41話 終わった・・・
アリスが完全に可愛らしい幼女となりました。
師匠の訓練を受け初めてから、早2年近くが過ぎていた。学園も2学年から3学年に上がる少し前位だ。師匠の元での特訓を受け、何と俺の魔力はうなぎ登りに上がり、遂に俺はアストライアクラスまで魔力が上がったのだ。体力増強薬も今は殆ど飲んでいない。普通に走る事が出来る様になったのだ。つまりそれは、あのティアラが取れた事を意味するのである。
だが、師匠が最大の魔力を使って付与を施したあの忌々しいゴスロリドレスはまだ脱げない。師匠曰く
「最低でも妾程度には魔力を上げねば脱げんぞ」
と言われた。巫山戯るな、師匠は一万年近く生きている、生けるミイラだ。あのどう見ても二十歳位にしか見えない詐欺師の様な顔立ちやスタイルが信じられない程のババアだ。そんな生けるミイラにまで魔力を上げるなんてそう簡単に出来る訳がねえ。
俺はそこで悪あがきをする事にした。この姿で戦う場合、先ず絶対にロッドは駄目だ。完全に魔法少女になってしまう。それは何があっても避けねばならん。俺は確かに女だが、可愛いとか絶対に言われたくない。女なら女でも、やはりカッコいい女で有るべきだ。
自らが絶対そうはなれない見た目で有ることをアリスは全く気付いて居なかった。
そして普通の剣も駄目だ、俺は獣人では無いが、転生したら剣になったあの剣の持ち主がどうしても俺の脳裏に浮かんでしまう。
なので俺はメインの武器を日本刀と銃に決めた。この世界に銃はまだ無いが、俺は何としても銃を使う事にした。まあ銃を使う少女も居るが、年齢的にはまあ許容範囲である。
コンセプなんちゃらと言うゲームが銃は浮かんで来るのだが、銃にも色々とある。更に言うならば、俺が持つ銃がSMGでなければ、あのピンクの帽子を被ったPチャンを持つ少女も出て来なくなる。
だから俺は357パイソンをモデルにした銃を絶対に作る事に決めた。あれなら俺の脳裏に浮かんで来るのは、モッコリおっさんだけとなる。彼奴は変態だが結構シブい、男の中の男と思っても良い。なので俺の持つ銃は絶対に357パイソンである。
そしてやはり剣は日本刀一尺だ、俺の知る限り、日本刀を持つ少女は鬼を殺す部隊にしか居ない。だがあの少女は可愛らしいと言う感じとは縁遠い、許容範囲である。
そして俺が持つに相応しい、自分でそう思っているだけだか・・・
その日本刀は、日本刀中の横綱と言われる、最も美しく、切れ味が凄まじい、あの童子切安綱以外無い。
童子切安綱は、源頼光から足利家、豊臣家、徳川家と、時の天下人達が欲しがった最高の名刀である。それ程素晴らしい日本刀なのだ。俺はこれを模した日本刀を作る事にした。
そしてこの2年、俺は銃と日本刀を作る為に、魔道具研究会で研究しまくった。その中で俺は副部長となるまでに、腕を上げた。現在俺は魔道具研究会副部長となっている。
俺はこの研究会で様々な魔道具を開発した。その全ては日本刀と銃を作る為だった。そして今日、俺は銃第一号の試作モデルを遂に完成させた。未だライフリングすら無いショットガンの様な銃擬きだが、取り敢えず其れ等は追々追加して行くとして、先ずは理論検証が先である。
俺のこの世界での銃理論はこうだ。先ず弾丸は魔力を圧縮して固めた物とする。それにより弾切れの心配も無い。そして魔法其の物の効果を弾丸に持たせる事が可能となる。
次に弾丸を打ち出す仕組みだ。これは火属性の魔石をシリンダー内に組み込む。火魔法はシリンダー内に書き込まれている、その魔法である爆炎魔法で弾丸を撃ち出す仕組みだ。
現在は飛距離も出ず、威力も小さいが、銃身にライフリングを施す事が出来れば、それはクリアされるだろう。先ずは銃で弾丸を撃ち出す、この理論検証が成功しなければその続きには行けないのだ。
「では本当に最大の魔力で良いのですね?」
「ハイ、お姉様、全開で魔石に充填してください」
「解りましたわ、行きますわよ」
火属性の魔力を持っているのは俺達パーティの中ではセシリーだ、よってセシリーの魔力で魔石に魔力を充填して貰う。
「よし! じゃあ撃つぞ! 皆耳を塞いで」
「よろしくてよ!」
「私も良いわ!!」
行くぜぇぇぇぇぇ!! ファイア!!
パーーーーーン!!
「ぐふぉぉぉ!! ゲホ! オエ!! ガハァァァ!!」
理論検証は成功した、したのたが、俺は我が姉の魔力を舐めすぎていた。そう言えば、我が姉もこの2年、しっかりと魔力を上げる訓練をしていたな・・・・・
弾丸は確かに飛んだ、しかし銃身はバナナの様に裂け、シリンダーは爆発した。俺の顔は真っ黒けになり、ランスロットが出来れば髪は長くして欲しいと言ったので、まあそれくらいは良いかと長くした髪の毛は、左右と前髪が、超絶どぎついパンチパーマをかけた様にチリチリとなった。
「!?・・・・だ、大丈夫何ですの!? ア、アリス・・・」
「ひ、酷い顔よ、アリス」
「ブフォ!! だ、大丈夫です、何とか・・・・ゴフォ!!」
「と、とりあえず顔を洗って来なさい!! 髪の毛は私が何とかします」
「大丈夫ですよ、もう全部切ってしまえば」
「「駄目です!!」」
ハモって駄目と言われた。俺的にはショートだろうが、最悪ハゲでも全く問題ないのだが。取り敢えず言われた通り顔を洗って来た。
「ここに座りなさい、ランスロット陛下に長い髪の毛が良いと言われたのでしょう」
「そうですけど、別にまあ良いか程度で長くしただけなんで、俺的には別にハゲでも全く問題な」
「何を言っておりますの!! 少なくとも貴女は私の妹、そしてフランソワ家の者なのですわよ!! 愛する殿方に言われたのなら、そう言う女になりなさい!! 何がハゲですか!! 馬鹿を言うのも程々になさい」
「ぬう、ごめんなさい・・・」
たが素直に言う事を聞いたのが間違いだった。俺はセシリーにこれでよしと言われ、その時初めて鏡を見たのだが、そこには俺が居なかった。いや、正確には居たのは居た、だがそれは、俺が死んでもなりたくない女がそこに居たのだ。
確かにパンチパーマとなった部分は見事に隠されていた、いや、本当に見事としか言いようが無い。しっかりとその部分が丸め込まれて隠されていた。そう、丸め込まれて隠されていた。丸め込まれて隠されて居たのだ。
大切な事なので三度言った。つまり俺の髪は、何と見事にドリルっていたのである。前髪などもしっかりと整えてある。見た目は髪の毛が赤ければ、完全にテトっている。重低音で俺の心臓はバクバクしていた。
「お、お姉様・・・・こ、これは・・・」
「私とお揃いですわね、とても可愛いですわよ、アリス」
「・・・・そ、そうですか・・・・」
これで俺はこれから外を歩くのか・・・・何と言うか、地獄だぜ。
「髪の毛が元通りになるまでこれから毎日私がセットしてあげますわよ」
「そ、そうっすか・・・お、お願いします、お姉様」
最早鏡を殴り割りたくなって来た。そして取り敢えずの卒業魔法試験の為に師匠の所に付くと
「おお!! 姉御が更に天使になって」
「五月蝿えこの野郎!!」
バキ!!
「ぐふぅぅぅ!」
「死ね、死ね、死ねぇぇぇぇぇ!!」
「ゴフォ! グハッ! あぁぁ! 姉御もっと!!」
取り敢えず思い切り顔面の真ん中を鼻がつぶれる程殴り、その後ボコっておいた。まあご褒美になってしまうのであまり意味は無いのだが、取り敢えず憂さ晴らしにはなった。
だが鏡を見る度に、完全に俺の人生終わったと思ってしまう。ピンクと白の、ドレープの付いたロリータドレス。そして背中にはでっかい蝶結びのフリルサッシュベルト。これ以上無い完璧なロリータドレスである。そして髪は縦ドリル、俺は最早死にたくなって来た。
目立つ何て物では無い、通りを歩くと、絶対に可愛い〜♡ と何処からか声が何度も聞こえる。俺の事じゃ無いと思っていても、何度もそれが聞こえて来る。そして他人でも目が合うと、必ずニコッと笑顔を向けられる。
だがその笑顔が俺にはどう言う笑顔なのかが解る。何と言っても俺は豆柴を飼っていた事が有るからだ。散歩の時にあの豆柴に向けられる笑顔と同質の笑顔が必ず俺に向けられる。
あれからランスロットに合うと、スッと抱き上げられて、30分は放しやがらねえ。暴れても絶対に抜け出せないので、まな板の上の鯉になるしかない。
幼女モルドレッドと歩いてる時、お友達? と同年代の女に声をかけられた。殴りたかったが、女を殴る訳にもいかない。男だったら取り敢えず、二度と口が開けない様にしていた自信がある。
最早俺のライフはゼロになった。現在は惰性で学園に行っていた。だが完全に望みが絶たれた訳では無い。そう、357パイソンだ。そして童子切安綱だ。あれを持っているだけでも俺の精神安定剤になってくれる。
それからの俺は、授業と特訓以外は全て研究に時間を使った。兎に角一日でも早く、パイソンと童子切安綱を完成させたい。銃を右のホルダーに、刀を左腰にさしておくだけで、俺の精神安定剤となってくれる。
俺は一心不乱に研究に明け暮れた。研究会の後輩達は、既に俺がどう言う人間なのかを知っている。俺が可愛いとか間違っても口にする奴等は居ない。そして俺が縦ドリルになってから、研究会はピリピリとしていた。
たまに初めて合う一年の男子生徒が俺の事を可愛いと言って、前歯が折れる奴がまだ居るが、後輩達はそれを間近で見ているのだ。研究会の後輩達にとって俺は恐怖の対象となっていた。
あれから一心不乱に俺は研究を重ね、そして遂に俺は完成させた。
ゴォーン!!
「す、凄いわね!? 何て威力なの!」
「本当、あんな太い木が完全に折れるなんて・・・」
「出来た!! 遂に!! 俺はこれをコルト・パイソン357マグナムと名付けるぜ!!」
「コルト・パイソン?? どう言う意味なの?」
「まあ、子馬、大蛇、みたいな意味ですね」
「子馬と大蛇ではまるで違うわ」
「その辺りは気にしないでください」
「ねえアリス、わたしもそう言う武器が欲しいわ」
「わたくしも欲しいですわね」
「俺も欲しいかな? 何かカッコいいよ」
取り敢えず俺は、其々に好みを聞いて、皆の武器を作ってやる事にした。だがセリーヌの銃だけはSMGにした。理由はセリーヌが水属性に高い資質が有るからだ。
この世界の水属性と言うのは、戦闘と言うより何方かと言うと、ヒーラーとしての活躍が重視されている。それはヒールが聖属性と水属性以外使えないからだ。
だが聖属性の持ち主は圧倒的に少ない。だがヒーラーは喉から手が出る程どのパーティでも欲しがる。
しかし水属性の魔法は攻撃魔法が極端に少ない。何方かと言うと、回復手段がやはり水属性の魔法には多いのだ。
だが水属性には、ヒーラーだけに恐ろしい攻撃魔法が存在する。これは聖属性魔法にすら無い魔法だ。
回復魔法には2系統回復手段が存在する。聖属性魔法は体内に誰しもが持つ、そしてどの様な動物も持っている、免疫力を急速に活性化して回復する。だからどの様な怪我や病気すらも回復させてしまう様な、非常に強力な回復魔法が使える。
もう一つは水魔法の回復方法だ。これは体内の水分を使って回復させる。だから病気等は治せない。あくまでも血液中の血小板等の細胞に働きかけて傷を治すからだ。だから聖魔法程強力で速い治療は出来ない。
アリスのパーティには、3人のヒーラーが居る。そして2人は聖魔法のヒーラーだ。アリスとエリザベートである。それに水魔法のヒーラー、エリザベートである。
だが水魔法には、恐ろしくヤバい攻撃手段がある。これはとある一定の条件が整わないと使えない、極限られた時にしか使えない魔法なので、使い勝手が大変悪いが、決まれば恐らくボスクラスの魔物だって一撃で倒す事が可能だ。だがその限られた時を作るのが非常に大変なのだ。
その魔法とはヒールの応用で、体内の水分に働きかける魔法である。体内の水分を蒸発させる、又は凍らせる魔法。これが本当に恐ろしい魔法なのである。
だがこれはゼロ距離、つまりヒールと同じやり方で、相手に直接触れる事で発動出来る魔法な訳だ。だからゼロ距離を戦闘で作る事が非常に困難となる。近付く時に、大体が殺られてしまうのだ。
だが、アリスが銃の発明でこれを可能にしてしまった。アリスの銃は、魔法を超圧縮し、弾丸にして飛ばす。つまりセリーヌの使えるあの極悪な魔法を弾丸にして直接相手にぶつける事が出来てしまう訳だ。
もしそれがマシンガンになったとしたら、考えただけでも恐ろしい。超極悪な武器がこの世界に誕生してしまうのだ。弾丸が当たってしまった敵は、その場で全身から血液を蒸気にして噴き出し、干からびて死ぬ。まさに極悪武器である。
だがアリスはこれを作ってしまった。




