第2部 第54章
次の日、早速動物園に行くと、アランのようなガッチリした体格のナチュラルの男が握手してきた。
「エリックだ。よろしく。」
「ギルバートです。よろしくお願いします。」
「動物の世話をしたことはないんだよね。」
ギルはすまなそうに頷いた。
「担当者になったら、体調管理や軽い処置までするんだけど、とりあえず、君には雑用だけでも手伝ってもらえるとありがたいよ。」
エリックは餌のあげ方、周りを掃除する道具の位置などを教えてくれた。
「それだけ手伝ってくれればいいよ。後はライブラリにいろんな仕事が入ってるから、気に入ったら手伝って。基本、俺はサバンナエリアにいるから、何かあったらそこにきてくれ。」
手短に説明すると自分の仕事に戻ってしまった。
それからギルは動物園に通うようになった。ライブラリには馬以外の動物の世話の仕方のマニュアルもあり、専門知識のない雑用が必要な所に顔を出しては手伝った。
自分がメインで世話している馬たちは、広い、向こう側が見えないほど遠くの柵までのエリアに放し飼いにされていた。全部で13頭。群れる性質の馬は大概みんな一緒にいて、軽い怪我のチェックなども楽だった。
「やあ、みんな元気?」
馬は好奇心旺盛で、ギルが近づくと全員が近寄り、匂いをかいで、ギルを確認するとまた何もなかったように草を食べ始める。たまにやんちゃな若い馬が鼻を肩に乗せたり、服をくわえたりとちょっかいを出してくる。そんな子がかわいくて、この牧歌的な世界がとても平和で安らいでいて、いつも考えてしまう不安をぬぐってくれた。




