16話全力全開大暴走
「そうか、その力…理力…藤原家の血筋か!」
フー、フー、と荒い空のいきだけが聞こえる。
我威亜が初めて構えをとる、次の瞬間森が少し吹き飛ぶほどの力で空は地面を蹴り上げる。地面が凹み、土が飛ぶ、そのまま意識的に持っていた刀を振るう。
「攻撃は上々!!だが!さっきと違って!振りも、何もかも!初心者そのものだ!!」
我威亜が空を拳で地面に叩きつける。
だが一瞬で姿を消した空は、すでに我威亜の後ろに立っていた。
刀が横に振るわれるが我威亜はなんとその攻撃を拳で跳ね返した。
拳に傷はない。
「おっと…初めてだな!お前らの攻撃に力を込めるのは!」
すると、空の体から蒼炎が溢れ出る。
それが刀に吸収され、一閃の攻撃がはなたれる。
我威亜は驚愕した。
反射的に避けていたのだ、その技を、その斬撃は島の後方まで飛び、施設を森を切り落とした。
「本当の化け物はあのガキなんかじゃあなかった!お前だったか!!」
喜びの表情を浮かべ、空のほうへものすごい速度で近づいて行く。
空に拳が振るわれるも空は体を落とし避け、そのまま我威亜の腹に体当たりをした。
我威亜が少し怯む。
その隙を空は、戦いの本能は見逃さなかった。
空は刀を構える。
空に掲げた刀から蒼炎が溢れ出す。森が燃え、灼熱に包まれる。
「おいおい、まじかよ…」
その刀が遂に振り下ろされた。
だが切ったのは我威亜の身体ではなかった。
「………馬鹿野郎…なに…囚われてんだよ空!!」
「何やってる!!クソガキ!!てめえが死ぬぞ!」
「うるせぇ!!」
刀の攻撃を受けたのは、総真だった、体には深い傷、血がダラダラとあふれている。
だがそれを見て空の本能が出した答えは…。
敵だ殺せ…。
その一言だった。
刀が振り下ろされるも、総真はその刀を理力で固めた手で掴む。
そのまま近づいて行く、空は総真の顔を何度も殴る。
何度も蹴り、暴れる、
だが総真が取ったのは暴力による暴走の解除ではなかった。
ギュッ…
そっと、総真は空を抱きしめた、空が暴れるのを抑える。空は総真に噛みつき、殴り、暴れるだが少しずつソレは止まっていき、空の目からは涙が溢れていた。
「総真…私は…」
「落ち着いたか?」
「あ、また…総真私は…」
総真は震える空をもう一度抱きしめる。
「安心しろ、俺はお前にどれだけきられようが死なねぇよ…」
「総真…」
「だが今はこんなことしてる暇はねぇ…あいつを倒すぞ」
「あぁ…わかっている」
「無理すんなよ…」
「そっちもだ」
我威亜の顔には少し悲しみの表情があっただがその表情はすぐに殺意の溢れる顔へ変わる。
「いいな、青春ってやつだ、俺とグラムの青春は殺しだった、自分の拳を、足を、体を信じて戦い続け血を求め、修羅を目指した…」
我威亜は服のホコリをはらい真剣な眼差しでこちらを見る。
「俺らは悪い大人だからよ…お前らは俺みたいになるなよ」
次の瞬間我威亜が声を張り上げる。
「覚悟はいいか!!ガキ共!!」
3人が構える…。
そしてこの戦いに決着をつけるための火蓋が切られた。




