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石の記憶  作者: 弥生 飛鳥
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第2部 第37章

 部屋にはヴィレジで今まで異常気象や災害を調べていた研究者等、30人ほどが集まった。


 ヴィレッジで何かの相談や会議をするときにはこの円卓の部屋が使われる。


 円はどこに座っても皆平等。誰が指導者でもない。


 情報提供とのことで手のあいている人たちは集まったが、キャプテンの表情を見て、皆、表情を固くしてルシファの話を聞いた。


 ルシファは今まで地球が何度も起こしてきた周期的な地殻変動が計算よりも早くなっていること。その原因は人間による環境破壊が主な原因だと思われること。


 地殻変動は地球中に及び、洪水、火山、土地の隆起、陥没等により、無傷な土地はない。生き残るにはそれなりの準備をしなければならない状況であること。その準備のために父のデータを公表することを述べた。


 とても機械的な口調で。


 部屋にいた誰もが、わずかに残していた希望を失った。


 今まで異常気象の原因を突き止めようとしてきた者達。どんどん数を増す現状に、このまま増え続けることはわかっていたが、ある程度の所で減少するかもしれない。異常が止まるかもしれないという、わずかに残っていた希望を打ち砕かれた。


 もう止める事はできない。しかも残された時間は半年。


 ギルはルシファが渡した智恵の実をここにいる人たちがどう扱うのか不安だった。


「私は以前、アレックスに地球の変動が思ったより早く訪れる話をきいてから、このヴィレッジのいくつかの建物を洪水のときに、基礎から離れて浮くことができるようにはしたが、おそらく、もっと緻密な計算をしなおして修正を加えないと、使い物にはならないと思う。」


 キャプテンはテーブルを見渡した。


「そこで君たちに協力を願いたい。アレックスが長年研究してきたデータを分析し、ここを襲うであろう災害の中生き残れる準備をみんなで協力して行いたい。あと半年で宇宙船を作る事は不可能だが、地上の船であれば間に合うはずだ。」


 最悪の状況を言い渡されたが、希望が全くなくなったわけではない。

船を作れば、生き残れる。


「あまりに突然のことなので、今日は情報提供と意見交換の場にしたい。忌憚ない意見をいって欲しい。」


 誰もあまりに突然のことすぎて何も述べることができないままだった。


「あくまで、私の意見でしかないが。」


 ルシファが口を開いた。


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