初めての委員会
キーンコーンカーンコーン
学校のチャイムが鳴り先生が入ってくる。
さっきまで賑やかだったクラスが静かになった。
今日もいつも通りの朝だ。
「えー今日の連絡何かあったかなー」
そう言いながらペラペラと連絡用の紙を担任の先生がめくっている。
うちのクラスの担任は基本的に覇気がない。
でも生徒からは信頼されているし好かれている。
「あ、そうだそうだ。イベント委員放課後集合らしいぞ。うちのクラスは誰だったかな...」
ん?えっ...今イベント委員って言った!?
もしかして私が入ってるイベント委員!??
そう思いながらも
「多分私です」
と手を上げる。
「あー成瀬か。じゃ放課後会議室集合だからよろしく」
そう言って先生は教室を出てった。
相変わらずの興味のなさそうな感じだ。
「ゆかちゃんイベント委員だったんだ。てかイベント委員って何するの?」
と前の席の琴葉ちゃんが振り返って聞いてきた。
「それが...初めての仕事なの。去年からやってたんだけど1度も仕事なんてなかったから」
「え、ほんと!?」
そう本当に何も知らない。
というかイベント委員というよく分からない委員には半ば無理やり瞬に入れさせられた。
当時中学生だった瞬がなんでうちの高校の委員会知ってるのかは謎だったけど。
理由はクラスで1人だけで男子と一緒になることがないからと言っていた。
「めちゃめちゃ不安なんだけど、他のクラスに誰か知り合いいてくれないかな...」
そんな憂鬱な気持ちで授業を受け、あっという間に放課後だ。
(なんか今日はいつも以上に授業が早く感じた)
そう思いながら重い足取りで会議室に向かう。
会議室の前につくとそこに奏ちゃんがいた。
「奏ちゃん?」
「おう!ゆか!もしかしてゆかもイベント委員?」
「そうなの!奏ちゃんもなの?知ってる人いて安心した」
どうやら奏ちゃんも一緒の委員会らしい。
奏ちゃんがいるならとても心強い。
そっと胸をなでおろしながら会議室に入る。
「ねぇ奏ちゃん、今日なんで集まったか知ってる?」
そう聞くと奏ちゃんは少し呆れたように笑った。
「お前そんなのも知らずにきたのか?今日はイベント委員の唯一の仕事である修学旅行についての会議だよ」
「修学旅行!!?」
そう言えばうちの学校は夏頃に修学旅行に言っていた気がする。
沖縄か北海道どちらかに行く予定だったかな。
多分それを決めたりする会議なんだろう。
ゆかの予想通り、行く場所や注意事項の整理のための会議だった。
そして奏はイベント委員長になっていた。
(さっすが奏ちゃん!やっぱり信頼されてるんだな〜)
と幼馴染の活躍に少し自慢げになる。
それにしても奏ちゃんとこんなに長く居られるのはいつぶりだろ....?
もっとたくさん話とかしたいな〜。
そう思いながら会議は進んでいく。
イベント委員の仕事はそんなに難しくはなさそうだった。
とりあえず明日クラスのみんなに連絡事項を言うだけでいいらしい。
それからのことは随時会議していくっぽい。
(また集まるってことはその度に奏ちゃんに会えるってことだ...! 嬉しいなぁ)
「よし!これで今日の会議は終わり!解散!」
そう奏ちゃんが言うとほかのクラス委員たちはぞろぞろと帰っていった。
私は奏ちゃんに呼ばれ奏ちゃんの方へと向かう。
「ゆかもう暗いし送ってくよ。瞬にも頼まれてたし」
「え、ほんとにいいの?奏ちゃん家反対方向じゃない?」
奏ちゃんは高校入る前に引越しをしていた。
昔は徒歩で行ける距離だったけど今は学校を挟んで反対方向だったはずだ。
「全然大丈夫!ゆかに何かある方が怖いしな」
そう奏ちゃんは言いながら頭をポンポンとしてくる。
奏ちゃんの大きな手は安心する。
「行くか」
そう言いながら奏ちゃんは歩き出した。
追いかけて私も奏ちゃんの隣を歩く。
(奏ちゃんほんとに大きくなったな〜。昔はそんなに身長変わらなかったのに)
幼馴染の成長を隣で感じる。
私たちは学校のこととか家のこととか何気ない話をして帰った。
いつもは少し長く感じる帰り道もあっという間だった。
そして私の家の前に着いた時
「ゆか、困ったことがあったらいつでも俺を頼れよ」
そう言って帰って行った。
奏ちゃんはこの言葉をよく言う。
昔から私は辛いことがあった時いつも奏ちゃんを頼っていた。
弟たちにはなかなか弱音を吐きたくなくて溜め込んでいてもすぐ気づいてくれる。
私にとって本当に信頼できる兄のような存在なのだ。
(この関係が途切れることなくずっと続いて欲しいな)
そうゆかは奏の背中を見送りながら願うのだった。




