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まさかの遭遇


ある日の帰り道ゆかは1人で帰っていた。

いつもは琴葉ちゃんと帰っているのだが、今日は用事があって一緒に帰れないらしい。


(1人で帰るのは久しぶりだなぁ。瞬になるべく1人で帰らないでって言われてたけどこればかりは仕方ないよねぇ)


···ってかもう高校2年生なんだから1人で帰れるよ!

瞬は私のことになると過保護になる。

どっちかっていうといつもぼーっとしてる瞬の方が私は心配だ。


そんなこと考えながら歩いていると聖くんが前に歩いているのが見えた。緊張するけど声掛けてみようかな...

深呼吸をしてひと息ついてから声をかける


「ひ、聖くん?」


少し遠慮しがちに声をかけると聖くんが振り返ってくれた。


「あ!成瀬さん!今日は1人なの?珍しいね」


「そうなの!それで聖くん見えたから声かけちゃった」


「声掛けてくれて嬉しいよ。そうだ!途中まで一緒に帰らない?」


「ぜひ!」


(わ〜声掛けてよかった!てか聖くんも家こっちの方だったんだなぁ)


「そういえば聖くんこの前の集会みんなの前で堂々と話しててすごかったよ!」


「ありがとう!実は成瀬さんの方途中見てたんだけど気づいた?」


「え!?ほんとに目が合ってたの!?」


そう言うと聖くんは


「気づいてくれてたんだ」


と少し照れて笑っている。


(自意識過剰じゃなかったんだ...てかなんでこっち見ててくれたんだろ?)


ゆかは相変わらずの鈍感さだ。

聖くんのアピールに全く気づいていない。


「姉ちゃん」


突然後ろから声をかけられた。

そこに立っていたのは優だった。

いつも以上に怖い顔をしている。


「わ!優!こんなとこで会うなんて偶然だね!てか顔怖くなってるよ·····?」


「姉ちゃんその人誰?」


「同じクラスの聖くん。さっきたまたま会ったの」


「ふーん。とりあえず今からは僕と帰ろ?」


そう上目遣いをして聞いてくる。

この上目遣いにゆかは弱い。


「えーっと...」


「成瀬さん大丈夫だよ。少しでも話せて嬉しかった」


そう言いながら聖くんは微笑んでいる。


「じゃあまたね」


「あ、うん!また明日!」


(行っちゃった...)


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


その頃聖はと言うと...


(あ〜怖かった!成瀬さんちの弟はもしかしてみんなあんなに怖いのか...!?)


と内心ドキドキだったのであった。


(それにしても成瀬さんから声をかけてくれるなんて...)


隣を歩いている彼女はほんとに可愛かった。

少しずつ僕に心を開いてくれているのが伝わる。


(いつか成瀬さんの1番になれたらいいな。この調子でアピールして行かなきゃ!)


そう決心している聖だがそのアピールがまったくゆかに伝わっていないことに気づいていない。


(まぁ、今のままだと1番とか夢のまた夢だよな)


そう思いながらも幸せな気持ちで帰るのであった。

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