呼び出されたその目的は...
いよいよ明日からは修学旅行が始まる。
私は今それに必要な荷物を自室でまとめているところだ。
うーん、たった3日間の旅行だけど色んなものを持っていきたくなっちゃう。
そんなことを考えていると、どんどんと階段を上る音が聞こえた。
その音はだんだんこちらに近づいている。
コンコンッ
そして私の部屋の前に誰かがきた。
誰かと言ってもその元気な音に多分優か双葉だろうな、なんて予想をしてしまう。
「はーい」
ガチャ
勢いよく扉が開かれ、そこで顔をのぞかせているのは我が弟ながら綺麗な顔立ちをしている美少年。
(ほら、やっぱりね!)
だてにお姉ちゃん何年もしてないのよなんて自慢げな顔になってしまう。
「姉ちゃん!今大丈夫?」
私の予想通り元気よく私の部屋に入ってきたのは優だった。
そう笑顔で聞く顔は何か企んでいる時のような顔をしている気がする。
「だいたい荷物もまとまってきたし大丈夫だよ!どうかした?」
「良かった!とりあえずリビングきて!」
私の質問には答えずそれだけ告げて優はまたドタバタと階段を降りていった。
なんだろうか?と思いつつ、私も荷造りを止めて優の後を追うことにする。
そしてリビングに入るとよく分からない光景が広がっていた。
まず目に飛び込んできたのはホワイトボードだ。
私が部屋に戻る前はこんなホワイトボードなかったはずなのにそこには堂々と置かれている。
そして次に驚いたのはそこに書かれていた文字。
『第1回姉のための家族会議』
(んん?姉のための家族会議???)
「あ、お姉ちゃん来てくれてありがとう!そこに座って」
そう双葉に指さされた場所はいつもみんなでご飯を食べている食卓だ。
いつもと違うのはその目の前にホワイトボードが置かれているということ。
既に瞬、優、怜は着席していて、ここに座ってと私を促している。
とりあえずよく分からないまま私は指定されたところに座ることにする。
「じゃあ全員揃ったことだし始めたいと思います!第1回姉のための家族会議!」
そう言ってホワイトボードの前に立ち双葉は司会進行を始めた。
その言葉にみんなが 「わーい」 と拍手をしている。
私もそれにつられて拍手をした。
ん?
「...ってちょっと待って!これは一体何!?」
「え、だからお姉ちゃんのための家族会議だって!」
双葉は見たら分かるでしょって顔をしている。
そんな顔されてもお姉ちゃんは現状を受け止められてません。
「まずそのホワイトボードは...?」
「あ〜これはホワイトボード使いたいなぁって呟いてたら石崎さんが用意してくれた」
いや、ほんとにあのマネージャーさん双葉に弱いな!
その優しさが石崎さんのいい所ではあるんだけども...。
「それでこれは一体なんの会議なの?」
「まぁまぁそれは今から説明していくから、お姉ちゃんは大人しく聞いててください」
そう言われてしまえば何も言い返せない。
とりあえず前に座っている双子たちはなにやらにこにこしてこちらを見つめている。
瞬は相変わらず何考えてるかわからないけど、目が合うと微笑んでくれた。
「はい、まず本日の議題は...『お姉ちゃんに気をつけてもらいたい修学旅行の約束』です!皆さん知っての通り、我らが愛しのお姉ちゃんは明日から修学旅行へ行ってしまいます。そこでみんなでお姉ちゃんには絶対気をつけて欲しいことについて話し合おうとういことで集まってもらいました」
そうテレビの司会者並みに双葉は進行を進めていく。
さすがバラエティにも出ているだけあって上手い。
ほかの弟たちはみんなそれを楽しそうに見守っている。
(何かテレビ番組でも始まってる気持ちだわ。てかこの議題は一体なんなんだ...)
そんなことを思っているゆかの思いは蚊帳の外で家族会議は始まっていくのであった。




