妖精息子2の48
雷の王子は鼻白んで
「王子同士で協力か?まったく下劣な生まれ育ちは、やることまで下劣だな。われら王子が協力などしてどうする?この争いにおいては、最終的に一個体のみが王として生き残る。唯我独生、その他のものはみな殺しが鉄則だ」
「われらとは、価値観がまるで違うということだ」
火の王子のことばに、
金髪の王子は目をいからせ
電撃!
腕をふるうが、やはり純水は電気を通さない。
水の王子は、さらに雷の王子をくるむように巨大な水膜をつくる。
「火の王子。言われたとおりに用意したよ」
そのことばに、
ぷーすけは
「ああ、感謝する」
残ったわずかな力をこめた火球を、その水膜内に投じる。
とたんに、膜内の水分子は急速に高温化され
バンッ!!
水蒸気爆発を起こした。屋上に、すさまじい量の水蒸気がたちこめる。
「きみと前回やり合ったとき、これは攻撃としてかなり使えると思ったのでね」
「あたしとしては不愉快よ。自分の大事にしている水を粗末に飛ばされるなんてね」
佐和子は前回経験ずみだが、大田原教諭は初体験の轟音と衝撃にびっくり仰天。
「す、すごいわね」
目をパチクリさせている。ただ
「水分子自体は電気的に中性だから、その飛散を防ぐのは電磁気でもむずかしいでしょうね。たしかに有効な攻撃になりうる」
化学教諭らしい説明は加える。
(そうか!ぷーすけが待っていたのは絵里ちゃんじゃなくて、大田原先生とそれにひそむ水の王子・オンディーだったのか!?火と水を組み合わせた攻撃なら、雷の王子にも通用すると思って!)
「やった!やっつけたの!?」
よろこぶ佐和子だが、支える息子の表情は厳しい。
その視線の先、晴れていく大量の水蒸気・霧のなか浮かぶのは、寄せ集めの鉄筋コンクリート片からなる塊だった。




