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石の記憶  作者: 弥生 飛鳥
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第2部 第46章

大量の服を持って家に帰ると、ルシファはもう帰っていた。


「どう? 楽しめた?」


 父のデータを見てもダメージを受けなかったらしく、いつものルシファだった。


「ごめん。僕、ルシファのお金使っちゃった。」


 両手に下げた紙袋を差し出した。


「君が買い物したの?」


「選んだのはキャッシーだけど。」


「これで、一人で買い物もできるね。」


 ルシファは喜んでくれた。




 それから数日でキャプテンはヴィレッジの計画を発表した。


 船を創って地球の変動に対処すること、そして、その船にはルシファが提案したように、ジーンリッチ用の設備は設けないこと。


 それを前提に協力者を募った。


 ルシファの提案以外に付け足されたことは、その船にキャプテンは乗らないこと。


 自分はジーンリッチのマザーコンピュータを最後まで守ることが使命。


 彼は見捨てられたジーンリッチ達を考えると、自分が助かることなどできなかったのだろう。


 沢山のジーンリッチがヴィレッジから去って行った。ジーンリッチとナチュラルが分け隔てない世界を愛していたナチュラルも去って行った。


 わずかに残った者達で船を創ることは困難を極めていた。時間がない。


 それでもやるしかない。


 ルシファは船の計画の為にほとんどヴィレッジにいるようになった。


 ギルは何の手助けもできぬまま、ヴィレジで過ごすしかなかった。




 ヴィレッジのラウンジでは大きな画面にニュースが流れ、話題はほとんどが世界中で起こっている災害のニュースだった。


 確実に災害は増え、規模も大きくなっていく。


 世界中で生き残るための対策をいろいろな団体がしはじめているニュースもあった。


 高い山にコミュニティを作る者、地下に潜ろうとする者、月にある観測基地に避難用設備を設ける者。それぞれが動き出し始めた。


 それでも、それを他人事のように、今まで通りの生活を送る者が大多数だった。


 



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