表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
石の記憶  作者: 弥生 飛鳥
27/171

第1部 第27章

「この石は自殺した人のものだ。決して気分のいいものは見えない。それを前提で考えて。」


 ギルは戸惑った。もう、人の心は読まないと決めた。でも何でそう決めた?

 

人が嫌がるからだ。


今、この石の記憶を読むことは誰かを傷つける?


 そんなことはない。この人が蘇生して苦しむかもしれないし、更生できるかもしれない。ただのデータからそんなことを決めるより、記憶を読んであげた方がこの人にとっていいはずだ。


 ギルは頷いた。


「やってみたい。それが素直に僕の考えだ。」


 ルシファは安心したように微笑んだ。


「いやな気分になったらすぐにやめていいよ。無理は絶対しないで。」


「こっちにきて。」


 ルシファの手を取って部屋をでた。


「ルシファが寝て。」


 ベッドに連れて行くと、自分はいつもルシファが座る椅子を持ち出した。


「いつもと逆だな。」


 ルシファは大人しくベッドに横になった。


 いつもルシファはこんな感じで僕を見てたんだ。椅子に座るとベッドに横になるルシファを見下ろした。


 本当にきれいな人だなと思った。炎のようなオレンジの髪。華奢な体。細く筋のとおった鼻。彫が深いわけではないが、くっきりとした顔立ち。女性の美しさも男性のしなやかさも両方供えている。光の天使だ。


 あまりの光に初めの頃は恐れがあった。全く違う世界の人だと。


 でも今は出来るだけルシファのようになりたい、できるだけルシファと同じ世界で生きていたいと思う。


「どうした?」


「僕、また1歩新しい世界に踏み出した。」


「ああ、自分の足でしっかりと進んでる。思ったよりも早い速度でね。そのうち走り出すだろう。でも、何かにつまずいて転ぶことがあっても、顔からのスライディングはもうするな。」


 クスクスと笑い出して石を差し出した。大げさに口を尖らせて石を受け取ると、右手をルシファの手に乗せた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ