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異能学園  作者: 水田秋
第一章
17/67

17話奇跡の終わり

3人が構える。

少しの静寂、次の瞬間一閃の攻撃によってその静寂は絶たれる。

先制を打ち取ったのはサエナキ総真、その拳であった。

拳が我威亜の胸に突き刺すようにめり込む。そのまま力を込めた総真は我威亜を殴り飛ばした。

我威亜は疑問に思っていた。

なぜだ、さっきの200%とは違う、攻撃が重い、確実に進化している。

この成長速度は異常だ…、まさに天才のもの…。

だがサエナキ総真がやったことは至って単純だった。


    理力の身体循環である


通常、誰もが無意識的に行っているこの理力の循環、理力の使用効率を高める基本技、サエナキ総真はさっきまで理力を放出し力を出していた。

理力を循環させれば体が持たない。

ソレはなぜか?サエナキ総真は能力を常に封印されていたことで、普通は誰もができる理力の循環ができなかったのだ。

いや、できないような身体になってしまった。

だが今サエナキ総真の身体に奇跡が起きている。

再び身体が進化を始めた。そう、肉体が理力の循環をし始めた。

至って単純、故に最強に近づく。

サエナキ総真は強くなり始めていた。

我威亜が地面を壊すほどの蹴りで空中へ飛び上がる。

手に持っていた大木を総真達に向かって投げ飛ばす。

次の瞬間その巨木はチリにかわる。

蒼炎纏う炎の刀により、投げられた巨木は切り捨てられた。

だがそれだけで攻撃は終わらない。

我威亜が空から蹴りを放つ。

刀に重い一撃が乗る。

空の腕がきしみ震える、地面が凹み始める。

その隙に後ろへまわった総真が我威亜の体を蹴り飛ばす。

サエナキ総真の力は上がり続けていた。

サエナキ総真が近づき、拳を振るう。

ここで今まで受け止める。避ける。のみ使ってきた我威亜が、始めてガードを使った。

この隙をサエナキ総真は見逃さない。

一気に畳み掛けた。

ラッシュが我威亜の体を少しずつ下がらせる。

だが我威亜の蹴りが総真の腹に当たる。

切られた傷と折れた肋骨の激痛が体中に走る。

それでもサエナキは折れない。

震える足を奮い立たたせ、気を保ち、笑う。

自分は生きている、戦っている、抗っている。その気持ちが、総真の闘争心を奮い立たたせる。

次の瞬間我威亜の腹に一発の拳が当たる。

我威亜初めての吐血、確実なダメージ、だがサエナキは遂に我威亜に殴り飛ばされた。

サエナキは転がりながらも止まり、立ち上がる。

我威亜が近づき攻撃を加えようとした時だった。

サエナキは誰かを投げた。

そう、空だ、刀を構える空、我威亜の実力があれば防げたはずだった。

だが…。

ガシッ!!

掴んだのは桜だった。


「させません!!!」


次の瞬間横腹に強烈な一撃がはいる、ミズサの攻撃だ。


「ジャック…ポットだよ…ノア!慈佐!!」


上から衝撃波が降り注ぐ。

そして後から、理力の槍が…。


「神鎗!!」


「空気振動!衝撃波!!」


効かない、ダメージはない、だが空がそこに届くまでの時間稼ぎには十分だった。

炎が燃え盛る。

空の赤い目が光り輝き、刀身が青白く光る。

遂にその刀が振るわれた。

その攻撃は…我威亜を捕らえる…。

はずだった。


弾かれたのだ、空の攻撃は。

次の瞬間我威亜の体から理力の衝撃波がはなたれる。

全員が木や地面に叩きつけられる。


「お前らに能力を使うのは初めてだな…」


傷が回復していく…いや、まだ傷はのこっている、だが奴の力が上昇している。


「俺の能力は、体のダメージの20%を自分の身体能力強化に変換できる」


驚きを隠せなかった…、やつは今までの戦いほぼ避けなかったのは、能力のためだったのだ。

やつが拳を振り上げる。

総真は分かっていたこの一撃はヤバいと、確実に誰かが死ぬと…。

総真が立ち走り出した瞬間だった。

奇跡は終わる。

倒れたのだ…、地面に…。

立てなかった、理力切れは起こしていない。

そう身体の限界だ…。

体中の骨は折れ、疲労はたまり、空に深く斬られていた。

まず戦えること自体、生きてることさえも奇跡だった。

だが奇跡は終わった。

身体の限界がきた総真の意識はどんどん薄れ、遠のいていく。

その拳が遂に地面に当たる。

その瞬間だった。

防がれたのだその一撃は、一つの足で軽々と…。


「良くも、俺の生徒に手を出したな?」


現れたのは光る頭…校長井鷺克也だった。

同時にキュラ先生が総真の緊急処置を開始しながら状況を話す。


「いい!よく聞きなさいよ時間がないから1回だけよ。」


サエナキの治療を進めながらキュラは話始めた。


「今回の試験は中止、一応全員合格…、こんなやつがいるところで生きてるだけでも奇跡なんだから!それと!あんたらはすぐ逃げなさい、立ち向かおうとしないの、子供は大人を頼っていいんだから!貴方達はすぐに逃げなさい、サエナキくんは私が治療して連れてくから」


全員が頷きすぐに校舎へ走り出した。


「お前…名前は」


「我威亜だ」


「どこの差し金だ…」


「出馬って言えば…わかるかな?校長」


「あのバカか…よし、殺るぞ?我威亜」


「ははっこの学校のやつらは戦闘狂だけなのか!!」


こうして俺達の戦いは終わった。

我威亜との戦いは校長が受け継いだのだ。

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