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24話 リアルな夢

風邪にルルは効かなかったので、葛根湯に変えました。どうやら葛根湯の方が効くみたいです

 現在ランスロットは、自らの神獣にのり、帝国帝都へ一次帰国していた。そこに王国へ残してきた騎士、ベディヴィアからの報告を読んで、大激突していた。


「おのれフォルテシア!! 絶対に許さんぞ!!」


「ベディヴィアは何と?」


「アリスが何者かに襲撃を受けた!! アーサー、ラウンズを集めろ!!」


「ラウンズを!? ですがフォルテシアを攻めるだけならラウンズを集めるまでも」


「皆殺しだ!! 良いから集めろ!」



 ランスロットはアリスが襲撃された事で、大激怒していた。





 その頃アリスは学園の処置室に運ばれ治療を受けていた。


 どうやら俺は夢を見てる。妙にリアルな夢だ。夢の中は何処か知らない海岸、そして目の前にはランスロットがいる。そして、俺はと言うと、足が無い………

 はぁ? 足がねえ、え? こりゃマーメイド? この姿、何で? 俺人魚じゃねえか。てか、おっぱい丸出し! しかももの凄え爆乳じゃんかよ!?



『フィーネ、またこんな所まで上がって来て、駄目じゃないか』


『だって暇でしかたねえんだよ。ファム様は口うるせえし、何でマーメイド族だからって何時も海にいなくちゃなんねえんだよ。地上は面白い事いっぱいあるのによ!』


『相変わらずフィーネは口が悪いな、でもねフィーネ、マーメイドは希少種だから、人に見られるのは危ないんだよ』


『知るか! 俺はマーメイド族になんかに生まれたく無かったんだ』


『でもフィーネはとても可愛いよ?』


『うるせえ!! なあ? また遊びに行かないか? 海底神殿連れて行ってやるよ』


『本当? 頼むよ、実は僕もそのつもりで来たんだ。でもファム様にバレないかな?』


『平気だって! バレやしねえ!』


 俺はランスロットと海に潜る。なんか海の下に遺跡が見えた。その遺跡にランスロットを抱えた俺は入って行く。そして遺跡の中は水がなく、空気があった。


 映画みたいに陸に上がると足が出る・・・訳では無さそうだ。今度は俺がランスロットに抱きかかえられている。


『冒険だぜ! 楽しいよな! 冒険』


『そうだね、ねえフィーネ、あれは何だろう?』


『あれ、アーティファクトじゃないか?』


『どれ、本当だ! そうみたいだ!』


 夢はそこで別の場面に切り替わる。ここは小島のようだ。


『ねえフィーネ』


『なんだ?』


『僕今度の騎士試験合格したら、ようやく純男爵になれるんだ。そうしたら、フィーネのことを迎えに来たい』


『え? どういう事だ?』


『君を妻に迎えたい』


『は? 冗談言うなよ、バカだな、俺はマーメイド族だぞ? 人族が俺達亜人を認める訳ねえだろ』


『認められなくても、そんなのどうだっていい!! 僕は君に傍にいて貰いたいだけなんだ。君が傍に居てくれればもうそれだけでいい! 他には何も望まない!!』


 何か俺めっちゃ抱きしめられてるな? てか俺も顔赤えぞ・・・


『ランスロット!? ………苦しいよ』


『放さない、君が来てくれるって言うまで、この手は絶対に放さない』


『………わ、解った、行くよ、でも本当に俺なんかで良いのか? 陸に上がっても俺何も出来ねえぞ? まあ魚位は取って来てやるけど……それに俺は海沿いじゃないと生きられないよ』


『何もしなくていい、君が僕の傍らに居てくれれば。それに海沿いに小さいけど領地も貰えるんだ。君だけのビーチをそこにつくるよ』


『そうか、じゃあ合格して来いよな! こいつの為にも‥‥‥』


『え!?』


 お、おい、夢の中のマーメイドの俺、腹さすってますけど? これってもしかして。


『あ‥‥‥まさか?』


『ああ、どうも、お前のガキが、ここにいるみてえ何だ』


『そ! そうか!! うん! 絶対に合格してくるよ! それでフィーネを必ず妻にする! 絶対にだ!!』


 そしてまた、急に見てる景色が変わった。


 え? 今度はなんだ? 俺、捕まってるのか? この状況かなりヤバいのでは。



『非常に珍しいですよ? こんなに美しいマーメイド族はそうは居ません』


『ほう、これは確かに美しい、高値で売れそうだな』


『馬鹿なマーメイドだ。態々こんなに陸に近い所まで上がって来るとは。陸に上がれば自慢の魔力も半減すると言うのに』


『そう言えば今日は騎士試験が合ったな。合格した若い騎士に高く売れそうだ。よし、このマーメイドを我が奴隷商で仕入れよう』


『何時も有難うございます』


 おい! おいぃぃぃ! 俺奴隷商に売られるのかよ? やべえじゃねえか! まあ夢だからいいか‥‥‥って良くねえ!!


 てか俺相当弱ってねえ? 凄え体中全体が怠いんだが………


『それと旦那、あまり真水だけの状態を長く続けると、マーメイド族は弱って来ますので、適度に海に入れないと駄目てすよ』


 それか!! 早く海に入れやがれ!


『それは面倒だな、早めに売り捌いてしまうか』


 って! おいおいおい!! もう弱りまくってるって!! 速く海に付けやがれ!!


 って………あ! 多分駄目だ………これ俺死ぬわ。


 そこにランスロットが現れた。ランスロットは物凄い勢いで奴隷商達の居る小屋へ飛び込んで来た。



『フィーネ!! やっと見つけた、お前か!! フィーネをこんな!!』


『ラン………スロット………ごめん、なさい。お前が合格したかなって………見に来たら、捕まっちゃったよ………』


『フィーネ!! 合格したんだ! 迎えに来たんだよ!! やっと君を迎える事が出来るのに、だから死なないでくれ! 頼むよ! 僕には君が必用なんだ!! 行かないでくれ! フィーネ!!』


『ごめん、な………ランスロット、頼むよ、この子だけ、でも、連れて行って、あげて‥‥‥』


 よく見ると、破水して小さなマーメイドが出て来ていた。多分掴まった時に暴れたせいで、破水したのだろう。


『あぁぁぁぁぁぁぁ!! お前ら! 殺してやる!! お前ら全員ぶっ殺してやる!!』


『や! やめろ!! マーメイドなんてただの魔物だろう! 一匹死んだ所でまた仕入れてやる!』


『巫山戯るな! また仕入れてやるだと!? フィーネは!! フィーネはたった一人しか居ないんだよ!!

 お前らは俺の大切な!! 大切なフィーネを奪ったんだ!! 絶対に殺してやる!! 死ねよこの野郎!!』


 剣を抜き、ランスロットはそこに居る全員を斬った。


 あ~あ、ランスロット、全員殺しちゃったよ。てかなんだこの夢? あん? また別なマーメイドが来たな。

 って、このマーメイド、どっかで見たような。



『ランスロット………』


『ファム様………』


 何かゴージャスなマーメイドが出てきたな? いや、このロリ見覚えが有るぞ? あれ? こいつ、あの時の転生神、くそ女神じゃねえか!!


『この子はお前の合格を速く知りたくて、私の制止も聞かず陸に近づいた。だから死んだのです』


『何でだよ!! 何でそんなに冷静で居られるんだよ!! フィーネは………フィーネは僕の宝なんだ。ずっと傍にいて欲しかったんだ!! フィーネ、何で死ぬんだよ、僕の傍にいてくれるって言ったじゃないか』


『本当にこの娘を愛していたのですね』


『そうだ! 僕にはフィーネしか居ない、フィーネ以外考えられないんだ!!』


『・・・・・何時とは言えない、でもお前が生きて居ればいつかは逢える日が来る。お前はそれまで待てますか?』


『それは、どう言う事、ですか?』


『お前に不死の呪いをかける事が出来ます。マーメイドの血は人を不死にする。お前がその子の血を飲めば、お前は不死になる。その子はマーメイドとして生まれないかもしれない。でも何れ逢える。私はセイレーン、海に生きる者の生と死を司る。この子の魂の波長をお前に合わせます。どうします?』


『いつかは、逢えるんですね?』


『逢えます、その子の血が、生まれ変わったその子の魂と共鳴し、お前に転生を知らせる』


『・・・・・なら待ちます、何時までも、フィーネが戻ってくるまで、僕はずっと待ち続ける。そしてもう二度と、絶対に放さない』


『ならばこの子を連れて行きなさい、お前とフィーネの子です』


『はい、ファム様。守ってみせる、この子だけは、絶対に僕が』



 アリスがそんな夢を見ていた時、帝国ではランスロットが狂ったように大激怒していた。帝国皇居にある一室、そこはラウンズ達が集まり様々な事が会議される円卓の間。その円卓の間にはラウンズ達以外は入る事が許されない。



「巫山戯るな!! 僕のフィーネを!! 殺してやる!! 皆殺しだ。軍を集めろ!! フォルテシアを滅ぼしてやる!! 誰一人生き残らせるな! フォルテシアに居るもの全て皆殺しだ!!」


「落ち着いてください父上!! まだお亡くなりになったとは決まって居ません!!」


「これが落ち着いていられるか!! 今フィーネは苦しんでるんだ!! やっと逢えたんだぞ! どんなに待っていた事か、あの可愛いフィーネにようやく逢えたんだぞ!! やっと、やっと」


「それは我等とて同じ気持ちです!! あのお優しいフィーネ母上に我等全員救われたのですから!!」


「!? ‥‥‥そ、そうだったな‥‥‥すまなかった、アーサー」


「母上を苦しませた奴には然るべき報復を必ず致します。ですがフォルテシアにはお母様に生を授けてくれた両親も居る、そしてお母様が今心を通わせた者達もいます。あのお優しい母上が目を覚まされた時、其れ等が死んでいたとすれば、母上が何れだけ悲しまれる事か」


「そ、そうだった、すまない、取り乱した。今の僕は冷静じゃない。お前に指揮は任せるよ」


「は! ですが必ず母上をこんな目に遭わせた奴には、必ず地獄を見せてやります」




 更にフォルテシアでも、とんでもない大事になっていた。


「そ、それは誠か‥‥‥エリザベート」


「たった今、アスランが調査を願い出て参りました。事が事故に、王国としては厳正に調査せねばなりません。そして一刻の猶予も有りません。恐らくこの事は既に帝国へ知れ渡っております。今頃は帝国軍120万が此方へ向かって動き出しているやもしれないのです」


「ば、馬鹿な!? たかが第一皇子の婚約者一匹が死にかけているだけで」


「呆れ果てましたねお父様、まだそんな脳天気な事を言っておられるのか。何も調査せず調べもせず‥‥‥

 ランスロット殿下が初めてレストランでアリスと会食したとき、ランスロット殿下はあるものをアリスに授けております。それが何だかお解りですか?」


「な、何を渡したと言うのだ!?」


「カリキュオンです」


「な! う、嘘じゃ!! そんな物が何であの小娘の手にある!!」


「解りませんか、既に政変は終わっている。そして戴冠式も終わっていると言う事。今の皇帝は傀儡に過ぎません。実質の皇帝はランスロット殿下。そしてその皇女は、アリスだと言うことです。もし我等王族の誰かがアリスを害したとするなら、それはフォルテシア王家が帝国皇妃を害した事になるんです!」


「な! 何と言うことを‥‥‥」


「ダニエルお兄様は今何処に」


「ま! まさかダニエルがやったと思っておるのか?」


「今一番疑わしきはダニエルお兄様です。調べぬ訳にはいきません。良いですかお父様、今フォルテシアを救う道は、犯人の首を携えお父様自らがランスロット殿下の前に出向き、地に頭を擦り付け許しを請う事しか道は無いのです」


「な、ならば軍備を整え」


「笑止千万、我が国が帝国の相手になるとお思いですか?」


「く! ‥‥‥‥」


「時全てが遅し、今一度問います、ダニエルお兄様は何処に居ますか」


 そしてエリザベートの読み通り、翌朝には帝国軍100万がフォルテシアへ向けて出陣したとの報告が入った。



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