがあるな…)
総真はボタンのところへ向う。
その一方ボタンはキアたちを排除しようとしていた。
(まだ理力が切れてるからいいけど…またイズっちのあれを発動されたら困る)
ボタンの拳がキアたちを貫こうとするが総真がギリギリで止める。
「てめぇの相手は俺だろうが!!」
総真の渾身の一撃がボタンの腹にはいる。
ボタンの顔が苦痛に染まり。口から血が噴き出す。
だがボタンは止まらない。そのまま総真の拳をつかんで地面にたたきつけ、顔を殴った。
キアたちが衝撃波で飛ばされる。
上からは崩壊したビルが崩れてきた。
「まだまだ、負けられねぇな」
総真の顔は笑っていた。ボタンも薄ら笑いを浮かべる。
崩れるビルが落ちる中、2人はまた構えをとった。
一方森では―
氷点下…森は凍りつき、吐く息は白い。
柱には慈佐が氷で縛り付けられていた。




