9.星線の使い方
穿界の魔手、中枢区域───
広大なその部屋の中心にあるのは赤黒い力の塊だ。
これこそが、この世界の霊域核がアルファルドの壊滅によって変貌した姿である。
これに最早世界を維持する力などなく、むしろ世界に僅かに残る霊域核の欠片を同じ壊滅の力で染め上げることしかできない。
「───?」
そんな霊域核の成れ果ての傍らには、この世界の惨状の元凶であるアルファルドがいた。
「星闇神の気配が消えた……身体ごと滅ぼされたか?」
アルファルドはこの場から動くことが殆どできない。
この霊域核の成れ果てを放置すれば、まだ搾取できる残りの霊域核の欠片ごとこの世界を蹂躙し尽くしてしまう。
可能な限り力を蓄える……それこそが、アルファルドの望みへの近道だった。
そんなアルファルドは動けない故に外の様子は魔力の流れなどから大雑把にしか把握できない。
とはいえ一つの大きな力が潰えたことは解ったようであった。
「……まあ良い。奴は屍、所詮はただの傀儡だ」
ガロンは身体に残されていた残影からノアにその権能を託した。
だが少なくともガロンだけの力ではアルファルドの魂どころか命にすら届かないだろう。
壊滅というのはそれだけ強力なのだ。
「───ヴァディア」
「は」
アルファルドが唐突に名前を呼ぶとその瞬間にこの場に現れた金髪の壮年。
ガロンを一度滅ぼしたアルファルドの右腕、穿界軍元帥ヴァディア……
雷と光の権能を持つこの男は、現時点ではノア相手でも十分に勝機を見出せる存在である。
「……本来ならば私も出たいところだが、それはできない。奴を全力を以て滅ぼせ」
「承知……陛下、一つお聞きしたいことが」
ヴァディアはどのような状況であってもアルファルドの命令に従う。
だがそれはそれとして、聞きたいこともあった。
「何だ」
「奴は以前、ラフィナ相手でさえ死闘を繰り広げていました。それが今や我と対等に渡り合ったガロンをも下すとは……陛下、我は戦いを望みますが、陛下の理想を曲げてまでそうしたいと思ってはおりませぬ。必勝とは言わずとも、何か勝ち目を上げる策はないのでしょうか?」
「……」
ヴァディアは俗に言う戦闘狂だ。
戦い、殺し合うことを何より楽しむような、そんな狂った性格をしていた。
だが、そんなヴァディアでさえも守りたいと思う一線はある。
それこそが自らの主君、皇帝アルファルドの望みだ。
今のノアとヴァディアはほぼ互角と言っても差し支えない。
だからこそ、ヴァディアの戦闘狂としての一面はこのまま全力でノアとぶつかり合いたいと思っている。
しかし、彼もまたアルファルドの忠実な配下なのだ。
アルファルドの望みの為ならばそんな思考を捨てることも全く厭わない。
今回に関してはこれまでと比べても絶対に勝たなければいけない一戦……どんな姑息な策でも、ヴァディアはそれを利用しようとしていた。
「……」
そんなヴァディアの考えを完全に見抜いていたアルファルドは、小さく告げる。
「───ない」
「……は?」
想定外の返答にヴァディアは素っ頓狂な声を洩らす。
そんなヴァディアに畳みかけるようにアルファルドは再度言った。
「ない、と言った。好きに戦え」
「陛下、それは……いえ、感謝を」
アルファルドはその力もさることながら策士でもある。
ただ力にものを言わせるだけの実力至上主義全開の皇帝だったなら三千年もかけて霊域核を奪うなどという計画など立てていないだろう。
故に策など立てようと思えばノア相手だったとしても最低でも数個は頭の中にあるはずだ。
どれも不完全でやってみなければ解らない程度のものではあるが、少なくとも無策で挑むよりは遥かに良い。
それでもアルファルドはヴァディアにそれを告げることはなかった。
ただ単に不確実な策を取りたくなかったのか、全力で闘いたいというヴァディアの本心を見抜き、そちらを優先させたのかは定かではない。
それに関しては本当にアルファルド自身にしか解らないのだから。
「少し時間を置いても構わない。万全の体制で臨め。間違いなく、今の奴には我々の喉元に刃を突き立てる程の力がある」
穿界の魔手内部からでも感じた巨大な星線の渦とそれを一撃のもとに瓦解させた虚無と矛盾。
アルファルドであれば『星渦闇宮』も無傷で凌げただろうが、世界全土を守るという異次元の離れ業はおそらくできない。
いくら壊滅が守護と対極に近い力だとしても、それを成し遂げてしまったノアの現状の力を最大限警戒している。
「は、では……」
「───ああ、待て」
「何か……?」
そう言って立ち去ろうとするヴァディアをアルファルドは引き止める。
アルファルドは振り返ることなく、左手のひらに魔力を集中させた。
そこに壊滅の力は宿っておらず、出現したのはなんの属性も持たないただの魔法陣だけ。
だが、その魔法は───
「───『神撃』を与える。上手く使え」
「ッ!?」
その魔法陣はヴァディアの魂に吸い込まれるように消えていく。
「……宜しいのですか?」
「私には使い道が限られている。出力に多少の差はあれどお前が使った方が有用だ」
その魔法が一体何なのか……それはこの後、ノア達も知ることになるだろう───
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「これはまた……凄い惨状だな」
グラエムに戻ってきたノアの第一声がそれだった。
今ノアがいるのはグラエム外郭……都市を囲む広大な耕作地のど真ん中。
その場所には、巨大な岩が降ってきた跡が大量にあった。
「『終極之太刀』でバラしたはいいものの、その残骸がこの近辺に落ちてきたのか……まあ何にせよ、人的被害はなさそうで良かったが……」
ざっと見た限りでも数十はあるクレーター。
落ちてきたのは数メートル規模の岩ばかりだったのだろう、周囲一帯を吹き飛ばす程のものは見たところ存在しない。
「それにしても、クレーターしか残っていない……落ちてきた岩はどこに……?」
「おお、ノア君か」
「……アルテマ?」
聞き覚えのある声が聞こえ、ノアが後ろを振り向く。
そこには数名の部下を引き連れたアルテマが立っていた。
「……君がここにいるということは、かの存在との決着はついたようだね」
アルテマにはガロンのことを少しだけ話していた。
ノアが戦いに向かったことを知っている以上、グラエムに戻ってきたということはその戦いが終わったということを意味する。
「ああ……あいつとの戦いは終わったよ」
ノアもまた、その言葉だけを返した。
その様子を見たアルテマは小さく微笑み、話題を変える。
「安心していい、人的被害は皆無だ。君の盟友は、間違いなく誰も殺していないさ……ま、運が良かっただけではあるけれどね」
「……都市部にこの規模のものが落ちていれば死人が出ていた、か」
「エルナなら防げたかもしれないが、今のところ影魔法は未知数なことが多い。それに頼りきるというのは不安要素が尽きないからね。依然として都市最強は彼女だが、今の彼女は近接戦闘以外では戦力として数えない取り決めになっている」
「まあ……妥当といえば妥当だな」
灰燼の力を失い、影の力を得たエルナ。
力の使い方を熟知していないこともあり、彼女の影魔法は未だに解らないことが多すぎる。
故に特に変化のない魔法以外の戦闘能力を除き、エルナは戦力として数えられていなかった。
これは他でもないエルナが決めたことである。
「それにしても……随分と落ち着いているね。こう言うと悪く聞こえてしまうが、盟友の屍を君自身の手で滅ぼしたということなんだろう?そう落ち着いていられるものでもないはずだ」
アルテマの言葉はきっと正しいのだろう。
必要なことだったとはいえ、大切な存在を自らの手で滅ぼすというのは常人には耐え難い心の苦痛となる。
ノアはそれを背負ってもなお前を向こうと落ち着いているのか、そもそもそんな苦痛を感じない程感性のネジが飛んでいるのか……
あるとすればこの二択だが、ノアのことを一部でも知るアルテマはノアに限って後者は有り得ないと断じていた。
「落ち着いている、か……そうだな、確かにそうだ」
ただガロンの身体を滅ぼしただけだったならこうも落ち着いてはいなかっただろう。
「滅びる前に強く想いを込めたものには、その存在の残留思念のようなものが残る……ガロンその身体が滅びる寸前、俺の盟友、星闇神ガロンとしての意識を一時的に取り戻したんだ。そして、あいつはその権能を俺に託した……」
託された……故にノアは前を向く。
後ろを向くことは許されない。
ユキの想いが、エルナの救いが、ガロンの言葉が、それを許してくれない。
だが、それでいいのだ。
それを全て背負うと決めたのは、他でもないノアなのだから。
「俺はもう後ろは向かない。全てを救うその日まで、前だけに進み続ける。たとえその道に絶大な苦痛が待ち受けていたとしても」
それはノアの本心であり、己に課した使命でもある。
前世の罪、今世で受け取った願い……
背負うと決めたことを、覆すわけにはいかない。
「……そうか、それが君のこれからを左右する答えなんだね」
それだけ聞くとアルテマはノアに背を向ける。
この話はここで終わったのだと、そう感じたからだ。
「さて、先程も言ったように今回の件で人的被害はない。とはいえ、耕作地の二割近くは隕石の破片によって使い物にならなくなってしまったみたいだ。まあ岩はもうすでにどかしてあるし、食糧難になることはまずないだろう」
備蓄している食料も豊富にあるはずだ。
それの一部を解放すれば、岩によって使えなくなってしまった耕作地が元通りになるまではどうとでもなる。
「土や植物に関する魔法は私とクレスの管轄……この耕作地の修復は基本的にこの二人で行う。その分、王としての仕事はエルナとジェラルドに回ることだろう。これから私達四王は特に忙しくなる。本格的にそうなる前に、エルナとちゃんと話しておくべきではないかい?」
ガロンと戦う前もエルナの仕事やノアの魂の修復などでどちらもあまり時間が取れず、二人で話す時間というものは殆ど取れなかった。
それ故のアルテマの親切心だろう。
「そうだな、その時間は取りたいと思う。おそらくだが、ヴァディアもアルファルドもすぐには攻めてこないはずだ」
ヴァディアの手傷はノアもある程度知っている。
再生の権能も持たないあの二人しかいないのであればまだ完治とまではいっていないと断言できる。
それに加え、時折穿界の魔手が振動するというのをノアは感じていた。
取り込んだ霊域核の問題かはグラエム近辺からでは探れないが、間違いなく魔手自体が不安定になっている。
あれを造れるのはアルファルドしかいない。
同時にその調整をできるのもアルファルドだけだ。
つまり、アルファルドは未だにあの場から動けない。
偶然が重なったが故の僅かな休息の時間。
その間にノアはガロンとの戦いで再度傷ついてしまった魂を修復しなければならない。
星と常闇の権能を得たが故に以前よりは一人でもやりやすくはなったはずだが……
(……そうだ、この権能……)
そこでノアはガロンから継承された権能の真価を改めて確認する。
「……私はそろそろ行くとするよ。暫しの休息、しっかりと休むことだ」
「ああ、ここのことは頼む」
部下を引き連れてアルテマがノアのもとを立ち去る。
ノアはしばらくした後、都市の中心部に向けてゆっくりと歩き始めた。
その間も権能の真価について考え続ける。
(星と常闇に、存在と事象を結びつける星線、それによる結果の確定……)
過程がどうなるかは操作不能とはいえ、望んだ結果を事前に確定できるというのはやはり強い。
問題は相手によってはノアがやったように星線を切断できてしまうということだが……
(ヴァディアはともかく、アルファルドは間違いなく星線の影響を受けることはない。壊滅は虚無以上に他を滅ぼすことに特化している)
存在、非存在関係なく全てを巻き込んで滅ぼし尽くす……それこそが壊滅の権能の本質。
ノアが使おうとガロンが使おうと、星線如き周囲に漂う壊滅の覇気だけで消滅することはまず間違いない。
(本人に通用するわけがなく、その周辺でも使う前に滅ぼされ、線は切れる……)
今の出力だけでは虚無であろうともアルファルドには届かない。
故に他の力……それこそ星と常闇の権能の一部であり、未来の事象を決定させる星線を含めた全ての権能を上手く使わなければならない。
(……待て、ヴァディアは確か雷と光の権能を持っていたはずだ)
そこでノアは重大な障害に気づく。
これまで意識すらしていなかった、見落としてしまっていたその障害に。
「……" 光"?」
それは、ヴァディアの持つ権能の一部。
「星は、恒星だ……そこには当然、光が生じる……」
ノアがガロンから継承したのは星と常闇の権能であり、星には光が含まれる。
雷と光の権能を持つヴァディアにとって、光はあくまでも操作可能な対象に過ぎない。
つまり───
「星は、ヴァディアに効かない……?」
その仮説が正しければ星線すらもヴァディアに操られる可能性がある。
そうなればこの権能で使えるのは常闇のみ。
十分強力な力ではあるが、星の力が使えないとするならばその総力は間違いなく半減する。
「……使い方を考えなければ、負けるのは俺の方だ」
界律の権能がどこまで通用するかは未知数。
虚無ならば可能性はあるが、前世よりも遥かに弱化している現状ではそれもどこまで通じるか解らない。
殺意は……その時の感情によって大きく左右される。
ガロンを滅ぼしたことに対して殺意を感じられればどうにかなるだろうが、追憶の試練にて前世の記憶を取り戻した今のノアはアルファルドやヴァディアに殺意を向けられないでいた。
ヴァディアは戦闘狂ではあるものの義理堅い精神を持つ。
アルファルドの意向ならば喜んで魂を捧げるだろう。
そしてアルファルド……
「……あいつにはあいつの正義がある……それを殺意で塗り替えることは、できない……」
良くも悪くもノアの根幹は善。
理由と決意のもとにその思想があるアルファルドをただ憎むことは、もう今のノアにはできない。
アルファルドの思想……過程こそ違えど、その根幹はノアと同じなのだから。
「救済の為の犠牲、か……」
アルファルドは本気でこの世界を滅ぼすつもりだ。
だがその理由は明白。
あくまでも、アルファルドは『己の世界を救う為』……それだけの目的で動いている。
穿界の魔手を開発し、この世界に侵略……それすらも、全てはあの世界を救いたいから。
他世界の霊域核の全てという莫大な力を使えば、不可能ではないかもしれない。
「デネスを滅ぼせばどうにかなると、あいつは考えているんだな……」
ノアも元々はアルファルドと同じ世界の出身だ。世界の置かれている状況は完全に理解している。
あの世界の神、邪印デネス。
デネスが世界の理を改変し、世界の住人のほぼ全ての思想が捻じ曲げられた。
それはノアが生まれるよりも何万年も前の話だ。
デネスの改変によりゆっくりと、しかし間違いなく世界は滅びへの一途を辿った。
そして……もう間もなく、あの世界は滅びる。
アルファルドはそれの阻止の為に他の世界から力を、霊域核を奪って力をつけようとしているのだ。
全てを救う為に足掻くノアと、自身の世界を救う為ならば他を滅ぼすことも厭わないアルファルド……
この二人には、明確な違いがあった。
だが───
「違う……違うんだよ、アルファルド……」
ノアは全ての真実を知っている。
アルファルドさえも知らない、あの世界の置かれた状況を。
デネスは間違いなく直接的な原因だ。
だが、あくまでも直接的な原因であるだけに過ぎない。
その裏に、奴がいる。
「レノン……あいつがいたから、俺は……」
デネスだけなら前世のノアなら簡単に滅ぼせたのだ。
それをしなかったのは、デネスを滅ぼしても無意味だったから。
レノンの干渉を受ける限り、世界に救済など訪れることはないのだ。
「……まずは、ヴァディアのことからだ」
何にせよ今勝たなければ全ては泡沫の夢である。
何を救済するにしてもこんなところで滅んでいては無意味なのだから、今後のことを考えている余裕などない。
「星線には、別の使い方がある……それは間違いない」
事象の確定は強力だが、それだけではないはずだ。
何故ならば、星線の力がそれだけだったならば未来の権能とそう大差がないから。
星線はもっと強力なはず。
「屍として、意思なき力の塊だったガロンでさえもこの使い方はできたんだ。応用は絶対にある」
屍のガロンにノアは勝利した。
だがそれはあくまでも屍だったから。
もしもガロンに意思がある状態で本気で滅ぼし合ったのなら、結果はまた違っただろう。
そう、それ程の力なのだ。
(星と星を繋ぐ、星座の線……それが星線。実体はなく、それは実質的に虚無に近い非存在。結果を結び、決定する力……その過程は指定できないが、魂のような非実体にすらも結びつけられることができる……)
ノアは思考の中で星線の持つ能力について纏める。
(……過程?)
そうして、一つ気づいた。
(過程は指定できない……それはガロンがやった通りだったはずだ……)
『矛盾概渦』に巻き込まれた星線は切れなかった。
だが同時に、渦に巻き込まれて過程が大きく捻じ曲がっていたはずだ。
(……まさか)
ノアがそこまで辿り着いたその時───
「ノア様っ!」
その声がこの場に響いた。
「……エルナ」
「はい……ご無事だったんですね……」
「ああ、ガロンとの決着はつけてきた」
アルテマから聞いたのだろう。
部下を引き連れることなく突然この場に現れた。
アルテマから『念話』を通じてノアがここにいることを知り、『空間転移』でここまで来たと考えていいが……
「ご無事で、なによりです……!」
そうしてノアの胸に縋り付くように抱きつくエルナ。
それを正面から抱きしめつつ、ノアは思う。
(こうしてくれるのは親として嬉しいが……忙しい身で仕事を放り出して大丈夫なのか……?)
無断で飛び出してきたのなら今同じ仕事をしているであろうジェラルドの心労が伺える。
少しして身体を離したエルナは小さく息を吐き、ノアへと告げた。
「改めて……おかえりなさい、ノア様」
その言葉を受けたノアは口元を綻ばせ、明るく笑ってみせた。
「ああ……ただいま、エルナ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「さて……」
あれからノアとエルナは共にヴァンデラ跡地へと転移し、エルナは四王としての仕事へ、ノアは新庁舎の一室へと戻った。
そこでノアはエルナに出迎えられる前までの思考の続きを始める。
(過程の操作……できるんじゃないか?)
星線は思いの外万能だ。
何でも……とまではいかずとも、できることは多い。
(星線の繋ぐ対象は一つじゃなくてもいい……だとするならば最終的な結果はそのままに、その過程を別の場所に繋げることも……)
考え方はそう難しくはない。
二つの点を繋いだ糸を引っ張り、三点目で固定するようなもの。
それの数を増やしていけば、それは実質的に過程を指定できると言っても過言ではない。
(時間にまで干渉できるわけじゃないが、過程を辿ることで敵を追い込むことはできる……はずだ。それが可能ならば、あとは俺の戦闘技能だけでどうにでもなる……!)
これこそが、星線の本来の……そして新しい使い方。
ヴァディアやアルファルドにどこまで通用するかは解らない。そもそも無意味かもしれない。
それでも、その力は依然として強力……ならば使ってみない手はない。
「……絶対に届かせてみせる……この力でヴァディア、お前を墜とす……!」
その宣言こそがノアがガロンへと立てる誓い。
世界はそれを、静かに聞いていた。
想いを繋いだ星線の真価───
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