29話負けず嫌い
空の刀に周りの理力がすわれはじめる。
血が垂れても、その目はライトをとらえている。
(何か…くるな)
心臓が高まっていた。
ライトはこの戦いをすぐに終わらせるつもりだった、目的は最強と謳われるボタンの討伐、それ以外は雑魚、そう見切っていた。
違った、こいつは、今目の前にいる、こいつは…。
「久しぶりに楽しめそうだ」
思わず笑いがこぼれた。
2人の心臓の鼓動が速くなる。
次の瞬間…、一寸の光が、闇を始めて打ち破った。
一撃、空の攻撃にライトは倒れた。
「うそ…倒せた…」
2人が近づき確認しようとした時だった。
黒い大きな柱が立つ。
「なに!この理力量…多すぎでしょ」
破壊が始まる。
柱を地を、全てを飲み込み闇が広がる。
その闇が1点に吸い込まれた。
「ごめん、不意打ち、したわ」
ライトが現れる、身体には浅い傷、空が立ち上がり、刀を構える。
「悪魔祓いといこう」
「じゃあ俺は害獣駆除だな」
空が刀を抜き、飛び出した、ライトの闇と空の蒼炎がぶつかる。
高密度の闇により空の攻撃は止められる。
はずだった。
予想外、空の刀が闇を断ち切った。
だが待ち構えていたのは、理力の弾。
爆発が巻き起こる、ノアは見ることしかできなかった。
戦いに入ることすらできない…、規格外のぶつかり合い。
爆発の中から2人が現れる。
空がつばめがえしを放つ。
ライトの体が空に上がり、指を構える。
大量の理力の弾が放たれるが空はその弾を断ち切りながら、空に昇っていく。
そして刀を振り下ろす。
闇のまとった手でガードしたライトは、空の腹に理力の放出攻撃を放つ。
単純故に強力、その瞬間だった。
刀から炎が溢れる。
どちらもが地面に落ち、距離をとる。
だがまたぶつかり合う、どんどん密度の上がる闇が遂に空の刀をはじき始めた。
2人の力が拮抗する。
息が上がり始める。
だが空が刀を収め、下がった。
ライトは理解した。
自分の全力をぶつけるつもりだ、なら…。
「こっちも全力で行かなくちゃあな。」
ライトが口を開ける、そこに理力が収束し始める。
蒼炎が光り、1本の柱となる。
「蒼炎纏し炎の刀、我に従い、力をかしたまえ」
「ダーク・ブラスト!!」
「蒼炎・一極終点!」
青い理力と黒い理力がぶつかり合う。
綺麗な柱が、くらいフィールドを太陽のように照らす。
「なんだよ…あれ…ライトのやつ本気出しすぎだろ」
勝者は…空だった、青い理力がライトを貫いた。
それで終わるはずだったのだ。
一定の能力者は権能、という力を持つことがある。
権能はそのものによって変わる。
「初めてだな敵に権能を使うのは」
傷の全回復…。
権能は1日一回…ここで使えば、ライトの回復手段が絶たれる。だがもう関係なかった。
空の目の前には悪魔、希望は打ち砕かれる。
だが希望が打ち砕かれようとあきらめなかった。
昔は負けてばっかりだったのにな、いつからだろ、勝ち続けるようになったのは、いつからだろう、名前じゃなくて、能力で呼ばれるようになったのは。
でも俺には蓮魔がいたあいつは俺のことを名前で呼んでくれた。
あいつのためにも、ボタンを倒すためにも…。
負けたくない。
あぁ…どっちも…。
最っ高に!負けず嫌いなんだ!!
空が刀を構える、黒い高密度の闇が、フィールドに振り注いだ。
刀の蒼炎がぶつかり合う、ライトが確実に押している、だが次の瞬間だった、ライトが吐血した。
後にはメガホンを構えたノア…。
(忘れていたこいつも…脅威だった)
「悪魔祓い、手伝うっすよ」




