43話 ブルセラ始動
またもや予約を忘れており、直ぐに投稿しました。
俺は今までやり方を間違えていた。だから全て失敗に終わってしまう。そう、法に背かなければ良いのだ。
今まで俺は法に背いたやり方をやっていた。だがそれは間違いであった。法の網目を掻い潜り、ギリギリの所で商売をする、これこそが王道である。
何故そこに気がついたのか、それは神聖統一教会である。あれは未だ残っている。そうなのだ、あのインチキ御守やおみくじ等は、生き残って未だにアスラン達が売っている。売り上げこそは全てエリザベートにパクられて居るが、もし壺を売って居なければ、あれらの粗利は全て俺の懐にまだ入っていたのだ。助平根性を出したから、エリザベートやお姉様が動いた。壺が無ければ踏み込んでは来れなかった筈だ。
俺は真っ当に商売をやる事に決めたぜ!!
アリスにとっての真っ当な商売等、この程度である。中古のボロパンツを貴族達に法外な値段で売ることが、アリスにとっての真っ当な商売であった。相当に低レベルではあるが、まあこんなもんである。
「姉御、買って来やしたぜ」
「早速俺達ではくんで」
バキ!!
「ゴフォ!」
「糞が!! それじゃ元の木阿弥だろうが!! 今回は真っ当な商売をすると言ったろうが!」
「あ、姉御が真っ当な商売と!? 信じられねえ」
「どうやら死にてぇらしいな?」
アスラン達が買いに行った大量の中古幼女用パンツを従業員となった貧民街の娘達に身に着けさせる。
そして其れ等のパンツを商品として可愛く包装した。
更に特別メニュー表も可愛く作った。そして懐石料理ブルセラの開店である。先にしておいた宣伝のおかげもあり、開店と同時に凄い客入りとなった。特別メニュー表の注文も思った以上に盛況である。
だがそこに、何とランスロット様が現れた。
「僕にも特別メニュー表を見せてくれないかな?」
「はあ? まあ良いけど」
そしてランスロット様は、いきなり懐に手を入れ
ダン!!
と、札束をテーブルに置いたのである。そしてメニュー表の一点を指差した。
「今アリスがはいてるこれをくれれば、この金を君にあげよう」
「んな!?」
間違いなく100万リアはあの束ならある。欲しい、今の俺にはとてつもなくそれが欲しい。だが・・・
確実だ、ランスロット様は確実に、今パンツを渡せば、この場で変態仮面になるだろう。俺はそれを頭の中で想像した。俺が今履いてるパンツをランスロット様が変態仮面なみに顔面に被る。その後狂喜乱舞する変態男・・・・
流石に俺の良心がそれを拒む・・・だが、今この金が有れば、こっそりキセルを買うことも、エールを買う事も可能だ。欲しい、喉から手が出る程に欲しい・・・
「どうだい? アリス、この金はエリザベート姫の所は通らない、つまり君の使いたい放題だ。僕は可愛い君がこの金を何に使おうとも咎めたりはしない。君が可愛くて僕は君に怒る何て事は出来ない」
こ、この野郎、人の弱みにつけ込みやがって!! だが俺は、真っ当に生きると決めたんだ!! この意思は誰にも曲げられねえ!!
「ふ、生憎だがランスロット様」
「ま、まさか、アリス?」
「直ぐにトイレで脱いで来るから待ってやがれ」
「うん、解ったよアリス」
誘惑に勝てなかったアリスであった。だが・・・・
「おい、アスラン」
「ヘイ、姉御!」
「プロジェクトスキャムだ」
「やはり姉御!!」
ふ、旦那を騙すなら問題ねえ。
プロジェクトスキャム、これは念の為に仕込んで置いた、アリスの最終手段であった。もし当時の上顧客が来て、どうしてもアリスのパンツが欲しい、そんな客が破格の値段で買うと申し出て来た時、それを見逃す程アリスは馬鹿では無かった。その為のプロジェクト詐欺である。当然だがそれを履いてるのはアスランであった。
最初の勢いは何処に行ったのやら、真っ当な商売の事等札束の魅了で吹き飛んだアリスであった。
思った通り、ランスロットはアリスのだと思い、渡すと同時に変態仮面となり狂喜乱舞した。
スマン、我が旦那よ・・・・これも俺のプライドの為だ。
俺はランスロット様から貰った金で、早速アスラン達にキセルとエールを買いに行かせた。
「あぁぁ!! しみるぜ!! うめえ」
「姉御!! 最高っすね、久々のエールは!!」
「おう! 最高だぜ」
そして数日後、ランスロット様はまた俺のパンツを買いに来た。当然ガロードがはいてるパンツを渡す。ランスロット様は涙を流しながら匂いを嗅いでいる。
悪いな、我が旦那よ。
そんな時、俺はエスメロード様に呼び出され、今度こその卒業試験に挑む事となった。俺の魔力はかなり上がり、俺の特訓はもう10日起き位で良いだろうと言われていた。そして前回俺は卒業試験に挑んだが、前回は失敗した。
しかし・・・ここで予想だにしない事が起こってしまう。
「アリスよ」
「何ですか? 師匠」
「お主、随分と息切れが速くなった様じゃのう」
「そ、そんな事無いですよよ・・・・」
「いや、先月の時点と随分違う・・・ん? ・・・まさか」
師匠は俺のカバンをひったくった。
「あ! ぁぁぁぁ!!」
ヤベえ!!
「・・・ホウ・・・お主確か小遣いは全てエリザベートに抑えられていた筈じゃな?」
「そ、そうですね・・・」
エリザベートの手には、購入したキセルが握られていた。
「前回の時にお主のキセルは妾が没収した筈じゃな?」
「あ、あははは・・・妾も舐められた物よのう」
「な、舐めてる何て、そそそんな事は有りませんよ」
「そうか、舐めておらぬのであれば、馬鹿にされているのかのう?」
「け、決してその様な事は有りません!」
「おいエリザベート」
「はい、師匠!」
「ランスロット坊やを連れてきて来てくれ」
こうしてランスロット様が呼び出された。俺は師匠の顔に恐怖を覚えていた。ラウンズ以外で惟一俺が恐怖を覚える相手、それが師匠だ。多分これは偉いことになる、そんな感じがヒリヒリと伝わって来る。
ランスロット様が来ると、あちゃ〜と言う顔をしていた。
だが、ここで思いがけない事が起こった。アスラン達が訓練に来た時にそれは起こった。俺の前にランスロット様が立っており、俺が正座して居る。そしてただならぬ雰囲気が流れている事で、アスランが完全に勘違いしてしまったのである。
「あ、姉御、ランスロット陛下にあのパンツをあっしが履いていた事がバレたんでやんすか!?」
「え!?? ・・・・」
ランスロット様が硬直した・・・・
「うわっ!! 馬鹿野郎!」
ランスロット様が俺とアスランの顔をキョロキョロと見た後、あの時と同じ、アニメ風に顔を真っ青にし・・・・・
「うげぇぇぇぇぇ!! ボッファ!! おぼえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! ごぁぁぁぁぁ!!」
猛烈に吐きながらランスロット様はトイレに走って行ってしまった。そしてゲロ吐き音がここまで聞こえて来る。
「ど、どうしたのじゃ!? ランスロット坊やは何故あんなに吐いておる!?? 何がどうなっておる」
「い、いやぁ、その・・・・」
「愚か者! ちゃんと説明せい!!」
そして俺は事の顛末を師匠に説明した。
「はああぁぁ~・・・・・おい、アリス」
「は、はい、師匠・・・・」
「貴様と言う娘は、本当に性根から叩き直さねばならぬ様じゃ」
「い、いや、だ、大丈夫だと思います」
「巫山戯た事を抜かすでないわ!!」
「ヒィィィ!?」
「仮にもお主の旦那であろう!! その旦那から金を騙し取る等、どれだけクズなのじゃ!! 最早勘弁ならん、お主は妾が性根からとことん叩き直してくれる」
と、とんでもない事になってしまった、これはこの二度目の人生最大の危機となってしまった。非常に不味い、これは死の予感しかしない。この危機を脱するのはランスロット様に頼るしか方法は無い。
だがランスロットは現在アリスを助ける事が出来ない。ランスロットはベッドの上で脱水症状となり唸っていた。世界最強の男がアスランの股間の臭いで死線を彷徨っていたのである。
「エリザベート」
「は、ハイ!!」
エリザベートもビビっていた。ここまで怒りを顕にしたエスメロードを前にすれば当然である。エスメロードはこの世界最強の魔道士だ。そんな者がこれ程の怒りを見せている、怯えるなと言うのが無理である。
「暫くアリスは帰さん、ここに留まらせるゆえ、学園へ連絡をするのじゃ」
「は、はい、解りました師匠!」
「あ、あの師匠、流石に学園に行かないと」
「やかましい!! お主は学園に行く前にそのねじ曲がった性根を叩き直すのか先じゃ!!」
「ひぃぃぃ!!」
その後俺は3日未晩師匠から地獄の特訓メニューを課された。翌日ランスロット様がようやく起きて来て、俺を何度も庇ったのだが、師匠に怒鳴られて止むなく引下がってしまった。
俺は涙ながらにランスロット様に救いを求めたのだが、流石に師匠に
「坊!! お主の嫁は旦那から金を騙し取る様な嫁で良いのか!! 妾が性根を叩き直してやる!!」
と言われ、流石に引き下がってしまったのだ。最早俺を助けてくれる者は居ない。何度も逃げ出そうと試みたが、その場で捕まり更なる試練が与えられ、俺は最早泣くことしか出来なかったのである。
そして三日目、師匠に二度と旦那を騙すような事はしないと約束し、ようやく俺は解放されたのである。もし約束を破れば更なる試練を与えると言われ、恐怖した俺は絶対に約束を守るしか無い。
そしてやはり、俺はランスロット様に当たり散らした。
「ひでえじゃねえか!! 俺があんなに苦しんでいたのに!!」
「ごめんアリス、でも流石に師匠には僕も逆らえないんだよ」
「俺が殺されそうでもか!!」
「それは絶対にしない人だと解っているからね」
「ぬぐ!!」
「アリス!! 元はと言えば貴女が全て原因でしょう!! ランスロット陛下にあたるなんて筋違いよ!」
「良いんだよエリザベート姫」
「ランスロット陛下はアリスに甘すぎですよ!? こんなんじゃいつになったらアリスがまともになってくれるのか」
「それで良いんだ、僕はアリスのこういう所も大好き何だから」
だがしかし、やはり今回の事は俺が全て悪い、それは解っている。だがどうしても俺はランスロット様に頼ってしまう・・・・・・
頭では全て解っている、全部俺が悪い、だけどそんな俺を何時も許してくれるランスロット様、そこに俺は何時も甘えてしまう・・・・
もう無理だ、男でいたい、男らしく、そんな事は頭では考えていても、俺の魂はこの男にどうしても甘えてしまう。
諦めよう・・・・
「なあ、ランスロット様」
「何だいアリス」
「ちょっとこっち来てくれ」
俺はランスロット様を屋上に連れて行った。そして唇にキスをしてやった。
「な!? ・・・・アリス!! うぉぉぉぉ!!」
「こ、これは・・・騙した詫びだ、それと、これやるよ」
俺は今度こそ、履いてるパンツを脱ぎ、ランスロット様に渡してやった。
「ほ、本当に僕にくれるのかい!?」
「ああ、2度も騙しちまったからな・・・・」
やはりランスロット様はその場で変態仮面になり狂喜乱舞したが、まあいいや。認めたくは無いが、どうやら俺の王子様らしいからな。




