15話覚醒
我威亜の雰囲気が変わった。
まるで押しつぶされそうなほどの高密度の、ドス黒い理力がのしかかる。
俺達が構えた次の瞬間、やつは俺の前に現れた。
『ブラック・S・ライジング!!』
俺の体に理力が溢れる。
やつの拳をスレスレで避け、顔面に本気のパンチを放つ。
だがやつは傷一つついていない。後から空が刀から蒼炎を出しながら斬るも、斬れたのは服だけだ。
我威亜は斬られることも気にせず、俺に拳をぶつける。
腕と理力でガードするも、俺は遠くの木まで殴り飛ばされる。
空は刀で斬りつけるも、傷一つつかないその力に恐怖を覚えていた。
「お前…獣人なのになぜ野生を使わない、お前くらいの実力者、野生なんて簡単に扱えるだろ」
「つ、使えない…私には」
「なら無理矢理にでも使わせてやるよ!」
「蒼炎…無極!!」
全力の一撃、理力をすべて込めたその一撃は相当な者だった、だがそこに現れたのは、無傷で立ち尽くす我威亜…。
「なぜ…傷がつかない…」
「わからねぇか?単純に力の差だよ、力の差が大きすぎるんだよ…」
後から総真がありえないような速度で蹴りを放つ。
「ほぉ?速くなった、それに攻撃も重い…だがどうした、理力がぶれているぞ」
ブラック・S・ライジング200%
通常総真のブラック・S・ライジングは理力を体から放出し続け、その放出する力を利用して速度を上げる技。
だが理力の放出を制限し、体中に理力を流し込むことで、攻撃力をます。
その欠点は身体が力に耐えられないことだった。
だが…
(そんなん、俺には関係ねぇ)
総真はすでに超集中状態、いわばゾーンに突入していた。
加速する攻撃に対応し始めた総真は、遂に、我威亜の顔に当てた拳で、傷をつけることに成功する。
我威亜は驚いていた、この異常なほどの成長速度…。
グラム以上の才能の欠片…。
だが我威亜からこぼれるのは溢れるような笑顔。
次の瞬間総真の腹に我威亜のパンチが当たる。
今までとは段違いの一撃、理力のガードをものともせず、我威亜の一撃は総真の骨を砕いた。
「さて!!次はお前だ!!」
我威亜が空の顔をつかみ上げ、近くにあった巨木に叩きつける。
そのままどんどんと頭をめり込ませていく。
「さっさと使わねぇと…死ぬぞ?」
力が強くなり、空の意識はすでになくなりかけていた。
だがそれでも刀を振るい、諦めず足掻いていた。
だがその足掻きも無駄に終わった。
空の意識が消えた。
そう…消えた次の瞬間だった。
我威亜の右人差し指が飛んだ。
我威亜はすぐに下がる。
空は木から地面に倒れ込むが、そのままフラフラと立ち上がる。
目が赤く光り、理力が溢れ出す。
「おいおい、予想外だぜ…お前…藤原家の子孫かよ」




