オークさんに出会った
昨日は狂人に絡まれたり、白鯨の出現があったりと本当に濃厚な一日だった。
特にあの白鯨はどうにもならない存在だ。
勝てる気がしない、今の私では手も足も出ないだろう。
どうすれば、あの白鯨が倒せるだろうか…………
倒さなければ私の異世界のんびりライフの拠点の安全が確保できない。
本当にどうすれば、いいのだろうか……………
仙法を極めれば、あの白鯨相手でも勝つことができるのだろうか
神様から貰ったチートだけでは勝てそうにない
これは与えられたものだけでなく、自分の力で乗り越えろという神様からの課題なんだろうか
そんな答えの出ない思考を繰り返していると冒険者ギルドの前にたどりつく。
「今日こそまともな依頼があるかな」
「う~ん、どうでしょうFランクの依頼は微妙なものが多いですから」
「Fランクを早く抜け出したいね」
「ええ、そうですね。早くFランクから脱出して、より上のランクの依頼を受けたいものですね」
う~ん、微妙な依頼は嫌だなぁ。
ワクワクする依頼がほしいな……………
雑魚狩りはしょうがないけど、雑用だけはやりたくないな
依頼表を、期待を込めて見る。
~タヌキ退治~
内容:畑を荒らすタヌキを倒してください。
報酬:一匹につき1000G
対象ランク:F
依頼:受付までお願いします
討伐証明:タヌキの死骸
~家の猫を探して~
内容:リーニア内にいる猫を探してください
報酬:2500G
対象ランク:F
依頼:受付まで依頼表をお持ちください
証明:猫を受付までお持ちください
~オーク退治~
内容:青い森のオークを退治してください
報酬:一匹につき2000G
対象ランク:F
依頼:常時依頼のため受付の必要はありません
討伐証明:オークの右耳
注意:オークではなくハイオークがでる可能性があります
う~ん、なんか猫探しは嫌だし、タヌキ退治も面倒だしな、まぁオークでいいかな。
オークってイメージ的に女性を狙ってハァハァ言っているイメージがあるんだけど、大丈夫かなぁ。
まぁ何とかなるだろう…………
「アリューシャ、このオークの依頼でいいかな」
「ええ、私はこれでいいと思いますよ」
オークの依頼を受けることは決定。
トボトボと青い森を目指す。
オークかぁ、本当にこの世界のオークは私のイメージ通りなのかなぁ。
イメージ通りだと嫌だなぁ。
ほらボク、神様から美少女にしてもらったから、オークにハァハァ睨まれるのは気持ち悪いしね。
「ねぇアリューシャン、オークってどんな魔物なの」
「オークですか…………オークは基本的に豚の姿をした二足歩行の魔物で、他種族のメスをとらえて繁殖に利用します。まぁ私のような亜人の女性だけでなく、人族の女性からも敵として嫌がられている魔物です。冒険者は見つけしだい、倒すのが基本とされていますね」
「うん、イメージ通り……………」
青い森をフラフラしてオークを探す。
自分たちを餌にオークを探す………しょうがない………しょうがないんだけど……………なんだがなぁ
「ブヒィ…………グフィフィフィ」
いた…………オークだ
2mはある二足歩行の豚が気色悪い声で、ミラとアリューシャの身体を舐め回すような視線で、ノシノシと2人に近づいてくる。
「なんか……気持ち悪いんだけど。あとなんか武装しているんだけど」
「あれはハイオークで、Dランク相当の魔物です。あの武装は他の冒険者のものを奪ったものだと思います」
オークはいやらしい薄笑いを浮かべながらも、ジワジワと距離を詰めてくる。
気持ち悪い…………ゾワゾワする
こいつは女性の敵だ…………狩ったほうが世の中のためだろう
「それじゃ遠慮なく仙法”風刃“」
仙力によって自然を改変し、風の刃を生み出し、オークの首を狙う。
鋭い風の刃はオークの首を抵抗なく、切り飛ばす。
首が飛ぶと当時に首から鮮血があふれ出す。
アリューシャオークの頭を拾うと討伐証明の右耳を切り取り、麻袋へとしまう。
「ブヒィヒィ」
「「「ブヒィヒィ…………ブフィ」」」
鉄の鎧をつけて、槍を持った3匹のオークと、その後方に上位種と覆われるただならぬオーラのオーク。上位種のオークは鉄の鎧を身にまとい3m近い体躯に筋骨隆々とした肉体、自らの身長と同等の巨大な大剣を構え、手下と思われる3匹のオークに指示をだす。
「あれはオークジェネラル…………なぜこんなところに!?」
「オークジェネラルって、ハイオークの上位種だよね」
「はい………それに、あの3匹はハイオークですね…………」
「なんかボクたち運悪くない?」
「運が悪いというか最悪ですね」
まさか、こんなところでオークジェネラルと出くわすとは…………神様、もう少し運もよくしてくれないのかな…………はぁ
「まぁ、しょうがないかな」
「まぁ、しょうがないですね」
「それじゃ仙法“風塵”」
仙力によって風の刃が生み出され、ハイオーク3匹の首が切り落とされる。
「なんか、いけそう」
「はぁ………なんだがつっこむ気もなくなってきました」
「グブヒャ!?」
オークジェネラルは自らに起きたことが信じられず、パニックになる。
「それじゃ、仙法“風車”」
仙力によって肉体を強化した、ミラは前方に力強く踏み込み、身体をコマのように回転させ、オークジェネラルの首を刈り取ろうと迫る。
「ブフィ」
ミラの強烈な一撃を、オークジェネラルは大剣で受け止める。
何とか一撃を受け止めた大剣は粉々に砕け散る。
「う~ん、今のを受け止めるのかぁ」
「なんかいけそうですね」
「それじゃ、仙法”風塵”」
4匹のオークの首を切り飛ばしたように、オークジェネラルの首をたやすく切り飛ばす。
「それじゃアリューシャ、耳の回収、お願い」
「ハイオークは耳だけでいいですが。オークジェネラルは首ごと持っていきましょうか」
「アリューシャがいいなら、それでお願い」
「それにしても、弱かったね」
「あなたが強すぎるだけですからね」
「う~ん、そうかな」
****************************************
トボトボと冒険者ギルドへと向かう中、ふと思う。
ボク、少しずつ強くなってない?
これは仙法が身体に馴染んできたんじゃないんだろうか
そんなことを、考えていると冒険者ギルドへとたどり着く。
「すいません、オークの依頼を受けたんだけど。オーク以外といか、オークもどきを狩ってきたんだけど」
「え~と、オーク以外というと?」
「はい、これです」
アリューシャは麻袋にぎ詰まった耳と生首を受付テーブルにぶちまける。
アリューシャ………さすがにそれはないんじゃない…………
「こっ、これってオークジェネラル…………えっ、嘘!?」




