9:常連さんとみずの家
今日は店の常連さんが偶々勢揃いしている。
それぞれ、
桐谷さん、山田さん、内河さん、冴木さんの月様ファンマダム軍団。この世界の僕がお世話になっております……。
珈琲ゼリー好きでクールな印象、40代位の男性の八須賀さん。
パンケーキ大好き紺野さん。紺野さんは、仕事でアチコチ飛び回ってるのだそうで、東京に戻ってこられたら必ず“みずの”に来て下さる方だ。
何のお仕事をされているかは不明だが、ガタイが良い。年は僕や透と近いのかも?
瑞希は純喫茶みずの開店からの常連客。
水野姉弟とは幼馴染だって。最近仲良くさせてもらっている。区役所の別世界人保護課でお世話になったし、僕の事情も分かってくれてるから心強い。
彼はホットサンドセットをよく頼んでて……上手く隠しているけど、多分彩さんのことが好きだと思う。……勘だけど。
奈良原さんは彩さんの占い(!)のお客様。
占い以外の日にも珈琲を飲みに来て下さる。
この近くの会社にお勤めだとか。
そして多分、瑞希の事が気になっていると思う。
何時だって視線が瑞希を追っているから。
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オーナーの彩さんは綺麗な女性だけど、個性的でちょっと読めない所がある。
フリーだそうだけど、瑞希には“弟の友達”って感じの接し方なんだ。今は脈無しでもいつかは……って事があるのだろうか?
瑞希はイケメン、高身長で公務員で優しいからイイと思うんだけどな。
……透はね、動物にモテる。
本人は慣れてるからいいかも知れんが、他の人は大抵驚く。
だって、カラスさんや雀さん、(脱走した?)インコさん等空から透を見てるし。猫さんや犬さんは家の中から、路地から見ている。
森に透を解き放つと熊が現れるんじゃないかという不安があるので、ずっと東京の都市部にいてほしいものだ。
それで最近気が付いたんだけど、店に透がいると、窓から視線を感じるんだよね。透パワー。
この前なんて、猫さんかな?って思ってたんだけど、違った!
……猪だった。そう、街中に猪さん。
牙あるじゃん、怖!!
窓に前足を引っ掛けてコチラを……透を見ていた!
「さ、彩さん!!」
僕は慌てて区役所に電話してもらう。
だけど常連さんもみずの姉弟も動じない。
……慣れてるんだって。
でも、いつもの猫か犬か猿か猪かと思って余裕を持ってたら、玄関前にカミツキガメがいた事があるそうで。流石にその時は慌てたって。
慣れって怖いモノですね……。
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客商売をしていると、こんなに人や周りをちゃんと興味を持ったのはいつ頃振りなんだろうって思う。
高校振りかな?
僕は一つのことに没頭してしまう質だから、絵を描き始めたら絵しか見てなかった。
このところちゃんと見ているのは、僕が……絵を描いていないからなんだろう。
描かないのは、描くことで戻れないことを強く意識してしまいそうで怖いから。
トラウマへの心理療法で絵を描くこともあるらしいから、逆にやってみてもいいのかもしれないけど。
気が向いたら絵のことも考えてみたほうがいいのかな……




