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初めての感情 (一条 綾人 視点)




俺は小さい頃から女の子が大好きだった。

軽い気持ちでいろんな女の子と付き合っていたし、みんなかわいいと思ってた。

だから正直本当の恋とか分からなかったんだ。

どんな子でもかわいいと思えたし、だからなのか誰かと付き合っても長続きすることはなかった。

いつも同じ理由でふられてたんだ。


「私のこと本当に好きじゃないでしょ?」


って...。


ちゃんと好きだとは思ってたんだ。

でもその好きはどの女の子に対しても同じ気持ちだった。誰か一人を思うって気持ちが分からなかった。


だから君と出会ったあの日の衝撃は本当に大きかったんだ。

転校してきたあの日、俺は天使を見つけた。

教室を見回して今回のクラスも女の子がみんなかわいいなんて軽いことを思っていた時だった。

周りの女の子たちがかっこいいなんて言ってくれる中で、彼女はぼーっと俺のことを見ていた。

そんな彼女は綺麗な黒髪で目はぱっちりしていて、今までにあったことのない衝撃だった。

だからつい天使がいるって叫んじゃったけど、彼女の驚いた顔でさえも愛おしく感じたんだ。


普段から誰かと仲良くなるのはすぐにできるタイプだけど、彼女はなかなか手強かったなぁ。

あの周りの男子たちのガードの強さ、1番はあの弟くんだけどね。

転校してすぐに琴葉ちゃんが俺に教えてくれたんだ。


「ゆかちゃんの周りにいる男子はだいたい君のライバルだよ」


ってね、その言葉で余計に俺には火がついた。

なんてったってあの時周りにいたのはクラスの正統派な感じのイケメンに妙にゆかちゃんと仲良さそうなやつだったから。


焦って告白しちゃったけど、こんなに誰かのことを好きだと思ったのは初めてだったんだ。

早く彼女にも俺のことを好きになって欲しかったんだ。


そして隣の席で彼女を見ている間に彼女の性格も知っていった。

彼女は顔だけじゃなくて性格までいいんだ。

こんなの惚れないやつなんていないだろ?

俺が猛アタックしていても戸惑いながらも笑ってくれるその顔が好きだった。


まぁ俺が入った陸上部にあの弟くんがいたのはびっくりしたけど。

最初から瞬は俺に敵意むき出しだったな。

俺が何言っても無視だし、でも悪いやつではないから憎めない。

ゆかちゃんのことなしで仲良くなりたいって思ったんだ。今は攻略中だ。


そして俺はゆかちゃんにふられた。

ゆかちゃんはすごく緊張していて、勇気を振り絞ってくれたのがすごく伝わった。

俺はそれを見てつい手を握ってしまったけど、嫌な顔せずに受け入れてくれた。


彼女の言葉は俺の胸につきささった。

友達でいたいって言う言葉は俺にとっては少し残酷だけど、なかなか男子と接するところをみない彼女にとっては大きな存在なんだろうと思った。

だから素直に嬉しい気持ちもあったんだ。


でも初めての恋は諦められそうにはないや。

彼女を見る度好きだという気持ちが込み上げてくる。

もっと触れたいって強く思う。

彼女の笑顔をずっと隣で見ていたいって心にしがみついて離さないんだ。


実は君が誰のことを思っているのか気づいてしまったんだ。

本人はまだ気づいていないみたいだけどね。

ずっと見ているからこそ気づいてしまうことだ。

きっと琴葉ちゃんも気づいているんじゃないかな?

彼女は自分が思っているよりずっと分かりやすいからね。

でも琴葉ちゃんはゆかちゃんに自分で気づいて欲しいだろうから言わないだろうな。


ずっと気づかなかったらいいのに。

君の幸せを何より願うけど、自分勝手なこの思いをいつか受け止めてほしい。そんな思いが自分の中にはずっと残っているんだ。


だから俺はこれからも好きでいるよ。

いつか振り向いてもらえるように。

あいつよりも好きになって貰えるように。






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