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5:自己紹介

衣類を買って帰ってくるともう20時だ。

夕飯にピザを頼んだタイミングで、彩さんがリビングにやって来た。

「今日もお疲れさん、私!透、頑張った私を今日も讃えなさい!」

「麗しいおねぇさま、今日も素晴らしい働きぶりでした」

そう言うと透は拍手をしだす。

何が始まったのか……

「うん、うんありがとう」

彩さんは満足そうに頷いた。


引いてる僕に気が付いたであろう透が頭をかく。

「蒼、気にしないで。ウチの毎晩のルーティンなんだ。姉ちゃん、これやるとモチベが上がるんだって」

そうなんだ……まぁ、いいと思うよ。

僕はコクコクと頷いた。


✢✢✢✢✢✢✢


そうこうしているうちに、ピザが届いた。

「美味しそう」

「食べよう、食べよう」

「じゃあ、食べながら改めて自己紹介しましょう。

朝話しが出来なかったからね」

じゃあ、の意味は分からないが透と僕はコクコクと頷いた。


「じゃあ、私からね。

私は水野彩、純喫茶みずののオーナーをやってます。特技は占いね。オーラが視えるの」

オーラ……?


「俺は水野透です。水野探偵事務所の所長です。

宜しくね。姉ちゃんと俺は実はいとこ同士なんだ。

俺の親が小さい時に事故で亡くなってね、姉ちゃんのお父さん、叔父さんに引き取られたんだ。

それからは姉弟として暮らしています」

へぇ、探偵かぁ。カッコいいな。

 

「透はね、父がやってた探偵事務所を継いだんだけど、人に対する依頼が来なくてね。

今ではペット探偵なの。私は“水野ペット探偵事務所”に改名しろって言ってるんだけどねぇ」

「そのうち依頼来るよ!」

「えぇ~、口コミに“水野ペット探偵事務所”ってしょっちゅう書いてあるじゃん。高評価なんだから、人に対する依頼は諦めなよ。

探偵のドラマとか見まくってるけどさ」

ぐぬぬといった表情の透。

「人に対する依頼のイメトレかしら?探偵ドラマを見るのは?でも、役にたってませんから、ざんねん!」


「……えっと、じゃあ、僕の紹介を。

僕は望月蒼です。元の世界では画家をしていまして」

打ちひしがれた透のフォローで話に割り込む僕。

「えぇ~、凄い!!才能のオーラが視えるもんね」

「ありがとうございます」

「打ち合わせがあるって言ってたもんね、仕事関連?」

 

あ、透、ちょっと復活した?

「今度画集を出すことになりまして、その打ち合わせの予定でした……」

「あぁ……」

暗い雰囲気になった。そうするつもりではなかったのだけど。

  

「ところで彩さん、見ず知らずの男を簡単に家に招いたらいけませんよ。僕はまともな男ですけど、

誰もがそうではないんですから」

「ふふふ、大丈夫よ。ちゃんとオーラ視るようにしてるし。因みに貴方のオーラを視たけど、それは綺麗なものだったわ」

グゥーと親指を立ててポーズを決められたけど……

 

「透、大丈夫なの?」

いろんな意味で。

「大丈夫だよ。マジで姉ちゃんオーラ視えるんだ。

だから喫茶店で毎日1件合間に占いしてんの」

「……オーラ……」

 

「あ、そっかごめん、そういや聞いたことあるわ。

別世界ってオーラが視える人とか特殊な人ってインチキな場合もあるんだってね?

 

この世界では偶にそういう人が生まれるのね。

因みにオーラ視える人は登録制になってて、ちゃんと調べられて登録されるからインチキの人はいないよ。

ガチの視える人なの、姉ちゃんは」

 

オーラ……登録制……聞いた事無い話だな……

僕の世界とこの世界との違いに驚き疲れている……

情報量が多過ぎてパンクしそうだ。

そんな僕に、 

「蒼君、占いたいことがあったら1回無料サービスしてあげるからね」

彩さんと透はコクコクと笑顔で頷いてみせた。



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