↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/31

24:ライラ

「瑞希ってその人とデート行ったことあんの?」

「ないよ」

「行きなよ、行くべきだよ、ね、明さん?」

「そうね、動かなきゃ欲しいものは手に入らないよ、瑞希」

「具体的に瑞希はどんな所にデートに誘ったらいいと思う?僕はそういうの疎いんだよね」

「そうさねぇ。瑞希の想い人はどんな人なの?」


「どんな人……綺麗な人だね。それに情に厚い。

優しい人なんだ」

そうだね、彩さんはそんな感じの人。

「純喫茶をしてて、料理が上手くて、バリスタなんだ。あと不思議な人」

そうそう、そんな人。

「モテるんだけど、……趣味はよく分からないね。

あぁ、暴れ大将軍RXってシリーズの時代劇が大好きだったな。

あのシリーズの乗馬シーンに憧れて、乗馬習ってたことがあったハズ」

乗馬してたんだ、知らなかった。

 

「動物は好きそうだよね」

「うん、動物好き」

「バーとか行くタイプ?」

「いや、居酒屋か家飲みが好きなタイプだね。

よくへべれけになってる」

「う〜ん、そうなんだ」

  

「男性のタイプは?」

「タイプか……そうだ、大学の時に婚約の話まで出ていた人がいたんだけど、社会人になってから別れたんだよ。それ以来彼氏の話は聞いたことないね」

確かに、今も男っ気ないな。

今夜は透と家飲みするんだって、デリバリー出来るお店のリストを見てたし。


「その大学の時から付き合ってた男のせいで恋愛に消極的になってるんだろ?

破局した理由は聞いてないの?」

「……向こうの両親が親なしのクセにって言ってたのが1番の理由だったみたい」

「あぁ、分かった、そういうの言われた時に男が庇ってくれなかったんだろうよ。

親がいてもウチみたいに毒親のこともあるしさ、本人が自立してるなら親がいるとかいないとか関係ないと思うんだけどね」 


僕はスコッチ&ソーダをまた頼む。美味しい。


「それなら誠実でいつも彼女の味方だってアピールして、ドンドン距離を詰めて、好きだと気持ちを伝え続けるしかないよね。

今まではどんなアピールしてたの?」

「アピールは……」


【瑞希〜小学生】

透のザリガニ獲りの付添いで彩がいたのを、彩もザリガニ獲りが好きと勘違いし、ザリガニ獲りに頻繁に誘う。

⇛基本、透と彩と瑞希の3人でザリガニ獲りに出掛ける。透がザリガニ獲りに飽きたあたりでやんわりと断られるように。


【瑞希〜中学生】

彩の部活やら受験やらで中々時間が合わず。

アプローチしそびれているうちに彩に彼氏が出来た。

瑞希、失意の日々。


【瑞希〜高校生】

彩への恋を諦めてようと決意。

瑞希には初彼女が出来るも進路の違いで別れる。


【瑞希〜大学生】

瑞希、大学で新しい彼女が出来る。

彩は彼氏と別れる。

だが、直ぐに新しい彼氏が出来た。


【瑞希〜社会人】

瑞希、大学の時に出来た彼女とは関係が自然消滅した。

彩と彼氏には婚約の話が出たが破局。

以来彩は恋愛は拒否する。

⇛瑞希、彩に負担がかからないようにアピール(したつもり)したが進展無し


「……そっかぁ……ドンマイ」

明さんは瑞希の肩をカウンター越しにポンポンする。

「瑞希、僕は思うんだけどさ。

彩さんてその……あんな人だし、今までの関係をぶち壊すぐらいアピールしないと分からない気がするよ。それに……仮に気が付いていても、自ら関係を壊さない気がする」

 

瑞希は何やら考えている様子。

「次、ライラ頂戴」

「ハイよ」

 明さんは苦笑いをしながらライラを作る。

「……俺さ、今の関係が壊れて彩さんがよそよそしくなるのが怖かったんだ」

「うん」

「ハイ、ライラ」

ライラのカクテル言葉は“今、君を想う”。

瑞希がカクテル言葉を考えて頼んだかは分からない。ライラはウォッカをベースにしていて度数も高い。

酔いたいのかな?


「見てるだけで、ぽっと出に掻っ攫われたら後悔しか無いよ。頑張りな。

俺も蒼さんも応援するし。もし振られても、骨拾ってあげるから」

「縁起でもない……」と、瑞希がポツリ。


「聞いてるとさ、大人の男感があるアプローチじゃなかったっぽいよね?今まで。

想い人の弟さん?と、接し方一緒にされてないの?

ココは一つ、大人の男感を出して意識させた方が良さげだけど。どう?」

「うん……」

「あ、明さんのお店もデートコースの一つにしたら?やり取りを見てもらって、アドバイスしてもらったらいいよ!」

「うん……」

「そうと決まれば、デートコース考えよっか」

「……うん。……そうだね、このままにしない!

2人ともヨロシク!」

酔いのせいもあるかもしれないけど、瑞希は力強く返事をした。

 

明さんがウインクしながら瑞希に笑いかける。

「じゃ、明日早速デートに誘うんだよ。

決断したなら実行は確実に」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。