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The end of a play

 『北川さんは、何の罪にも問われない。七海がそんな表情かおをすることはない』

 北川さんの家を出た後、稀子がふいに振り返って言った。

「そんな顔、してる?」

 稀子の方が辛そうだよ――とは、言えなかった。

『北川さんは、善意から行動を起こした。そのアクションが、いいことなのかどうかはともかくな。夏奈は事故。佐々木春佳は無実。北川は罪に問われない』

 静かな路地に、稀子のミュールがたてる小さな足音だけが響く。すでに日は傾きかけていた。

『これが、事件の終幕だ』

 稀子が、うーんと伸びをした。

「稀子」

『うん?』

「佐々木さんに、報告しに行かなくていいの?」

 心配そうな僕を尻目に、ふわあっとあくび。

『もう、彼女は聞いているよ』

 そう言って、スマートフォンを差し出す。

「録音・・・・・・?」

『そう。録音して、リアルタイムで彼女の携帯に繋いだ。出来るだけ夏奈の傍にいたいだろうからな。これならハッキングした報道陣の携帯にも同時に流すことが出来る』

 画面を素早く操作して、稀子は録音モードを解除する。

 なんか、さらっととんでもないことを言ってないか?

『それに――』

 稀子が微笑んだ。今度はちょっぴり大人びた、優しい笑みだった。

『彼女も、泣きたいだろうからな』


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