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石の記憶  作者: 弥生 飛鳥
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第2部 第41章

ヴィレッジに泊まっていく様に勧めるキャプテンを「家でゆっくり休みたい」といって振り切るように家に戻った。


部屋には昨日入れたラベンダーのお茶がそのままで、いい香りを振りまいていた。


「やっぱり家は安心するね。」


 ルシファはぐったりとソファにもたれた。


「あったかいの入れなおすよ。ラベンダーでいい?」


「ありがと。」


 冷めたカップを持って部屋を出ようとすると、ルシファが立ち上がった。


「明日、またヴィレッジに行って、父のデータを見たいんだ。」


 めまいがするのか、ソファに手をかけて寄りかかった。


「私が培養していたバクテリアは地上の船でも必要なバクテリアだったんだ。それを少しまとめて、専門の研究者に提示したい。ちょっとこもりたいから、君はキャッシーの所へ行っておいで。キャッシーに明日暇かどうか聞いてみる。お茶が入ったら持って来てね。」


「無理しない方がいいんじゃない? フラついてる。」


「お茶を飲んだらすぐ寝るよ。」


 仕方なく、お茶を入れることにした。




 お茶を入れて持っていくと、眠ってしまってるのかと思うように椅子にもたれていた。


 ギルが入ってきたのに気付くと、体が重そうにゆっくりと起こした。


「丁度、キャッシー明日は暇があるらしい。よかったよ。」


 安心したように機械の電源を落とした。


 カップを手渡すと両手で包んで、ラベンダーの香りをかいだ。


 しばらく何もいわずにラベンダーの香りに包まれていた。


 本当に家は落ち着く。めまぐるしい日々に振り回されていた。一体どれぐらいぶりに落ち着いたのだろう? すごく長い時間が過ぎたようだった。


「疲れたよ・・・。」


 ルシファがカップを見つめながら呟いた。


 ルシファは昨日からいったいどれだけの過去と向き合い、清算してきたのだろう。あまりにも突然で、あまりにも沢山のことを迫られて、じっくり考える暇もなく振り回されていたはずだ。


「もう、寝た方がいいかな。」


 ふらつきながら立ち上がって歩き出そうとしているので、慌ててギルが支えた。


「どうしてこんなに疲れてるんだろう?」


 もう意識が薄れてるように、呂律が緩慢になっている。


「疲れたよ・・・。本当に、疲れた・・・。」


 そのままギルにもたれるように体を預けた。


「歩ける? ベッドまで行こう。」


 昨日のように支えながらなんとかベッドまでたどり着いた。


「ごめんね、ギル。」


「なんで謝るの?」


「なんでだろう? 頭がいっぱいで、何が何だかよくわからない。混乱してる。」


 ベッドに倒れるように横になった。


「柄にもない悪魔なんか演じるからだよ。」


「そう? 結構合ってなかった?」


 ギルの怒った顔を見て弱々しく微笑んだ。


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