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27:デートお誘い前

“ペット探偵110番ワン”は最近“みずの探偵事務所”の近くに開業したチェーン展開のペット探偵事務所だ。

お縄になった男達が受けた依頼がそのペット探偵事務所からだったんだよね。

正直、やってる事が分からない。

だってあんな真似したら直ぐ捕まるでしょ?

あれが脅しになったと思ったのだろうか?

それにみずの探偵事務所があるのに近い所に出展するなんて商圏選択も失敗してるし。

売上が無くて焦っていたのかな?

色々と変な人達だよね。


さて、お縄になったお陰でスムーズに決着がつくことになった誹謗中傷問題。

八須賀さんや保さんが頑張ってくれたお陰で色々証拠も揃い、この証拠も警察に届け出たことでコチラにとってイイ感じに進んだそうだ。


“ペット探偵110番ワン”の本社から示談の申し入れが八須賀さんの所属している法律事務所へきたそうな。店は撤退するとか、アホなことをやっていた店長は解雇するとか、あの脅してきた男達も実は従業員だったそうでそいつ等も解雇、コチラへの接近禁止、あとは示談金の提示とかあったって。

取り敢えず丸っと綺麗に済みそうでよかった。


*******

 

今朝は天気が良い。

瑞希から昨晩、夕方彩さんへデートのお誘いに店に来るって連絡があった。

 

僕のオカメインコの紅黄ちゃんは絶好調だ。

テーブルの上にいる。

向かいにいる彩さんへ口笛を吹いて見せているんだ。

『ピィ〜ピィ〜ピィ〜ピィ〜ピィ〜ピィ〜ピィ〜』

これはキラキラ星だな。

彩さんへキメポーズ!

キメポーズ!連続でキメポーズ!

キメポーズをするたびに冠羽がぴょんぴょんと跳ねてなお可愛らしい……。はぁ。

彩さんも、この場に通りかかった透も目を細めている。

  

はぁ、紅黄ちゃんが霊じゃなけりゃ写真を撮りまくったり動画を撮りまくったりするのに。残念……。


「癒される〜」

「ほんとに!俺のささくれだった心が癒されてるよ……」

「何かあったの?」

「あぁ、透、ペット探偵じゃない方の告知出したじゃない?依頼受けますって、ホームページに。あれ、まだ依頼0件だってよ」

憐れみの目で透を見る彩さん。


「誹謗中傷問題が解決したら依頼、来るんじゃない?」

僕がフォローを入れると、

「いやぁ~、もう、ペット探偵って認知されてんだから中々難しいんじゃないの?」

「まだまだだよ。誹謗中傷問題が解決したらどうか分からないじゃないか!」

透、そんなにやってみたかったんだ。


「だったら、問題解決しても反応が無ければ、チラシ作って配ってみたら?」

「ありがとう、蒼。その案頂く」

 

✢✢✢✢✢✢✢


その日の夕方。

彩さんは心なしかソワソワしている。

瑞希は何時頃来るんだろ?

と、思っていたらお客様。

あのスーパーエクストラワイドニートさんだ!

「彩殿、お元気か?」

「あら、真琴ちゃんありがとう。元気よ。

この前は急に休んでてゴメンね。

お菓子も美味しかったわ。真琴ちゃんは元気?」

「10キロくらい痩せる気分でゴザルよ。ご相談宜しいか?」

「勿論よ、どうぞ」

  

スーパーエクストラワイドニートさんは真琴さんと言うそうだ。因みに“スーパーエクストラワイドニート”の由来はご自身のカラダが縦にも横にもデカくて、且つニートだったからだとか。スーパーは何となくつけたそう。

彩さんは今からオーラ診断とかするみたいだから、瑞希を待つ間のソワソワ感はちょっと気がそれるんじゃないかな?


透は今日のペット探偵の仕事を終えてすぐ、店の方へやって来ていた。カウンターに陣取っている。

瑞希と彩さんのことが気になるんだろう。優しいな。

「僕、身近にユーチューバーの方はいなくて。始めて会っちゃった!」

「そうなんだ。画家さんならそういうのやったりとか、SNSやったりとかしそうだけど」

「やった方がいいんだろうけどね。僕がそういうの苦手で。作ってもらったホームページぐらいしかないんだよ」

 

「コッチであんなに人気なんだから、インスタとかやったらフォロワーさん、沢山付くんじゃないの?」

「いや……今の所考えてないよ。

そういう透こそ人気あるじゃん?ほら、例大祭の日に沢山連絡先のカードもらった……」

「あぁ」

「イケメンペット探偵って人気出るんじゃないの?」

「……こまめに更新出来ないし、ネタがないよ」

「見つけたペットの写真掲載許可をもらって、一緒に写真撮ったらいいよ。

誹謗中傷の件も写真を見れば被害者だって分かってもらえるし。それに、ペットとイケメンって人気出そう」

「いやぁ~」

透は意外と照れ屋だ。自分の写真を載せるのが恥ずかしいのかもしれない。 

 

「こ、こんにちは……」

瑞希が来た!あれ、もしかして緊張してるのか?

動きがカクカクしていてロボットみたいだぞ!

不安だ……。



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