第2部 第30章
ヴィレッジに着くと、知らない部屋に通された。
キャプテンは忙しいらしく、先にデータを見て待っていてくれとのことだった。
通された部屋には大きなソファがおかれ、重厚な木のテーブルの上に機械が置かれていた。
「寝心地のよさそうなソファでよかった。君は寝てていいよ。」
机に置かれている機械の電源を入れた。
「僕も見たい。」
画面を覗き込んだが、わけのわからない細かい文字が流れていた。
「見てもずっとこんな調子だよ。」
画面の中から何かを探している。
ギルは仕方なく、持ってきたライブラリのクリスタルを取り出した。
「これか。」
見つけたファイルを開いて、大きく深呼吸した。
ギルは長期戦になりそうなので、ソファに横になるとルシファの膝に頭をのせた。
「さて、地獄を見にいってくるから、ちゃんと救い出してね。」
ウインクすると、画面に見入った。
クリスタルを読みながら時々目を開けてルシファの様子をうかがった。
ずっと身じろぎせずに画面を食い入るように見つめている。感情を押し殺しているのか何も感じない。まるで魂の抜けてしまった美しい彫刻に見えて少し怖くなった。
体だけおいて、魂は闇の中に入ってしまってないか確かめるように膝をつかむと、画面を見つめたまま髪を撫でてくれた。
ギルは安心してクリスタルに意識を戻した。
クリスタルには美しい景色がいっぱいだった。
どうか、どうかルシファを何もない真っ暗な宇宙空間や宇宙船に閉じ込めないで。ルシファはこのきれいな風景の地球にいて。
ギルは祈った。




