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第1部 第68章
「やっぱり、ルシファの手だ。」
小さな声が聞こえてルシファは顔を上げた。
まだしっかりとは開かないが、焦点のあった目でギルがルシファを見ていた。
「ずっと真っ暗な地獄を彷徨ってたんだ。怖くて、怖くて。でもきっとまたルシファが手を差し伸べてくれるって信じてた。」
ルシファに握られていないもう片手をゆっくりルシファに伸ばした。
「だからずっと探してたんだ。少し明るい所が見えるとそっちに走っていくんだけど、追いつけなくて。やっとね、光をつかめたんだ。」
差し出された手を握った。
ギルがうれしそうに微笑んだ。
「僕はルシファが手を差し伸べてくれれば、何度だって地獄から這い上がれるよ。」
それだけいうと、うれしそうな顔のまま目を閉じて、静かな寝息を立て始めた。
そっと額に手を当てると熱は下がっていた。




