26:デートの計画
「デート……?」
「デートだよ、ほら、考えて」
「瑞希君と?」
「そうだよ。姉ちゃんも薄っすら瑞希の気持ちに気が付いていたんじゃないの?」
「だって私、年上よ」
「女性が年上でも幸せな結婚する人達もいるでしょ?……瑞希はいいヤツだって姉ちゃんも知ってるじゃん。確かにさ、今まで2人のことは気になっていたけど俺は放っておいたよ。
出来れば自然にいい流れになればな、って思ってたから。
でも、今回、折角だし、色々視野を広げて欲しいと思ったんだ。姉ちゃんを貰ってくれそうないいヤツが他に取られちゃ残念じゃないか」
「それに、1人の男性として見たら、違う気持ちになるかもしれないし……ならないかもしれないし。
ならなかったら、瑞希もキッパリ諦められると思うので、是非デートしてみて下さい!」
「蒼君……わかったわ、デート、一丁してみようじゃないの!」
彩さんが決意の表情。
よかったな、瑞希!
「じゃあ、デートコース決めだね」
「デートコース……今の若者は何処に行くの?」
「いや、大人のデートだからさ、食事とか映画観るとか?」
「ドライブデートとか?」
「ドライブデートは完全に2人きりでしょう?
緊張しそうよ……」
「お、おう……」
透困惑気味。
「だってさ、デートなんて、何年振りよ?
それに瑞希君をそんな目で見たことも無かったからさ!」
そういえば、そうか。僕も久しぶりのデートなんて緊張しそう。
「じゃあ、映画観て、夕食、オシャレなバーに行くとかどうですか?」
明さんのバーに行って欲しいんだよね。
「それでいいんじゃない?ねぇ、姉ちゃん?
姉ちゃんだったら防犯グッズを初デートで買いにいきそうだもん」
「う、イイじゃん防犯グッズ!」
「それは大人のデートじゃなくて、夫婦の買い物なの!それに、もう買ってあるし、設置もしてるから!」
よかった。ツルハシが防犯グッズは、使いづらそうだと思っていたんだよね。
*******
部屋のソファにどっかりと座り込んだら、猫吉が僕の
右腕に絡んできた。前足でシッカリ僕の腕を掴んでいる。はぁ、カワイイですね!
コーギー犬の亜紗君、ホーランドロップの蒼灰君、
オカメインコ紅黄ちゃん達も僕の元に集まってくる。
「モフモフちゃん達もっと近くにおいでぇ」
そういうと近くにやって来てくれた。
『あ—おちゃん』
「はぁい」
紅黄ちゃんが僕の名前を呼んでくれる。
嬉しぃなぁ。
亜紗君はコチラにおしりを向けてフリフリしながら僕の左手の下に入ってきた。
蒼灰君は僕の太ももの間にきて丸まった。
モフモフの幸せ……。
僕はフト絵を描きたくなった。
コッチの世界に来てから初めて。
今度画材を……クロッキー帳と鉛筆ぐらいでいい。
荷物は沢山にならない様に。戻る時にどれくらい持って帰れるか分からないから。
このモフモフちゃん達も一緒に僕の世界に行けるか分からないから思い出を残しておきたい。
*******
「姉ちゃん……」
「何?透ちゃん」
彩と透は彩の部屋に移って話を続ける。
「あのさ、姉ちゃんが複雑な気持ちなのはよく分かってるよ。好きになった蒼を諦めないといけないのも、姉ちゃんの気持ちに全く気が付いてない蒼から瑞希とデートを勧められるのも」
「……見事に気が付かれてないわよね。
私ってもしかして女優なのかしら?」
「いや、マジで姉ちゃんが謎だからじゃない?」
「まぁ!そんなコトないでしょう?失礼ね!」
「……まだ時間経ってないし、今なら麻疹ぐらいで済むよ」
「うん」
「姉ちゃん、失恋を癒すのは新しい恋だっていうだろ?
過去の事もあると思うけど次は幸せな恋愛が出来るといいよな」




