33話お前をぶっ倒す!!
義体から空たちが出て来た。
大きなモニターに映されたのは、空たちが敗北したことを示すトーナメント表。
「すまない、最後の私の失態だ、刀を壊され、あげくの果てに相手の手札すら見誤った。」
「ありゃしょうがねぇよ、俺だってお前の立場だったら同じことになってた。」
俺は空を励ますために近くに寄った。
「みんな負けたのになんだか、やけにうれしそうだね」
慈佐が問いかける。
「なんでだろうね。負けたのに、なんか、楽しかったなーって」
「おいそれよりお前ら次、試合だろ?さっさといかねぇと遅れるぞ」
ニコがいう。
俺達は急いで義体装置に入った。
「さぁ!第2試合北上高校第2チームVS異能高等学園第1チーム!!」
会場は今だ熱気に包まれていた。
会場の外―――
晴れ渡る青い空には、一つの白い光が見えた。
よく見るとそれは人だった。
背中には6枚の羽根、ニワトリのぬいぐるみを抱きしめ、空でねている。
審判の仕事が終わり、休んでいた時だった。
彼女が目を空けた。
赤く光る目が、私を見つめていた。
次の瞬間には彼女は目の前にいた。
「あなた、サエナキ総真ってやつについて…知らない?」
「し、知ってます、この大会に参加してます!」
「能力は?」
「え?」
「異能は何か聞いてるの、答えろ」
「わ、わかりません、審判には能力などの情報は開示されません!!」
「そう、じゃあ帰っていいよ」
彼女は背を向け飛び立とうとした。
だがすぐにこちらを振り向き一言言った。
「帰っていいよ…土に…ね?」
グチャ…。
審判の頭がつぶれ、地面に倒れ込む。
「それにしても出馬は何が目的なんだろう、あんなガキ、私…"アバドン"の敵じゃないのに…」
一方会場は―――
「何ということだ!!試合時間一分にも満たないうちに北上高校のチームを全滅させたー!!!」
会場が一気に盛り上がる。
俺は義体からでたあと、会場を見渡し、一人に指をさしていった。
「お前をぶっ倒すぜ…ボタン」
俺が指を指した咆哮には、少し悲しげな笑顔を浮かべるボタンがいた。




