夜の訪問者
「ただいま〜」
「あ!おかえりお姉ちゃん!·····って優も一緒なのか」
出迎えてきてくれたのは双葉だった。
エプロンをつけているから晩ご飯の支度をしていたところだったのだろう。
「そう!帰りにたまたま会ったの」
「なるほど!てかすごい荷物だけどどこか行ってたの?」
「俺と姉ちゃんで放課後デートしてきた!双葉兄ちゃん羨ましいだろ」
優はそう言いながら自信たっぷりに自慢している。
「なにー!?それは羨ましい。優だけずるい」
双葉はぷくっとほっぺたを膨らましてちょっと拗ねてるみたいだ。
「じゃあ今度は双葉も一緒に行こうね」
そう言うと
「うん!僕もお姉ちゃんとデートする」
と言いながら抱きついてきた。
「今日も仕事疲れたからお姉ちゃんチャージ中〜」
ちょっと抱きしめる力が強くなる。
「それはお疲れ様!晩ご飯も作ってくれてありがとね。えらいえらい」
「うん!喜んでくれるから僕頑張れるの」
「でも無理してない?疲れた時は素直に頼ってね」
そう言いながらぽんぽんと背中をたたくと、安心したように目をつぶっている。
双葉は最近ほとんど毎日仕事に行っている。
街中を歩いていると、双葉のポスターとかが置いてある。それを見るといつも不思議と双葉を遠く感じてしまう。
それでもこうして家では甘えてくれるのが素直に嬉しい。
(背が高くなってもどんなに人気になってもやっぱり可愛い弟だよなぁ·····私ももっと双葉の負担を減らせるように頑張らなきゃ)
「よし!チャージ完了!じゃあもうご飯できるから着替えたら来てね」
そう言いながら双葉はキッチンの方へと戻っていった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
着替えてリビングに向かうとすごく美味しそうな匂いがした。
そしてほかの弟たちはもうみんな席に着いていた。
「わ〜今日も美味しそう...!」
「えへへ今日のは自信作なんだ〜」
そう言いながら双葉が料理を運んできてくれた。
「よし、じゃあ食べよ!」
「「いただきまーす!」」
そう言って私たちは食べ始めた。
もうどれも美味しくてさすが双葉だ。
私たちはたわいのない話をしながら食事を楽しんだ。
優はずっと私とデートをした自慢ばかりしてたけど。
よっぽど嬉しかったのだろう。
そこまで喜んで貰えると私まで嬉しくなる。
その後私たちはそれぞれお風呂に入り、自室に戻りもう寝る時間になっていた。
(ふ〜今日はほんとに楽しかった!はやく優に選んでもらった服でお出かけしたい)
そうして眠ろうとした時、コンコンとノックの音がした。
「はーい」
ガチャっとドアを開けて入ってきたのは怜だ。
「怜?何かあったの?」
そう聞くと少しうつむきながら
「なんだか眠れなくて...一緒に寝てくれない?」
と聞いてきた。
怜がこの時間まで起きてるなんて珍しい。
よっぽど眠れないんだろう...。
「いいよ!こっちおいで!!」
そう言うと怜がこっちにトコトコとやってきて布団に入ってきた。
枕も持ってきてて準備万端だったらしい。
(ちょっときついかも...もう怜も身長私に追いつきそうだもんね)
あんなに小さかったのに...と弟の成長を感じる。
「ねぇ怜苦しくない?大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。姉ちゃんとくっついて寝れるから嬉しい」
そう言いながら私を抱き枕のように抱きしめる。
こう見るとまだまだ甘えんぼうの子供のようだ。
(でも寝れないなんてどうしたんだろう...)
「何か悩み事でもあるの?怜が眠れないなんて珍しいから」
「なんか急に不安な気持ちになっちゃっただけなの、心配かけてごめんね」
「いやいいんだよ。私も久しぶりに怜と寝られて嬉しいし」
そう言いながら私も怜を抱きしめ返す。
怜はすごく勉強に対して努力家で成績優秀だ。
この前もテストで1位を取ったと言っていた。
やっぱり疲れとかもあるのかもしれない。
そんなことを考えていると怜の寝息が聞こえてくる。
安心したように眠っているのがかわいい。
「今日もお疲れ様」
そう呟きながらゆかも眠りにつくのだった。




