10話 コギャル登場
今日は2話連続投稿です
世の中には、とても素晴らしい人間と、どうしようも無い人間と言う二者がいる。ではその二種類の者を人はどうやって判断するのだろう? そう、大体が見た目だ。
「ちょっ!? こ、これは、スカート短すぎませんか!?」
「良いんですよ、そうする事によって、馬鹿男共が寄ってきます。そして我慢出来なくなった男共はどうすると思います?」
「どど、どうするのですか!?」
「覗くんです!」
「ひやっ!!」
「その目線を追いかけ、そして!!」
「そして・・?」
「慰謝料を請求するんですよ!」
「慰謝料!?」
「この学園には貴族が多い、女のパンツを覗いていたなど、まさに名誉が傷付けられるどころでは済みません。奴等は当然そんな噂は流されたく無い。つまり金の取り放題です!!」
「あ、あの・・・自分らしさと言う話は」
「さあ完成です! 早速学園中を練り歩きましょう!!」
短いスカート、そしてネイルアート。髪の毛にはカラフルな付け髪、そして派手な口紅とつけ睫毛。まさに二人は現代日本のコギャルと化していた。それを見たセシリーは、目を白黒させていた。
「な!? 何ですの二人とも、その格好は!?」
「セシリー様、その・・・」
「自分らしさの表現です!」
「そんなはしたない格好をする事がですか!」
「可愛く有りませんか?」
「可愛くありません!!」
「でもほら、男共はそうでも無いみたいですよ?」
当然股間を押さえてガン見している奴らが何人もいた。
俺達は暫く学校内を歩き回った。歩き回った後の階段で・・・遂にカモが現れたのである。
「おい」
「な!? 何だよ」
「今お前、階段を上がるセリーヌのスカートの中覗いてただろう?」
「な!? の、覗いて無いよ!」
「見てたんだよな~、君、Bクラスのアルフレッド君だよね? 確かお父さん、子爵様だったよね? その息子が女子のパンツを覗いてたなんて、ああ嘆かわしい!! だがこの様な犯罪行為を私は見すごす訳には行かない。
おい!! 今このアルフレッド君は! 事も有ろうにセリーヌの」
俺は態と大きな声で、周囲に聞こえる様にした。
「やめてくれ!!」
「ん? ふむふむ、まあ、場合によっては見てみぬフリをしてあげても・・・」
と言う事で、今日のおやつ代が手に入ったのである。それは翌日も続いた。
「おい、君確かDクラスの」
「あ! 待ってくれ!!」
「覗き!! いけないな~!!」
これを繰り返し、僅か3日で俺とセリーヌはかなりの大金を手にしたのである。セリーヌが階段を上り、俺が下で隠れて見張る、次にその逆を行う。何度か繰り返しているうちに、セリーヌも脅し文句を言えるようになっていた。素晴らしい連携プレーだ。
「じゃあ喫茶ルームで新しいスイーツでも食べようか!」
「こ、こんな大金、恐ろしいわ・・・」
「大丈夫大丈夫、覗く奴等が悪いんですよ!!」
「そ、それはそうなんですけど、わざとやると言うのは・・・」
「それに、そろそろ来る頃だと思いますよ?」
「来る? 誰がですか?」
「正義の味方気取りの馬鹿野郎です」
直ぐに数人俺達の前に馬鹿野郎共が現れた、どうやら上級生らしい。
「お前らか? あくどい事をやって金儲けしている奴等は」
「あくどい? 何の事でしょう?」
「わざと短いスカートはいて、男子生徒に覗いてたと脅してただろうが!」
「事実を言っただけです。それに脅して何ていませんよ? スカートの長さだって別に校則で決められている訳ではありせん。これは個人の自由です」
「金むしって置いて何惚けてやがる!」
「口止め料ですね、向こうが払って来たから貰い、黙ってやってるだけですよ。くだらない言いがかりはやめて貰えませんかね?」
「・・・正式な決闘だけが合否を決める訳じゃねえんだぞ?」
「ほう、下級生の女子相手に脅しですか。品性も糞もあった物では有りませんね。まあ寧ろそっちの方が私好み何ですけど」
「ふん、上等だ、付いてこい」
「ア、アリス!」
「大丈夫ですよセリーヌ、折角招待してくれたんだから、お招きにあずかりましょう」
ついて行った場所は、三学年の学舎の裏だった。そしてその下には、学園マップにも無い地下室が存在していた。
「さて、ここがどう言う場所か解るか?」
「さあ? か弱い女子生徒を監禁して、エロい事を屑男がする場所ですか?」
「ふん、大口叩けるのも今の内だ、入れ」
中に入ると、数人の男女が円卓に座っていた。
「成る程、確かに見た目はまるで幼女だな。大罪を犯すような者には見えない」
「そうね、でも事実この二人は男子生徒から金を巻き上げていたのでしょ?」
「ちょっと聞いて良いですか? 人を招いて置いて自分らは椅子にふんぞり返り、言いたいことを散々ほざいてるくせに私らを立たせているなんて、どうやったらこんな非常識な馬鹿共が育つのかとても不思議です。それに名乗りもしないとかぶっ壊れちゃってるんですかね?」
「これは失礼、先ずは君達が今どう言う状態なのか先に話すべきだった。実は君達は今裁かれているんだよ。ここは学園内で起こった様々な事を非公式の場で裁く場所であり、この場所は別名裏生徒会室と言う。
勿論合法では無い組織だ。だが学則では裁けない多くの事を裁く組織として、学園は事実上我々の存在を認めているんだよ。
では改めて、申し遅れた。私はライオネットフォルテシア、この国の第二王子であり、この裏生徒会の会長でもある」
「私はリーザベルトフォルテシア、貴女達が仲良くしてくれているエリザベートの姉よ、そして第二王女ね。更に裏生徒会の書記長でもあるわ」
「まあこの他にも役員は居るが、その殆どが王族で締められている」
「成る程成る程、つまりこう言う事ですね? 表では位階関係なく誰もが平等等と掲げて起きながら、裏ではこうして権力を傘にやりたい放題。怖いな〜、私王室直属の暗殺部隊に暗殺でもされちゃうんでしょうか?」
「貴様!」
「待てカルロス」
「ライオネット様、こう言うのを何て言うか知ってますか? 詐欺って言うんですよ」
「確かに君が言う事にも一理ある、だが私達裏生徒会は権力を傘にどうこうしよう等とは一言も言っていない」
「さっき自分で裁いていると言ってませんでしたか?」
「確かに裁いているさ、だが君は獣相手に人の言うことを聞かそうとするときはどうするね?」
「勿論一度叩き伏せて、何方が上かハッキリとさせますね」
「ここはそう言う場何だよ。学園の風紀を乱す者に、何方が上かハッキリとさせ、言うことを聞かす。勿論そこに権力等という不粋な物は無い、あくまでも個人対個人の力で上下関係をハッキリとさせるのさ」
「ああ成る程、何だ最初からそういってくださいよ。とても解りやすくて良い場所じゃないですか。つまり勝った方が正義、そう言う事ですよね?」
「そう言う事だ、君のような獣には一番解りやすい方法だろう?」
「か弱い女子を捕まえて獣ですか、まあ否定はしませんけどね。では早速始めましょう。相手は誰ですか? 順番何て面倒だからいっぺんに相手してあげますよ」
「随分な自信だな、だが一人相手に大勢など、いくら罪深い者でも有ってはならない事だ。私が相手をしよう」
「つまりこの中で一番強いのが、ライオネット様だと言うことですね?」
「そうだ、君は少し強めにお仕置きしなければいけないようだからね」
「すみませんけど、王子様でも手加減はあまり出来ませんよ? 私これでも今かなり怒ってますから。後で不敬罪とか言わないでくださいね?」
「それは無い、この場の決闘は非公式だ。つまり一歩外に出れば、この決闘その物が無かった事になる。だが一つ言っておくが、あまり私を舐めない方が良い。先に言っておくが、非公式なだけに、この決闘は何でもありだ。つまり魔法を使っても構わない。出力は制限させて貰うがね」
「出力、つまり外面ではなく、内面に働く魔法なら制限はされないって事ですね?」
「そう言う事だ。成る程、君はかなり頭が良いようだな」
「お褒めにあずかり光栄です。序でに言っておくと、身体強化魔法が得意なようですが、それは私には通用しませんよ?」
「何!?」
ライオネット様は酷く驚いていた。
「解らないとでも思います? 私錬金術も少し勉強してたんです。何しろ元は本当に貧弱な身体なんで。
この部屋、魔吸石で出来て居ますよね? つまり放出される魔力を吸い続ける。これが制限の理由。だから放出系魔法はあまり大きな効果が得られない。
逆に内面に働く魔法は一切制限を受けない、つまりここで闘うのに一番有利な方法は、部屋の広さから考えると近接戦闘、そして身体強化魔法が使える者になります。その条件下で一番強い者、つまりその該当者があなただと言う事になります」
「そうか、君は確か聖女候補であると同時に冒険者でも有るんだったな。伊達に冒険者はやって居なかったって事か。これは面白い、君は逸材だよ。わが国に君のような者が居ることを神に感謝しよう。だがそれが解った所で、君に何が出来る?」
「何でも有りなんですよね? つまり強化ポーションなどの薬類は使っても構わない」
「勿論だ、だがそんなポーションの存在など聞いた事が無いな」
「ライオネット様、情報不足ですよ? それでは戦に勝てません。戦の勝敗と言うのは何れだけ正確に相手の情報を先に得るかで決まります。王子である貴方にはそのあたりをキッチリ教え込む必要が有りますね。さてレッスンです、情報戦が何れだけ大切かというのを貴方の身体にキッチリ教えてあげましょう」
俺は拳を握り構えた。
「・・・武器は使わないのか?」
「何方かと言うと私はこれが得意何ですよ」
「大した自信だ。リーザ、初めてくれ」
「解ったわ、それではこれよりライオネットフォルテシア対アリスの決闘をはじめます。敗者は勝者の軍門に降る事、双方よろしいか」
「構わない」
「構いません」
「では初め!!」
ライオネットは一気に後退し、詠唱をはじめた。俺はそれをゆっくりと眺めた。
「な!? ・・・・何故攻撃してこない」
「早いとこ詠唱終わらせてください。待ってますから」
「舐めていると後で痛い目を見るぞ」
「さっき言いましたよね? 私に身体強化魔法何て意味ありません」
「そうか・・・ならば、くらってみるがいい!!」
ライオネットは一気に間合いを詰めてきた。確かに速い、驚くべき速度だ。俺はそれをギリギリでかわした。地面に剣が激突した場所を見ると、かなり抉られている。つまり速度だけでは無く、力も上がっていると言う事だ。能力値を平均的に上げる魔法何だろう。
今の所避けるだけで精一杯か、俺も身体能力は既にかなり上がっているんだけど、元が貧弱だからな。
バックステップを使い、その後バク転で一気に距離を取った。横にいる男が俺のパンツをスナイパーさながらの恐ろしく鋭い目つきでガン見しているのが見えた。本当に鋭い目つきだ、こいつはロリ認定させて貰おう。
「成る程、効かないと言うのは、高速で剣全てを避ける自身が有ったからか。ならばもう少し上げる必要が有るな」
「違いますよ」
「何?」
「これです」
俺はポーション瓶を2つアイテム袋から取り出した。
「ポーション!?」
直ぐにその二種類のポーションを飲んだ。
「セリーヌさん、これ持ってて貰えます?」
「え、ええ。解りました」
「パリンと落とすと格好良いんですけどね、ポーションの瓶高いからそれが出来ないんですよ」
「何故ポーションを飲む必要がある、特にダメージは負ってないだろう」
「今から解ります」
「そうか、ならば行くぞ!!」
突っ込んで来たライオネットの背後に素早く回り込み、俺は上段回し蹴りをライオネットの後頭部にぶち込んだ。ライオネットは錐揉み状態で降っとんで、壁に叩きつけられた。
「な!? 何? 今の速度、全く見えなかったわ」
「ち! いててて」
「流石ですね、あの蹴りを諸に食らって立ち上がったのはライオネット様が初めてです」
「な、何をした、いきなり速くなって力も増した」
「言ったでしょう? 情報不足だと」
「な!?」
「私聖女候補であり冒険者でもあり、薬師でも有るんですよ。身体強化のポーション、私それ作っちゃったんですよね!」
「な・・・何だと!?」
「それで今飲んだのが、速度を増すポーションと、力を上げるポーション。因みにこの可愛いポーチ、アイテム袋何ですよ。まだまだ色んな能力値を上げるポーション有りますよ? これが身体強化が私に効かない理由です。魔法って頭打ち有りますよね? でも私のポーションて頭打ち無いんです。飲めば飲むだけ上がるんですよ」
それは決定的な勝利宣言だった。




