第1部 第48章
街はとても明るくて、いろいろなものがあって目が回りそうだった。
軽快な音楽が流れ、コーヒーの香りや甘い香りがただよっている。
ところどころ置かれた椅子やテーブルで機械を見つめてる人、昼寝を楽しんでいる人がいる。はしゃぎすぎた子供が転んで大声で泣いている。
通りにはまっすぐ並んだ花壇に色とりどりの花が咲き、動物のオーナメントが置かれている。
道の両側に立ち並ぶショーウィンドウ。それぞれのお店が違ったものを置いていて、かわいい色合いの女の子が数人、店先に出されたバックを見ているかと思えば、隣は、登山用品のお店があったりと、とてもいろいろあった。
「どこか入ってみたいお店はある?」
「判らないよ。こんなにいっぱい・・・。」
一体どこに何があって、自分には何が必要なのかまるでわからない。
キャッシーは自分の庭のように左右のお店に目配せをしながらどんどん歩いていく。
隣のルシファを見ると何を見るでもなく前を見たまま歩いてるが、時々ギルの様子を伺っているのか判って心強かった。
「じゃあ、私のお気に入りのお店に行こう。」
つれらるままにお店に入ると、さっきの音楽とは全く違った落ち着いた流れる水のような音楽になった。店の中にいる人達も外にいた人たちに比べるととてもゆったりとしているように感じた。
今までの通りはきれいでウキウキする風景だったが、正直ざわざわしすぎて長居はしていたくなかったのでちょっとほっとした。
「このお店の服の生地は化学繊維を使っていないのよ。」
キャッシーの「衣」のこだわり。
「私は外で待ってるよ。」
目をらんらんと輝かせて服を選ぶキャッシーにルシファがいった。
「30分したらきてね。お財布はあなたなんだから。」
ルシファの顔など見ないでいった。ギルはルシファの後を追おうとしたが、その目の前に服が出された。
「どう?これ、似合うと思うけど。」
見事足止めされ、ギルはルシファを追うのをあきらめた。




