11話 料理対決始動
予約投稿は上手く行ったようです。今後出来るだけ毎日投稿します。
それは決定的なアリスの勝利宣言だった。もしアリスが剣を使っていれば、先程背後に回られた時点でライオネットはアウトだった。そしてそれが解らないライオネットでも無かった。
「さて、第二ラウンドです。かかって来てください」
「いや、私の負けだ」
「へ!? ・・・いや、一発蹴り食らっただけでそれは無いでしょう?」
「君が剣を持っていれば、先程背後に回られた時点で私が負けていた」
「そ、それは過程の話であって、現に私は素手ですよ!」
「だが負けは負けだ」
「そんな! 折角ポーションまで飲んでこれからだって言うのに、面白いのはここから何ですよ!! さあ限界まで身体強化しちゃってください。そして死闘を繰り広げましょう!!」
だが、ドン引きされてしまった、
「い、いや、わたしが負けを認めたんだ」
「そんなもん私が認めません! 互いに限界まで殺し合う、それこそが決闘です! さあほらかかって来なさい!! まだ血の一滴すら流れていない!!」
「な!? ・・・く、狂ってる!! リーザ、何を呆けてる!」
「あ! そ、そこまで!! 勝者アリス!」
「ち!? ちょっと待ってくださいよリーザベルト様! まだ全然勝負は付いて無いでしょ!」
「もう勝負は付きました! 貴方の勝ちです!!」
「でもライオネット様はあんなにピンピンしてるじゃないですか! ヨダレだってまだ見ていな」
ゴン!
いきなり背後から後頭部を殴られた。
「いって! クッソ誰だ・・・え・・・こ、これはエリザベート、セシリー、ど、どうしてここに?」
「何処かのバトルジャンキーが言うことを聞かずに闘わせろと駄々をこねて吠えてると聞きまして」
「だ、誰なんですか? そんな事言ってるワガママな奴は」
「貴女です!! 全く貴女と言う人は、本当にろくな事をしませんね! 今日と言う今日はもう勘弁なりません。お兄様、お姉様、この非常識暴力娘に決闘は無意味です。返って喜ばせるだけです。この子には私が一切の決闘を禁じています。そして、私との約束を破りましたね? アリス」
「ち! 違いますよ、ほら、裏生徒会の人達に無理矢理させられたんです!! そうですよね? ライオネット様、リーザベルト様」
だが目を逸らされた。
「き、汚え、セリーヌ!?」
「あ、そ、それは本当です。エリザベート」
「セリーヌ!」
やはり持つべき者は友だ!
「成る程、それは信じましょう。ですが私に相談する事は出来たはず、よもや喜び勇んでホイホイと付いて行った訳ではありませんよね?」
「・・・・も、勿論ですよ!」
「セリーヌ? どうなんですの?」
「・・・ご、ごめんなさいアリス、エリザベートに嘘は話せません」
「な!?」
「どうなんですの?」
「た、楽しそうに付いていきました・・・」
「セリーヌ!!」
おい! そこほ話しを合わせる所だろう!!
「アリス、そこに正座しなさい」
「う!? ・・・はい」
「第三王女エリザベートの名においてアリス、貴女に命じます。先の約束に加え、今後貴女には私に相談無く決闘を行った場合、丸二日間食事抜き、そして武術、剣術の授業への参加を全て禁じる事とします」
「そ、それは酷く有りませんか!? いくら何でも鬼です!!」
これでは合法的に人を殴れる機会が更に減ってしまう、俺は特別に男子生徒との戦闘訓練が許可されているのだ。
「約束を守れば良いだけです。何も問題有りません。大体何故貴女はろくに相談の一つすら出来ないのですか、こんなの幼児だって出来ることですよ!!
決闘をする前に私に相談しろと言った事を貴女はどうせお兄様達に呼ばれた事で、言い訳が出来ると判断し、そして決闘となることを察し、喜び勇んでついていったのでしょう、違いますか!」
全部バレてる・・・・
「良いですかお兄様お姉様、このバトルジャンキーに正攻法はききません。一切の闘いを禁じる事が一番良い薬になります!」
「はあ・・・成る程、ならば今後アリスの舵取りはエリザベートに任せよう」
「そうですわね、でもまさか返って逆効果だったなんて、本当にこう言う人はいるのですね」
と言う事で、その後芋蔓しきにパンツ詐欺まで全てばれてしまい、俺の小遣いまでもエリザベートに管理されることになってしまった。さらにギルドへ卸しているポーションの利益までも、いつの間にかバレていて、それの管理までされることになってしまった。
俺は猛烈に反発したのだが・・・
「そうですか、ならば貴女の行いを貴女のご両親に何とかして欲しいとお手紙を・・・・・」
「そ、それだけは勘弁してください!!」
と、脅されてしまってはどうにもならん。流石にあの両親にだけは倖せになって貰いたい。俺のことで迷惑をかけるわけには行かない。妹にも健やかに育ってほしい。
「くそう、全く面倒くせえ事になってきやがった。まあポーション作成については瓶代くらい出してくれるって言うから良いが、金を抑えられたら何も出来ねえじゃねえか。てか人ぶん殴ったくれえで大袈裟何だよ。あんなん挨拶みてえなもんじゃねえか」
「盗賊みたいな言葉でブツブツ言ってると、折角可愛いのに大無しだよ?」
「のわぁぁぁ!! ギル、コレン、いきなり声かけないでくださいよ、ビックリするじゃないですか」
「いや、盗賊みたいな言葉でブツブツ言ってる幼女を見て少し固まってしまってね」
「ぬぐ! ・・・今のは速攻で忘れてください」
最近独り言が声に出るようになってしまった。気をつけないといかん。
「ところで何が困ったんだ?」
「エリザベートに金を押さえられて、自由に使える金が無いんですよ」
「金を押さえられたって!? どう言う事?」
俺は一連の話しを二人にした。
「あははははは!! ま、まあ、押さえられたと言うよりは、持っているとろくな事をしないからと・・」
「酷くないですか? 別に私は思ったまま行動しただけで」
「いや、流石にパンツ詐欺は思ってもやってはいけない事では無いかと・・・まあ、でもそれなら相談に乗れない事も無いよ」
「本当ですか!?」
「うん、今度二学年で料理対決が有るのは知っているかい?」
「料理対決?」
「そう、料理研究会、まあ自由研究の会何だけど、新入生確保の為に料理対決を開催するんだよ。そこで研究会員意外にも、広く参加学生を募集しているんだ。実はそれの優勝者には、年間料理研究会夕食フリーパスが貰えるんだ。優秀賞にも半年フリーパスが貰える」
「私は特待生何で食事はただです。あまり意味が有りません」
「そのパスが大人気で、毎年フリーオークションにかけられてるとしても?」
俺は全身に稲妻が走った。これは絶対に逃せない。
「ど、どうすれば参加出来ますか!!」
「う・・・料理研究会に行って参加申し込みをすれば参加出来るぞ」
「では行って来ます!!」
「頑張ってね!」
よし、稼げる! 年間フリーパス、学食の値段が一食2リグ、これの365日分、つまり最低でも730リグで売れるって事だ、やってやるぜ。
ギルドへのポーション売り上げが抑えられてるって事は、冒険者の仕事報酬もやられるだろう。稼ぎはそれ以外で出すしかねえ。
早速俺は料理研究会の扉を叩いた。既に多くの学生達が申請受け付けをしている最中だった。
「たのもう!! げ!」
「人の顔を見るなり、げ! は無いでしょう?」
「リーザベルト様、ここにも所属されてたんですか」
「悪い? それで何の用ですか? アリス、貴女が大人しく料理研究などするとは思えませんが」
「ふ、失礼な、そもそも私に料理研究など不用」
「どう言う意味ですか?」
「そのままの意味ですよ、私はこれでも地元では並ぶ者無きパティシエのアリスと呼ばれているのです!」
(注)嘘、しかもパティシエの使い方が間違っている。
AIによる概要 パティシエ(フランス語: pâtissier)とは、ケーキやクッキー、チョコレートなどの洋菓子を作る専門の職人(菓子製造人)を指します。
つまり飯では無い・・・
「今日は料理対決に殴り込みに来ました!」
「成る程、つまりエリザベートに資金を差し押さえられたので、年間フリーパスをゲットし、それで資金を作りたいのですね」
「う! ・・・」
思考を読まれた。
「ですがそんな不純な理由で勝てる程料理の道は甘くないわ。貴女に料理の真髄を見せてあげましょう」
「吠え面かくのは誰か思い知らせてあげましょう」
「え~、お取り込み中すいませんが、此方申込書です。並んでいるのでちゃっちゃと書いちゃってくださいね」
しまった、差し押さえの為の小遣い稼ぎだとバレないように、挑戦形式でやった事が裏目に出たか。これは思いきり恥ずかしい。
・・・とりあえず申し込むとしよう。
だが優勝への道は遠かった。
「成る程、つまりまずは、予選を勝ち抜かなきゃいけない訳だね?」
「そうなんですよ、決勝大会に出場出来るのは全部で8人、先ずその前に課題を提出して、その中から順位が決められるみたいなんです」
「それは良いが、何故俺達が手伝わなければならないんだ?」
「良いじゃ無いですか! そもそも話しを持って来てくれたのは、ギルとコレン何ですから。優勝したらちゃんとバイト代払いますから」
「優勝しなければどうなるんだ?」
「・・・・男は細かい事をいちいち気にしては駄目です!! か弱い女の子が困って居るときは、無償で手伝うくらいの気概が無いとモテませんよ!!」
「誰がか弱いんだ・・・」
「まあ良いじゃないかコレン、面白そうだし。それで? このお米とか味噌醤油と言うのはなんだい?」
「これをどうしても手に入れて欲しいんです。後でちゃんと代金は支払いますから」
「聞いた事が無いな、別の物で代用は出来ないの?」
「それが無いと勝てないんですよ。この国の一般的な普通の料理には無い物で勝負したいんです」
「成る程、何か手がかりは?」
「え~とですね、書物で有ることは解って居るんです。イーパンと言う国で主食として食べられていると書物には書いて有りました」
「成る程、それなら手に入るかもしれんな」
「コレン!! 本当ですか!?」
「ああ、俺の祖母が元々イーパン人だからな」
「お願いします! そこの材料を何とか仕入れてください。ならギルは他の材料をお願いします!」
「解ったよ、しかし公爵家と伯爵家の子息を鼻で扱う農民の子は君くらいだよ、アリス」
「ギル、細かい事は気にしないでください!」
「そうだね、モテないのは困るから、では早速動くとしよう」
「全く、俺も祖母に手紙を送ろう」
よし、これで何とかなる。この国の料理では俺に勝ち目は無い。だが和食ならば話しは別だ。アルバイトで和食レストランそとに勤めていた俺の実力を思い知らせてやるぜ。
まず課題の提出は一品料理。これはこの国にもある材料でどうにかなる。
提出日は5日後、それまでに売店で買い揃えるのと、一度冒険者ギルドに行って、ポーションを降ろしながら薬草採取の依頼を受け、その時に一緒に材料を買いに行こう。野草でも様々な食材がある。それらも採取だ。




