第1部 第47章
「ライブラリで観られる所にいっても仕方ないから、体験型のに行きましょう。」
キャッシーが向かうほうに2人はただついて行くだけだった。
「ここは体験すべきね。」
「私は遠慮するよ。」
「そうは行かないわ。保護者なんだから一緒に入りなさい。」
半ば無理やり2人を部屋に閉じ込めた。
「何これ、空気が痛いよ。」
「シベリアっていう地球で1番寒い地方の再現だよ。この部屋の気温はマイナス30度らしいよ。」
「だめだよ、出よう。」
慌てて出ると部屋の外でキャッシーが壁についているモニターを見た。
「20秒。」
「なかなか根性がないのが如実に表されてる数字だ。」
寒さに自分の肩を抱きながらルシファもモニターを覗いた。
「こっちならあったかいわよ。」
外に出ても芯まで冷えてしまったのか震えが止まらない。
キャッシーが開けてくれた部屋に入ると、震えていた体がほっと緩んだ。しかし、気持ちよかったのもつかの間、空気が息苦しく重くなってきた。すごい熱気と湿気で汗が噴出してきた。
「ここもとんでもないよ。」
汗を拭きながら部屋を出た。
「地球にはいろんな環境があるのよ。そして長い年月の中、人間も動物も植物もその環境に適応して生きてきたのよ。」
こんな過酷な環境に耐えて生きていくってことはどんなに大変だろうと思った。
「次は高山地帯。」
今度はキャッシーが一緒に入った。ルシファは逃げ出すように部屋の外から手をふった。
「これ舐めてた方がいいわよ。耳が痛くなるから。」
渡された飴を舐めると、目の前に広がるホログラムの山の風景が動き出した。風景は下へと流れていく。まるで鳥になって山を登っているような感じだった。
「標高300メートル。」
アナウンスが流れる。キャッシーのいう耳鳴りがしてきた。
「痛いよ・・・。」
「唾を飲んで。少し楽になるわよ。」
耳鳴りはひどく、キーンと言う金属音がし始めた。自分の体は一体どうなってしまったのだろう?耳は金属音しか聞こえないし、頭はくらくらしてきた。
ホログラムはいつのまにか山の頂上になっていた。
「降りるわよ。」
目の前のホログラムの山の風景が上に流れていく。本当に落下してるようだった。
地上に戻ってくると、耳鳴りは納まったが、頭がクラクラしたままだった。
「どうなってるの?」
頭がクラクラして平衡感覚もおかしくなってる。鼓膜も痛い。
「気圧の違いだよ。気温、湿度、そして気圧もいろんな環境がある。」
「この気圧の変化は体にいいのよ。血行や酸素濃度の関係で、スポーツ選手のトレーニングやお肌にもいい効果があるの。」
だから、キャッシーはこの部屋には入ったんだ。この耳鳴りと頭のクラクラを知っていてお肌のために入るなんで女性はすごいと思った。




