12話神鎗
ときは総真がやられる少し前へ遡る。
目の前に現れた氷塊、そこからは水色の長髪の女性が出て来た。
イズナが警戒している。
相当つよいのだろう
「なんでだ?不意打ちなら、私達全員一気に凍らせられたろ…、氷華!!」
「久しぶりイズっち、別々の高校になっちゃったけど、また会えたね」
「ボタンは…」
「またそれ?…元気だよ、まだ強くなり続けてる、無理だよイズっち、もう、ボタンは誰にも倒せない」
「誰なんですか?」
慈佐はイズナへ聞く
「親友だよ…昔の…」
イズナの顔が暗くなっている。
次の瞬間氷華が手を構える。
イズナが叫ぶ。
「全員!!さがれ!!」
急いで後ろへ下がるとなんと氷が地面から現れたのだ、さっきとは比にならないほど大きい氷。
すると横や後からも氷が出て来て私たちは囲われてしまった。
氷の上に氷華が現れる。
「イズっち、あんたらがどれだけつよい能力者つれてこようがボタンには勝てないよ…ボタンは最強になったんだから」
「違うだろ、あたしたちが最強にさせたんだ!!」
次の瞬間イズナがコピーを使う、髪が白い長髪に変わる。
「コピー!北見川ボタン!!」
拳が氷塊を砕く、そのまま氷華へ近づくも、氷に閉ざされてしまう。
だがそこにキアが頭突きをくらわせる。
頭をカブトムシの角へ変化させ突っ込んだのだ。
氷を投げ飛ばし、氷華がそれにとらわれている隙にイズナが後ろへ回る。
蹴りを放つも…。
次の瞬間、その足は凍りついた。
そのまま氷華がイズナを殴りとばす。
「な、お前…ソレは…」
「中学のときは、完成してなかったんだけどね、この1年で完成させたの…」
髪が白に染まり、空気が凍り始める。
「第二段階…。」
「第二段階…」
慈佐が驚き、慌てている。
それもそうだ、第二段階とは能力者が限界を超えることでたどり着く能力の極地。
それを今、目の前で見させられているのだ。
次の瞬間イズナのコピーが解ける。
キアの虫化も解かれる。
「私の第二段階、氷王六花は凍らせる力や範囲を広げるだけじゃなく…能力を凍らせる。そう、単純に使えなくなる。」
氷華がゆっくりと近づいてくる。
慈佐が手を構える。
(なんだあれ?何かうつつもり、なら先に凍らせる)
氷華が氷を慈佐のほうへと伸ばす。
「神鎗!!!」
次の瞬間無色透明の槍が飛ぶ。
その槍は氷を貫く。
だが氷華へ届く前に尽きる、だがそれでも氷華の虚をついた。
(なんだ…今の、氷がこわれた、理力の槍ごときで?触れたら能力は凍るはずなのに)
「私の能力は触れたものを解除する能力、それを槍に上乗せして、飛ばした」
氷華は一瞬で理解した、氷は壊れたのではない、氷の能力が解除され消滅したのだ。
初めて出会う天敵、氷華に一瞬悪寒が走る。
だが第二段階と通常の能力では力量差は圧倒的…。
(恐れることはない)
だがその油断は邪を招き入れた。
パキッ!!
腕が割れたのだ。
第二段階の制御を怠り、自分の体を凍りつかせた。
腕がひび割れる。
だが血はでない、血すらも凍るからだ。
判断は早かった。
能力の解除、腕を一時的に凍らせる。
その間慈佐は動けなかった。
理力不足だ。
神鎗は威力を出すために大量の理力を使う。
それに合わせ能力を上乗せして放つのだ。
理力不足を起こさない理由がない。
だが戦いは次の瞬間終わりを迎える。
魔王の現着…。
「よっ!イズっち、久しぶり」
「ボタン…!」
「練習試合…楽しかったよ。」
その間約3秒、3人を瞬殺する。
目が覚めるとそこにはニコたちがいた。
そう俺達は負けたのだ、惨敗…。
「…………」
初めての敗北、それも圧倒的な、総真は頭を抱えていた。
「負けたな」
イズナが喋る。
「弱い…自分の弱さに腹が立つ…俺は今までずっと最強だと思い込んでた」
「誰も生まれた頃から最強な奴はいねぇよ、それに今回は下見みたいなものだ。」
「まだ負けちゃいねぇ」
イズナが全員を奮い立たせる。
惨敗、その結果だけが残り、俺たちの初めての試合は終わった。




