23話あの頃
「何その能力…最強じゃん!」
その言葉に何度救われたか…、ボタン…お前は…、最強になったんじゃない…。
私たちが最強にしたんだ…。
中学1年の夏…私とボタンはであった。
その時の私は転校してきて友達は誰一人としていなかった。
転校生と言えど数日すれば誰も興味をなくすものだ。
だがボタンは違った。いや、ボタン達は違った。
ボタンの隣にはいつもキアと氷華がいた。
ボタンはよく自分の能力について話したり、異能についてなどをよく話した。
私も話すのが楽しくて少しずつ心を開いていった。
「私の能力はコピーでさ…相手に一分触れるか、相手を3分視界から外さなければ能力を下位互換でコピーできるんだ」
「何その能力…最強じゃん!」
私は始めて褒められた、獣人だから理力の効率なども悪く、コピーの能力はずっと使えるものではない。
いろいろデメリットを出してもボタンは褒めてくれた。
いつの間にか私はボタン達と一緒に毎日過ごしていた。
ある日のことだった…。
「なぁお前ら見ろよ」
ボタンが紙を見せびらかす、4枚の紙には入部届と書いてあった。
「異能部…はいるの?」
氷華が聞く。
「あぁ、全員で入ろうと思ってさ、公式戦は4人だからさ、私ら全員が入れば全国大会いけるよ」
その言葉で私達4人は異能部に入った。
四人でルールを決めて…、そのルールとは誰も置いていかない、簡単なルールだった。
「すげぇぞあの氷の子!2年をボコボコにしたぞ!」
「あっちのホワイトタイガーの子も氷の子よりは劣るかもだけどつえぇ!!」
私達4人は100年に一度の豊作と言われていた。
全員が異能に詳しくつよい…。
私たちは無双状態だったのだ。
「なぁイズっち!私ら2年と戦うけどくる?」
「あぁ…大丈夫…私もう帰るよ」
私はボタンに背を向けて帰った。
夏の始まりなのにもう暑い、私は道路を歩きながら悩んでいた。
大体の異能使いは10代を超えたあたりから才能が芽生えるらしい…。
分かっていた私は他のみんなと違って才能がないことくらい、別にそんなに才能がないわけじゃない、異能には詳しいし、自分の能力を深く知っているつもりだった…。
でもそれだけじゃだめなんだ…。
ボタンと氷華、2人は天才だった…。
たとえどれだけ凡人が努力しても、天才が努力すれば凡人は天才には追いつけない、普通のことだった。
私が悩んでいたのは才能がないことじゃない。
もしかしたら、この先ボタンやみんなに置いてかれるんじゃないのか…
その不安が私を押しつぶしていた。
「うおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
次の瞬間その悩みが吹っ飛ぶほどのタックルを食らった、後を振り向くと3人が立っている。
「ボタン、氷華、キア…何してんの」
「何って、ルール忘れたの誰も置いていかない!帰り道だって置いてかないよ!!」
キアが元気よく喋る。
「イズっちがさ、なんか悩んでそうだったから、何悩んでるか知らないけど話してくれよ、あたしらは友達だろ?」
「ボタン…みんな…」
私は帰りながらボタン達に今まで悩んでたことを打ち明けた。
「なんだそんなことかよ言えばいいのに、私らがどれだけ強くなろうとイズっちを置いていくわけないじゃん…」
「氷華…ありがとう…私もっと頑張るからさ…置いていかないでくれよ」
「任せとけ!!」
ボタンが笑顔で言う。
だがこのときは知らなかった。
一人にしない、置いていかないのがどれだけつらく、難しいことか…。




